毎日コロナコロナ、不要不急の外出自粛で旅行はできず、フライトは減便減便欠航。そしてオーストラリアのヴァージンオーストラリアは破綻と、全くいいニュースがない今日この頃。
そんな中、前向きになれるニュースが。
JALが新たに立ち上げたLCCブランド「ZIP AIR」が、成田=ホノルルの就航を予定しているとか。
関西空港からはエアアジアや過去にはスクートがホノルルまで就航していましたが、東京・成田空港からLCCでハワイにいけるようになるのは初めて。それも日系エアライン。これは楽しみですね。
ところで、ZIP AIRって何者?機材はどんな感じ?サービスは?という疑問もあると思いますので、今日はZIP AIRのハワイ就航と、ZIP AIRについて紹介していきたいと思います。
目次
ZIPAIRが成田=ホノルル路線の2020年冬ダイヤから開設を申請
現時点でJALやZIP AIRから正式にプレスリリースは発出されていませんが、ZIPAIRはアメリカ運輸省に対し、アメリカへの就航と成田=ホノルル路線を開設するための申請を行いました。
(参考)アメリカ運輸省に提出された資料のダウンロードはこちらから可能です。
申請のうち、路線開設部分ですが、2020年冬ダイヤ(2020年10月末~)から、1日1往復の運航を予定しているとのことです。申請中ではありますが、おそらく従来JALが運航している成田=ホノルル便を振り替えるだけなので、申請そのものは通らないことはないと思います。
もともと、JALの子会社であるZIP AIRは中距離LCCとして、2020年はアジア、2021年にはアメリカ就航を予定していたので、ロサンゼルスかホノルルに就航を予想はしていましたが、まずはホノルルになったようですね。
ただし、ハワイ就航であれば、洋上を長い時間飛ぶため、ETOPSの認定が必要です。これは機材・エンジンの組み合わせのほか、航空会社の実績で認められるものなんですが、まだZIPAIRはETOPSの認定をもっていないため、これが通ることが前提となります。
本来であれば5月からバンコクに就航し、ETOPSの取得を目指すべくフライト実績を作っていく必要があるんですが、バンコク線の就航が延期となったため、現実的にホノルル開設10月末は難しいのではないかな…とも思いますが。
それでも、ZIPAIRが成田=ホノルル間を就航することにより、東京からLCCでハワイに行けるという時代がやってくることになります。
現状、東京=ハワイの航空券運賃は日系やハワイアン航空の場合、サーチャージなどを含めると8万円台はしてしまいます。
この後紹介しますが、ZIP AIRはLCCでもなかなかハイスペックのため値段は激安にはならなそうなので、エアアジアなどのような、激安価格は期待できないものの、現行のフルサービスキャリアに比べ、かなり安くなるということであれば非常に楽しみになってきますね。
ハワイ旅行が、より身近なものになるかもしれません。
JAL系中長距離LCCの「ZIPAIR」とは
ZIPAIRは、JALが100%出資するLCC子会社です。
ピーチ・アビエーションが成功したことにより、ANAに比べて出遅れたと言われるJALのLCC戦略ですが、短距離路線は従来からあるジェットスター・ジャパンを活用する一方、成田空港を拠点として、アジア欧米等の中長距離国際線に就航することにしています。これを担うのがZIPAIRなんです。
フルサービスキャリアであるJALは従来どおり短距離から長距離までをカバーし、その価値を高める一方、LCC2社(ジェットスター、ZIPAIR)は、コストを低減して気軽に旅行に行ける選択肢を提供するという考え方ですね。
LCCというと短距離路線のイメージが強いのですが、ジェットスターがナローボディ機(ボーイング737やエアバス320)を用いて短距離に就航する一方、ZIPAIRはJALが保有するボーイング787をLCC仕様に改造して転用することにより、東南アジアはおろか、欧米にもいずれは就航しようという考えをもっています。
日本では、ANAとJALという2つのフルサービスキャリアに対し、LCCには「安かろう悪かろう」のイメージがついちゃっているんですよね。その間を埋めるという意図も、少なからずJALは持っています。
ZIP AIRブランド名などへのJALの思いは以下のようです。以下はプレスリリースからの引用です。
『ZIPAIR』の名称は、英語で、矢などが素早く飛ぶ様子を表した擬態語“ZIP”から生まれた造語であり、「フライトの体感時間が短い」エアラインであることを表現しています。また、“ZIP CODE”(郵便番号)が持っている「さまざまな場所に行ける」というイメージや、デジタルファイルフォーマットの“.zip”のイメージを盛り込み、「至る所に日本人らしい創意工夫をつめて、計算し尽くされた移動体験を目指す」という想いを込めました。また、社名については、新しいエアラインのベースとなる地名であり、世界でも有数のカルチャー発信都市でもある「東京」を冠して『ZIPAIR Tokyo』としました。
ごめんなさい、私にはちょっと理解ができません(笑)zipファイルと飛行機に何の関係があるのか…。
ZIPAIRの就航都市
ZIPAIRは2020年5月からバンコクに就航する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い延期となりました。ざんねん…。
そのほか、7月にソウル(仁川)への就航も予定しています。これは今のところ予定どおりだとか。日韓関係最悪になりそうなのですが、ETOPSのために就航実績だけはどんどん作らないといけないのでね…。
- 東京(成田)=バンコク(スワンナプーム)【5/14就航→延期】
- 東京(成田)=ソウル(仁川)【7月就航】
- 東京(成田)=ホノルル【冬ごろ就航?】
なので、成田=ホノルル線は、ZIPAIR3つ目の路線ということになります。
ちなみに、この先はアメリカ西海岸を目指しているということで、報道などをみると、現在日系が乗り入れていないポートランドが有力な就航地ということです。ライバルがデルタしかいないのも、確かに就航しやすいですね。そのほか、需要が極めて旺盛なロサンゼルスもありそうですね。
ZIPAIRの機材
ZIPAIRの機材は、先ほど紹介したとおり、一般的なLCCとは異なり、中型機であるボーイング787-8を使用します。
これは、従来JALが使用していたボーイング787-8のうち、座席が旧型だった機材を改装してZIPAIR仕様にし、JALからリースを受けたものになります。
ボーイング787は、従来の航空機と比べ運航効率が約20%高い環境に配慮した低騒音で運航できる飛行機です。快適な湿度・気圧の設定ができることから、快適なフライトを実現しています。
また、ボーイング787を利用すると一般的なLCCに比べ座席数が多くなります。具体的に、ZIPAIRのボーイング787-8では、2クラス290席の配置となります。
具体的には、ZIPAIRの場合、ワンランク上のクラスである「ZIP Full-Flat」が18席と、普通席である「Standard」が272席の、合計290席となります。
ちなみにZIPAIR仕様に改造する前のJAL機材の配置がこちら。もともとの総座席数は206席だったんですが、これを1.5倍詰め込んだ仕様になります。
シンガポールのLCCであるスクートが、同じボーイング787-8を用いて2クラス制329席のシート配置で運行しているので、それよりはゆとりがあるといういことですね
スタンダードシートを紹介
まずは利用する人も多いと思われる、スタンダードシートを紹介したいと思います。
ZIPAIRのスタンダードシートですが、LCCでありながら、座席シートはフルサービスキャリアでも採用されている79cmの前後空間、および43cmの座席幅を確保されています。
現在、JALやANAの国際線エコノミークラスの場合、前後のシートピッチは84センチから86センチとなっていますが、これはかなり広いほうで、海外のエアラインだったり、JALやANAでも短距離用の機材であればシートピッチは79センチだったりします。
一般的なLCCの場合、これよりも狭い場合が多いです。70センチ台前半が多いですかね。
横はボーイング787ではデフォルトの9列。JALのボーイング787は横8列を実現していますが、ANAは9列ですし、世界中探してもそう8列の航空会社はないと思います。実際、8列でJALが発注したときは、「お前もう一回潰れたいのか」と言われたのだとか。
座席カバーには黒色の人工皮革を用いています。実は黒の人工皮革って高級感を醸し出しつつ掃除がしやすいというメリットがあったりします(笑)。
LCCなのでエンターテインメント用のモニターがないのですが、その代わりにPC電源設備やタブレットホルダーが設置されています。
特にハワイから東京に戻る際は、向かい風の強い冬場の場合9時間近くかかるので、モニターがないので個人の端末で時間をつぶしたりすることになると思いますが、電源がちゃんとあるのはありがたいですよね。
なかなかLCCのスタンダードクラスで、USBポートならともかく、PC電源つきの座席って聞いたことがありません。
フルフラットクラス
ZIPAIRはビジネスクラスの相当する座席があります。それがZIP Full-Flatという席。
名前のとおり、LCCでありながらフルフラットになっちゃうんです。ナニコレすごい。乗りたい…。最近JALでも採用しているヘリボーンタイプですね。
180度リクライニング機能を備えた上、壁をつけてプライバシーを重視した設計となっています。ハワイ路線も数年前まではJALやANAでもフルフラットではなかったのですが、これすごいですよ。
特にハワイに行く際は、飛行機に乗ったら機内食も食べずに寝るだけなのが、時差ボケ対策としてはベストですから、寝ることに特化した機材はありがたいです。他のサービスをそぎ落として、値段を下げてくれるのであれば。
ただ、やはりLCCな部分はビジネスクラスでもモニターはありません。些細な話ですが、モニターを取っ払うことで少しでも機体を軽くし、燃費をよくしようとしているらしいです。
あと些細なことかもしれませんが、ZIPAIRの機材のトイレ、前方のみウォシュレットをつけるようです。これはZIP Full-Flatの乗客向けなんでしょうかね。
JALマイルでZIPAIRに乗れるのか?
マイラーとして気になるのは、JALマイルでZIPAIRのホノルル路線に乗れるのか?という話。
これですが、正直わかりませんね。ANAの場合、ピーチにはANAマイルで乗ることができませんが、今は亡きバニラエアにはANAマイルで乗ることが可能でした。
ただ、今回ZIPAIRがホノルルに就航するにあたって、ハワイアン航空、JALと共同事業(ジョイントベンチャー、JV)をやるようです。
JALとハワイアンのJVが認められなかったため、ZIPAIRも巻き込んで再度アメリカ運輸省に申請することを検討しているようです。
共同事業を行うということはコードシェアなども行うということ。そうすれば、マイルの相互利用なんて話も上がってくるかもしれません。
なので、私個人の予想としては、JALマイルでZIPAIRのホノルル便は、取れるようになるんじゃないかなー、なんて淡い期待をしています。
従来、JALの場合、エコノミークラスで40,000、ビジネスクラスで80,000マイルが往復で必要ですが、これよりも少ない設定になるといいなー、なんて思っています。
【私が実践しているJALマイルがザクザクたまる方法はこちらからどうぞ】
まとめ
JALの中長距離LCCブランド「ZIPAIR」が、成田=ホノルル間の就航を計画していることがわかりました。
エコノミークラスに相当するStandardは少し前のJAL、ANAと同レベルのもの、ビジネスクラスに相当するZIP Full-Flatについてはフルフラットになるという、LCCと考えればかなり高スペックな座席になっています。
最近暗いニュースが多い中で、LCCで東京からハワイに行くことができるという明るいニュースがあるとうれしいですね。私も就航が楽しみですし、就航されたら早い時期に乗ってみたいと考えています。
ちなみに、ZIPAIRは2年かけて機材は6機まで増やしていくことを予定していますので、北米西海岸や東南アジアのリゾート地など、今後路線の拡大には期待したいところですね!
とはいえ、まずは新型コロナウイルス感染症が落ち着くことが大前提。私は自称「9割おじさん」として、みなさんに伝えたいことがあります。
家にいろ
以上。