日本最北端の街、北海道の稚内市。あまりに遠く、今までなかなか足を運ぶ機会がありませんでした。稚内は札幌から300キロ以上離れていますからね…。
そんな稚内に、今回は札幌から日帰り旅行で訪れてみました。300キロメートル以上ある都市への日帰り旅行です。移動時間が長いけど時間はあるのか、どのくらい楽しめるのか、気になるところはあるとおもいます。さらに、私はペーパードライバーなので、稚内についたところでレンタカーを借りることができないため、現地も公共交通手段での移動となります。
そんな中、私もいってきましたが、意外と楽しむことができました。
そこで、今回は稚内への日帰り旅行のアクセス方法と、実際に私が回った時の様子、また「こう回ればより楽しめたかな」という部分をご紹介したいと思います。
目次
札幌から稚内へのアクセス方法
札幌から稚内までの距離は約350キロ。東京から名古屋までとほぼ同じ距離です。アクセス方法は、JR特急、高速バス、飛行機の3つの方法があります。
JR特急「宗谷」
JR北海道が運行する特急「宗谷」が、札幌と稚内の間を1日間1往復しています。
朝7:30発の「宗谷」は5時間以上かけて12:40に稚内に到着し、帰りは稚内を17:40に出発し、札幌には23時近くに到着となります。
特急「宗谷」を利用して稚内に行く場合、運賃と特急料金をあわせた金額は通常片道11,090円ですが、事前にインターネットで購入すると、35%割引の7,200円で購入することができます。往復でも14,400円です。
また、現在はJR北海道が6日間全線乗り放題になるHOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パスが12,000円でありますので、こちらを利用してもよいでしょう。6日間のフリー切符でありながら、札幌と稚内の往復だけで元がとれてしまいます。
高速バス
札幌と稚内の間は、高速バス「はまなす号」が運行しています。高速バスのメリットはとにかく料金が安いことで、片道6,200円、往復11,300円で稚内に行くことが可能です。
ただし、道北までは高速道路が伸びていないことから多くの区間を一般道で向かうため、所要時間は片道6時間と特急宗谷よりさらに時間がかかります。バスで6時間は正直ちょっとしんどそうですね…。
高速バスで便利なのは夜行便があることです。札幌を深夜に出て、稚内に朝ついたらすぐに観光をスタートできます。(逆は稚内で夜まで遊ぶところがないのであまりメリットがないと思います。)
昔は宗谷本線にも夜行列車がありましたが既に廃止されており、夜の移動はバス一択になります。
飛行機
新千歳空港と稚内空港の間をANAが1日2往復しています(丘珠空港発着はありません)。
日帰り旅行の場合は、新千歳を10:25に出発し、稚内に11:20に到着する便、帰りは17:30に稚内を出発し、18:25に新千歳に到着する便を利用することになると思います。
このように、飛行機の場合、新千歳と稚内の間は55分という、電車の5時間、バスの6時間に比べ、圧倒的に短い時間で移動することが可能です。ただし、新千歳空港が札幌からかなり離れていること、飛行機はどうしても鉄道やバスよりも早めに乗り場に向かう必要があるため、実際のところもう少し所要時間はかかりますね。札幌から稚内までだと、だいたい3時間というところでしょうか。
飛行機のデメリットは料金が高いことです。正規運賃は22,000円ほどになります。ただ、旅行日の数ヶ月前から予約すれば7,000円台からあるので、コスパと時間の両方を重視する場合は早めに飛行機の予約をするのがおすすめです。
日帰りにオススメな移動方法は
バスは日帰り旅行には向かなそうなので、日帰り稚内旅行の交通手段は以下の組み合わせになりそうです。
- 行き宗谷、帰り宗谷
- 行き宗谷、帰り飛行機
- 行き飛行機、帰り宗谷
- 行き飛行機、帰り飛行機
この中で1番観光時間を確保できるのは、3番目にある行き飛行機、帰り特急宗谷です。これだと、朝は特急宗谷で出発するよりもゆっくりできる上に、稚内市内には電車よりも早めに到着し、稚内観光に6時間以上確保することが可能です。
ただ、特急宗谷で札幌に帰ってくるとなると、札幌の到着は23時になります。ちょっと遅いですよね、疲れちゃいます。そのうえ帰りは日が暮れていて車窓もそこまで楽しむことができません。これをどうみるかでしょう。
稚内へは特急「宗谷」で向かった
今回、私は行きは特急宗谷、帰りは稚内空港から飛行機を利用しました。実はこのパターンだと稚内滞在がかなり短くなるんですが、宗谷本線の景色を楽しみたかったこと、夜は早めに札幌に戻って、スープカレーが食べたかったことが理由です。
ということで朝7:30発の宗谷に乗り込みます。10分前に札幌駅に到着しました。この時間だと、ホテルで朝食も食べられませんでしたし、札幌駅もコンビニとスタバくらいしかあいていません。
特急宗谷は4両編成となっており、1号車の半分がグリーン車、残り半分と2号車、3号車は指定性、4号車が自由席になっています。
自由席が1両しかないこと、また朝の早い時間に出発するため座席確保に並ぶのがしんどいことから、事前に座席指定をすることを強くお勧めします。
この日は日曜日、特急宗谷の指定席は窓側がほぼ埋まるくらいの混雑具合でした。1日1便しかないので、意外と混んでいますね。
なお、JR北海道の特急では車内販売はなく、途中駅で長時間停車する駅もないため、必ず食べ物や飲み物は札幌駅で調達しましょう。
景色のパノラマはどこか
ずつとカメラを構えているのは疲れます。5時間もあるので寝たり本を読んだりもしたいでしょう。私は、西村京太郎の宗谷本線殺人事件を読みながら車内を過ごしていました。
旭川を過ぎて宗谷本線に入ると、ほとんど人がいない、手付かずの大自然の中を列車が走っていきます。景色がよいところを走るのですが、特に景色がよいところが2か所あって、一つ目が音威子府から天塩中川までの間です。このあたりが天塩川と並行して走るエリアなので、ぜひ車窓をながめながら過ごしてください。
また、南稚内の少し手前からは、遠くに利尻富士を望むこともできます。このあたりは絶景スポットで、列車のスピードも少し落として景色が楽しめるように、写真が撮りやすいように運行してくれます。
座席はD列をとるべし
先程、特急宗谷に乗る際は、座席指定をすることを強くオススメすると書きましたが、絶対にD列の確保をお勧めします。
これは景色が圧倒的にいいからで、同じ窓側のA列よりも圧倒的に景色を楽しむことができます。
先程紹介した、音威子府から天塩中川までの天塩川も、南稚内に到着する直前にみえる利尻富士も、D列側からみることが可能なんです。
私は何も知らずにA列に座っていたので、写真撮影するのにデッキに行って撮っていました。座席から取れず、反対側をみて景色がいいなと思うとデッキに行くも、その頃には木々に覆われてみえなくなるというのを繰り返したりしていました。
なので、特急「宗谷」の座席指定は絶対にD列を予約すべきですし、もしD列が売り切れていたら、朝早めに札幌駅に行き、自由席に並んでもいいかもしれません。
稚内駅に到着した
札幌から5時間10分かけて稚内に到着です。東京から博多まで新幹線乗っても5時間ですから、それより長い時間乗っていたんですね。それはお尻も疲れてしまいます…。
JR最北端の駅としての案内があります。稚内駅は宗谷地方の中心部でありながら、ものすごく閑散としています。というのも、稚内市の中心部は、一つ手前の南稚内駅になるので、駅前はとょっと寂しいです。
駅前でラーメンを食べよう
駅を出ると目の前にラーメン屋さんがあります。たからやというお店です。このラーメン屋さんは、過去に北海道ミシュランを獲得したこともあるということです。
特急宗谷で稚内に到着したのが12:40で、宗谷岬まで行くバスは13:20発です。バスの出発まで40分あるので、車内で食事をしていない場合、ここでラーメンを食べておくのがよいでしょう。
こちらでは醤油ラーメンと塩ラーメンの2種類があります。稚内は塩ラーメンが主流なんだそうで、私は塩ラーメンをいただきました(ラーメンは800円です)
スープがなみなみ注がれたラーメンが出てきました。こんなスープがもりもりなのは初めてで、正直飲みきれません。あと熱いですね。
ただ、味は塩ラーメンらしく、あっさりしていて落ち着いた味で美味しかったですよ。北海道ミシュランをとったというのもわかります。
宗谷岬まではバスで!
稚内駅から宗谷岬までは30キロほどあるため、この距離を歩くことはできないですし、タクシーを利用すると片道1万円くらいかかってしまいます。
そのため、レンタカーを出せないペーパードライバーの私は、バスを利用しました。
ただ、稚内駅から宗谷岬に向かうバスの本数は、1日4往復と非常に少ないんですよね。また、特急宗谷でお昼に稚内に到着した場合は、以下の便しか選択肢がありません。
- 稚内駅13;20→宗谷岬14:10
- 宗谷岬14:55→稚内駅15:45
宗谷岬の滞在時間は45分ほどになります。これは、まぁ45分くらいがちょうどいいといえばいいですね。
また、宗谷岬まで往復する場合、バスセンターで往復きっぷを買っておいた方がオトクなほか、空港に向かう場合は1日券(3,000円)を購入しておくのがオトクになります。
宗谷岬に到着!
バスで宗谷岬観光をするには事実上この便しかないため、バスはけっこう混雑していました。たっている人もそれなりにいる状態なので、ラーメンを食べたらさっさとバス停に並んだほうがいいと思います。
バスに揺られて50分で宗谷岬に到着です。ほとんど全員がこのバス停で降ります。
ついに日本最北の地、宗谷岬に到着です。前から、夏の天気の良い日に宗谷岬には来てみたいと思っており、今回密を避ける旅行スタイルという中で行ってみようと思い、ようやくそれが叶いました。
天気が良い日は、40キロ先のサハリンもみることが可能なのですが、この日は少し曇っていてみることは出来ませんでした。そこはちょっと残念でしたね…。
それより、岬ですからメッチャ風強いので、ものが飛ばされないように注意してください。
ちなみに宗谷岬の海水が触れるスポットがあります。せっかく宗谷岬まで来たので、日本最北の海水を触っておくといいと思います。
岬のすぐ横にはお土産屋さんもあります。とにかく日本最北端をアピールしています。中のお土産は定番もので、まぁ無理にここで買わなくてもいいかなという感じでした。
お店の奥には「流氷記念館」というのがあって、入場が無料ということなので入ってみました。中には流氷そのものがどんと置いてある感じ。記念館となっていますがこの一部屋だけなので2分もあればみることができます。
道路を挟んで丘があり、丘の上には展望台があります。展望台からは遠くの海を望むことができてとても気持ちがいいです。ですが、風が強い!とにかく強いので帽子など飛ばされないようにご注意を。
丘の上には、1983年に発生した、大韓航空機追撃事件の記念碑もたっています。大韓航空機がソ連の領空を侵犯し、稚内の目の前のサハリン沖で墜落し日本人28名を含む乗客乗員269名全員が死亡した事件です。
19.83mある塔の高さは事故発生の年を、16枚の羽は遭難者の母国を、269枚の白御影石は遭難者の数を表しているとのことです。
空港バスまでの短い時間で観光
一通り宗谷岬の観光を終えたらバスで稚内駅に戻ります。ここからさぁ市内観光と行きたいところですが、空港行きのバスは16:05発なので、あと20分しかありません。
駅近く何か見れればいいなと思っていたので、北防波堤ドームまで足を伸ばしました。
駅から徒歩5分のところに、アーチ状の建築物があります。これ、もともとは戦前に稚内から樺太までの定期航路があり、その発着場として作られたものです。
戦後航路はなくなりましたが観光資源として保存され、現在は昭和55年に改良されたものです。北海道文化遺産に指定されています。
稚内空港には何もない…
稚内駅から空港に行くバスは16:05発しかないので、これに乗車して空港に向かいます。空港に到着するのが16:35頃で、飛行機の出発が17:30ですから55分前。正直ちょっとつくのが早いなぁと思ってしまいます。
稚内空港は日本最北の空港で、ANAが札幌便と羽田便のみが就航する非常に小さい空港です。ANAラウンジはもちろんクレジットカードで利用できるラウンジもなく、建物の中にあるお店は、ANA FESTAと食堂1箇所のみです。
正直、買い物や食事は札幌に戻ってからすませたい場合、何もやることはありません…。
ここはアイスでも食べながら、屋上から飛行機の着陸を眺めましょう。ANA FESTAでは、宗谷牛乳で作られたアイスを売っているので、これを屋上に持ち込んで食べながら飛行機の到着を待っていました。
特急宗谷で札幌に戻る場合
今回私は飛行機で早々と札幌に帰りましたが、もし帰りも特急宗谷を利用する場合でしたら、宗谷岬から帰ってきたあと、2時間近く時間があるので、ノシャップ岬に回ってみるとよいと思います。
利尻山と礼文島が望めるほか、サハリンの島影をも一望することができ、夕暮れ時には地平線に沈む夕日が感動的な情景をつくりだしています。
宗谷岬と違い、ノシャップ岬は稚内の中心部ですからバスが頻繁に走っていますので、十分みて回る時間があります。
また、ノシャップ岬の近くには幻の魚イトウをはじめ北方系の魚たちが大回遊水槽で群遊するノシャップ寒流水族館もあります。この二つを回っていたら、だいだい1時間楽しめるでしょう。あとは、駅に戻ってお土産をみて購入していたりすれば、列車の出発時間も近づいてくると思います。
札幌到着は23時近くなってしまいますが、稚内観光をしっかりしたい!という人であれば、飛行機に比べて稚内滞在時間が1時間半伸びますからオススメです。
私は最初は帰りも宗谷を使うつもりでいましたが、5時間座るのがしんどいと思って飛行機にしちゃいました…スカイコインの残高にまかせて当日購入という力業で…。
まとめ
札幌から稚内まで日帰り旅行をしてきまきたので、そのときの様子を少し紹介させていただきました。
札幌かは稚内まてまの日帰り旅行は十分可能です。現地ではレンタカーを借りればより効率的に観光することが可能ですが、免許持っていなかったり、運転に自信がない方でも、バスを使って効率的に観光することが可能です。
私は1番滞在時間の短い、行きが鉄道、帰りが飛行機という組み合わせでしたが、それでも宗谷岬に行けたことで非常に満足しています。
やはり日本最北の地、一度行かれてみてはいがでしょうか!!
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