どうも、なかなかコロナが落ち浮かず週末は読書ばっかりしている日々を過ごしているissy(@y_issy24)です。
私の趣味の一つに実は読書というか、西村京太郎のトラベルミステリーを読むというものがあります。2時間ドラマなどでも放映のある「十津川警部シリーズ」です。
西村京太郎の取材力もあって、十津川警部シリーズの小説を読んでいると、その文字からその景色などが頭の中に描かれるんですね。推理小説としても勿論クオリティが高いわけですが、他の推理小説と違い、「旅」が描かれている分、より旅行好きには楽しめると思います。
そこで、私がおススメする十津川警部シリーズ5選をせっかくなのでやってみたいと思います。
目次
西村京太郎の「十津川警部シリーズ」とは
十津川警部シリーズは、西村京太郎の推理小説のシリーズです。
警視庁刑事部捜査一課の十津川警部を主人公とする一連のシリーズ作品で、東京で発生した事件が地方に波及することにより全国を飛び回ったり、地方で発生した事件の関係者が東京に縁のある人間で、捜査の協力依頼から発展していったりして事件解決に奮闘するお話です。
トラベルミステリーということで、「〇〇線殺人事件」や「〇〇駅殺人事件」、「(地名)殺人事件」など、旅行や鉄道などに関連する事件が多く、故に多くのシリーズで捜査のために東京を離れ、全国さまざまな地方で奮闘しています。
西村京太郎自身が執筆時には取材をし、新しい鉄道が走れば乗車し、全国を飛び回った上で推理小説を書いているため、非常に描写が丁寧で、まるで自分がそこにいて、トツさん(十津川警部)と一緒に時間を解決している感覚にさせてくれる本です。
ちなみに、西村京太郎はめっちゃ速筆なため、なんと600冊以上もの小説を書きあげています。今年90歳になりますが、未だ現役です。
私がおススメする十津川警部シリーズ5選
私の家には十津川警部シリーズが70冊くらいありますし、図書館で借りたものも入れれば、今までおそらく150冊くらいは読んでいると思います。
そんな十津川警部マニアの私が、今まで読んだ十津川警部シリーズのうちから、ぜひこれは読んでほしいという5冊を紹介します。
今回紹介するのは、あくまで旅をテーマにしたものにしたいと思います。ミステリー小説そのものとしてのクオリティであれば、「7人の証人」という小説の評価が私個人的にも世間的にも非常に高いのですが、これは無人島での話なので割愛します。
なお私は基本的にブックオフで100円で入手しているので、もっている本もけっこう古い作品が多く、時代背景についていけない場合もあると思います(笑)
深夜特急(ブルートレイン)殺人事件
1970年代の小説であり、西村京太郎のトラベルミステリーがブレイクするキッカケとなった作品です。
話としては週刊誌の記者が乗ったブルートレイン「はやぶさ」から薄茶のコートの女が消えて、翌日、多摩川で水死体となって発見されます。さらに記者はなぜか目を覚ますと「富士」に乗っているという摩訶不思議。
そこから続く複数の謎を十津川警部たちが解決していきます。当時は東海道線にたくさんのブルートレインが走っており、時刻表を使ったトリックが仕込まれ、アリバイ崩しをやっていくという、トラベルミステリーの真骨頂といっても過言ではありません。
ちなみに夜行列車を使った西村京太郎の作品はどれも秀作だと思います。全部並べたいくらい。
ちなみに、はやぶさというと、今では北海道新幹線の呼称ですが、当時は九州にいくブルートレインのエース格でした(故に、北海道新幹線で使われる時には賛否両論あった)。
札幌着23時25分
舞台は青函トンネルができる前、大宮~盛岡に東北新幹線が開通した直後です。
一人の証人を東京から札幌に当日中に移送して証言させないと暴力団の組長を拘留延長できないという事態の中、飛行機のストライキにより鉄道等の手段で行かざるを得なくなりました。
そんな中、24時までに札幌に移送ができなければ組長は釈放となるので、組の幹部や顧問弁護士たちは必死になって証言するために札幌に向かうチンピラの移送を妨害していき、それを十津川警部がかいくぐってきます。
普段犯人を追いかける立場の十津川警部たちが、犯人に追われながら、札幌を目指すお話です。
このほか、十津川警部や部下の亀井刑事が追われる系、けっこう好きです。亀井刑事殺害に懸賞がかかった「特急白鳥14時間」や、十津川警部に殺人をなすりつけた「越後・会津殺人ルート」も個人的には好きですね。
特急ゆふいんの森殺人事件
1990年代、JRが独創的な特急を走らせ始めた時代のお話。
十津川警部の元部下で私立探偵の橋本が九州に人探しで男女を追う一方、東京での殺人事件を追っていた十津川警部チームの関係者が熊本でリンクしていくというお話です。
私立探偵の橋本がでてくるシリーズは基本的にどれも面白いです。「下り寝台特急富士殺人事件」などがあります。
犯人が巧妙な罠をどんどんしかけていくので「あれ?」と思いながら知恵比べを楽しみつつ、ゾクゾクしながら読むことが可能です。ゆふいんの森は事件に関係なさそうで、実は重要なポイントになっています。
最終的には波照間島まで十津川警部が飛んでいきます。北海道にはよく行く十津川警部ですが、沖縄にあまり行くことがないんですよね。
城崎にて、殺人
温泉地の風情が豊かな作品ということでこの本を選びました。割と十津川警部シリーズは温泉地をはしごした推理小説を出しています。
警視庁OBの岡田が、山陰への旅の途中で宝石店に勤める北野という青年に出会うんですが、その翌日に北野の死体が城崎で発見された。さらに東京で殺された女性の部屋に、北野の名刺があるため、東京の事件でも事情聴取を受けます。
岡田が北野の足跡を辿って山陰を回ると、彼から宝石を買おうとしていた地元の名士が連続して不審死していたという事実が分かり、この謎を追いかけていきます。
夜行列車の女
2020年現在現存する唯一の定期夜行列車であるサンライズエクスプレスを舞台にした本です。
サンライズエクスプレスを取材するために高松まで乗車することになったカメラマンが、隣りの個室に乗り合わせた若い美女と知りあったが、翌朝高松に到着して部屋をあけると、女の死体が出てきます。それも別人。いくら別人と言い張っても、この時点ではどう考えても怪しいのでカメラマンが警察に連行されますよね。
その後カメラマンが釈放され、真実を探し始めると、永井みゆきと名のる知り合ったその女は、去年東京で死んだとのうわさを聞きつける一方、その女性を偶然見つけ出したりします。そこからまた続く事件が…ということで、謎が謎を呼ぶミステリーになっており、読み応えありますね。
ここまで、20世紀に書かれた本ばかり、特に最初の2つはまだJRが民営化されるくらい前の本が中心となってしまいました。
西村京太郎自身も、雑誌の記事で「最近の列車は殺しにくい」なんて発言をしています(笑)非常に物騒な発言ですが…。
なので、最近の西村京太郎の本は、トラベルミステリー的な要素よりも、社会問題とセットにしたようなものが増えてきているような気がします。
あと、最近の小説は最後があっさりしすぎている部分がちょっと気になる…。犯人との知恵比べも初期の頃の作品よりも若干読み応えがなくなってきてるかな…。なんて思います。
十津川シリーズは長編がおススメ
十津川警部シリーズの小説は、1冊の本で1つの話が完結する長編と、1冊の文庫本に4つ程度のお話が入っている短編集があります。
これは超個人的な意見なんですが、十津川警部シリーズであれば絶対に長編がおススメです。というか、私は短編は1冊も持っていません。というか今は手にとりません。
もちろん推理が単純な話になってしまうというのがあるのですが、それ以上に短編の場合、景色とか風景とか街の雑踏とか、そういうものの描きがやはり少なくなってしまうんですね。
私が十津川警部シリーズを読むのは、結局のところ推理小説の楽しさ+自分が旅に行った気分、過去に行った景色を思い出しながら読んだりするので、短編だと物足りなさを感じてしまうところがあります。
まとめ
なかなか旅に出ることが難しいご時世の中、旅にでた気分になれる小説ということで、私の趣味である西村京太郎のトラベルミステリーから、おススメの5選を選ばさせていただきました。
これ以外にもおススメの本がいっぱいある(特に初期の作品がおススメです!)のですが、バランスよく選ばせていただきました。
ぜひ、十津川警部シリーズを読んで、警部と一緒に日本中で操作を繰り広げてみませんか?