東京・羽田空港と北九州空港、福岡空港などを結ぶ、機体が黒いのが特徴な「スターフライヤー」。黒い機体はかっこいいですし、航空券の運賃も少し休めのことが多いし、機内でおいしいコーヒーとチョコが提供されたりするので、私も好きな航空会社の一つです。
その「スターフライヤー」の羽田から北九州・福岡に向かう便で、「JR九州フリーきっぷ」を販売することになりました。博多や小倉をフリーエリアになった切符がお得なきっぷが機内で購入可能です。
実際にどのくらいお得で、どのくらい利用価値があるのか、他の切符との比較や使い勝手について、少し深堀りしてみました。
目次
スターフライヤー「JR九州フリーきっぷ」の概要
スターフライヤーが11月から「JR九州フリーきっぷ」という、九州内のJRが乗り放題になるきっぷを機内で販売することになりました。販売は東京から福岡や北九州に向かう便のみでの販売となり、福岡や北九州から東京に向かう便で、次回の九州旅行用として購入することはできません(実はこれが地味にネックになる人もいます)。
今回販売されるのは、JR九州の全線が乗り放題になる切符ではなくて、「北九州フリーきっぷ」、「由布院・別府フリーきっぷ」、「西九州フリーきっぷ」の3種類になります。
販売期間は2022年11月1日から、2022年3月31日までの5か月限定となります。
機内で引換券を購入し、それを3日以内にJR主要駅の窓口できっぷに交換する形で利用することが可能となります。
北九州フリーきっぷ
北九州フリーきっぷは、博多と小倉・門司、そして関門海峡を越えた山口県の下関までのエリアが乗り放題となります。フリーエリア内では、普通列車のほか、特急自由席を利用することが可能です。
価格は2,500円で、2日間有効となります。
小倉と博多の間は特急の自由席が利用できます。この区間は毎時2本程度、特急「ソニック」が運行されており、特急を利用すれば、所要時間は45分ほどとなります。料金は通常料金が片道1,910円、「2枚きっぷ」という割引きっぷを使うと往復で2,940円となります。
さらにこの切符はレトロな駅舎で有名な門司港や、ふぐで有名な下関にも行くことができるので、用途はさらに広がります。
なので、小倉と博多を往復するのであれば一番お得な切符ということになります。
逆にいえば、片道であれば普通にきっぷを買った方が基本的にお得、ただし片道でも門司や下関に行く場合は、途中下車する、しないなどでかわる微妙なラインといったところになります。
北九州フリーきっぷは、小倉と博多の両方に予定があり、かつ到着空港と出発空港が同じ場合であれば非常にお得だと思います。ただ、このような旅程の場合出発空港と到着空港を北九州・福岡空港で分けたほうが便利ですよね…。片道だと元はあまりとれないと思います。
新幹線利用のお得なきっぷもある
福岡の2大都市、小倉と博多の間には新幹線も通じています。どちらの駅もすべての新幹線が停車するため本数も特急よりも多く、所要時間もわずか16分です。
当然新幹線なので料金は高い(片道2,160円)のですが、土日かつ日帰りであれば「新幹線よかよかきっぷ」というのがあり、これは往復で3,100円となります。
北九州フリーきっぷとの差額は600円ですので、週末旅行で2日目に日帰りで小倉・福岡に行って戻るなどの場合は、こちらのきっぷの利用も視野に入るかなと思います。
由布院・別府フリーきっぷ
由布院・別府フリーきっぷは、博多と小倉、別府、大分、由布院などがフリーエリアに含まれます。フリーエリアには、特急「ゆふいんの森」などで久留米から久大本線経由で入ることも可能ですし、「ソニック」を利用して、小倉経由で別府、大分方面に向かうことも可能です。
価格は2日間用が7,300円、3日間用が7,900円となっています。
大分県の温泉地に行くのに特化したような切符ですね。
別府・大分が目的地ならネットきっぷをチェック!
実はこの区間は割引切符が充実しており、ぶっちゃけこの切符の存在価値は半減します。
特急「ソニック」は、JR九州のネット限定切符「九州ネット早特3」を利用すると、特急指定席利用で博多=別府は2,550円、小倉=別府は2,500円となります。つまり、5,000円程度で往復できてしまうのです。なんなら、片道4,000円でグリーン車が利用できます。
「九州ネット早得3」は3日前までかつ席数限定の切符ですが、それでも飛行機での旅程が決まるころに予約すれば、繁忙期でなければ予約はできると思います。こちらを使った方が圧倒的にお得です。
なので、別府、大分方面が往復であれば、由布院・別府フリーきっぷはインターネットで購入できるきっぷよりも割高のためおススメしません。メジャー旅行系ブログでも「特急利用で元がとれる」なんて書いてありますが、ネット割のほうが安いです。由布院・別府フリーきっぷを使うなら、途中下車や周遊を組み込む必要があります。
とりあえずネットきっぷを確認し、空席がなかった場合、機内で購入するという感じでしょうか…。
由布院は安いけど「ゆふいんの森」は全席指定だよ
一方、由布院側は割引切符が乏しいため、スターフライヤーで九州に訪れるなら、由布院・別府フリーきっぷが選択肢に入ります。
ただし、ゆふいんの森は全席指定のため、当日まで購入を遅らせると満席だったり旅行者で席が離れる、というリスクもあります。せっかくゆふいんの森乗るなら、仲間と隣で座りたいですよね…。
西九州フリーきっぷ
西九州フリーきっぷは、博多から鳥栖・佐賀・江北(前の肥前山口)に入り、そこから先の佐賀県・長崎県エリアが乗り放題となります。フリーエリア内では、普通列車のほか、特急指定席を利用することが可能です。
西九州フリーきっぷのエリアには2022年9月に開通したばっかりの西九州新幹線も含まれており利用できますが、2回までという回数制限がかけらています。
こちらも2日用、3日用があり、2日用は9,900円、3日用は10,700円となります。
やっぱりネット限定のほうがお得…
この区間は、博多=長崎の単純往復と、佐世保や温泉地と長崎周遊と両方あると思うのでそれぞれみていきたいと思います。
まず単純往復だと、博多=長崎は7日前までの割引きっぷで片道3,200円、直前まで購入可能なかもめネットきっぷで4,200円となりますから、西九州フリーきっぷよりもネットきっぷを利用したほうがお得になります。
ただこの区間は、佐世保と長崎の2か所に旅行するなんてプランもあると思います。その場合ですが、一つの試算として…
- 博多→佐世保:2,350円(ネットきっぷ)
- 佐世保→長崎:1,680円(普通運賃)
- 長崎→博多:4,200円(かもめネットきっぷ)
これをみるとやはり個別に切符を買った方が安いですね。
西九州新幹線が2回縛りのため、途中の嬉野温泉に1泊し、長崎を観光するという行動パターンがこの切符でとることができないのが残念です。このパターンが可能であれば、このきっぷで元をとることもできると思うんですよね…。
土日なら「みんなの九州きっぷ」のほうがお得
土日限定・期間限定にはなりますが、「みんなの九州きっぷ」の北部九州版であれば、2日間乗り放題で9,500円ですから、こちらの方がお得ということになります。子連れであれば子供1,000円ですし…。
平日であれば西九州フリーきっぷの出番もありますが、土日であればおとなしく「みんなの九州きっぷ」を購入すればよいでしょう。
【おまけ】羽田発が第1ターミナルなのが痛い
スターフライヤーってANAとコードシェアをしていながら、羽田空港が第1ターミナル発着なのが個人的にはつらいですね。
特にANA上級会員かつANA便でスターフライヤーを予約している場合、優先レーンは使えない、ラウンジは使えない、さらに幹線にも関わらず、搭乗ゲートは原則として羽田空港の端にある1~3番があてがわれます。
九州や大阪から東京にm帰る場合は積極的に利用するのですが、羽田発だと私個人的にはそこまで積極的には使ってないですね。関空便に関しては時間の都合もあり使わざるをえなかったりしますが…。
まとめ
スターフライヤーが販売する3つのフリーきっぷについて紹介してきました。
定価ベースで考えればお得なのですが、一方で、自由席きっぷのため座席指定を事前にできないデメリットがあるほか、JR九州ではネット限定にはなりますがお得なきっぷはけっこうあるのです。
結論からいうと、あえてこの切符を買うためにスターフライヤーを選ぶ必要は個人的にはないかなとも思います。私個人だったら、スターフライヤーを選んで福岡・北九州+1か所の旅行を楽しもうと考えている方であれば、機内での購入すると思いますが、それ以外なら割引きっぷを事前に仕込むかな、という感じです。
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