マレーシアのジョホールバルとシンガポールは橋で結ばれる形で隣接しており日常的に鉄道やバス、自家用車で人の行き来が行われています。ジョホールバルからシンガポールに通勤している人や、物価の高いシンガポールから安いマレーシアに買い物に行く人などがいます。
もちろん旅行でもこの2国は簡単に陸路で行き来することが可能です。2023年に、シンガポールからマレーシアに鉄道で入国してみましたので、チケットの購入方法や当日の実際の流れについて紹介したいと思います。
目次
シンガポールとマレーシアは鉄道で行き来可能
シンガポールとマレーシアの間は、バスや鉄道で行き来が可能となっており、観光客も比較的利用しやすい感じになっています。
特にバスは、シンガポールの中心部からジョホールバルのほか、クアラルンプール行のバスなんかも頻繁に出発しております。一方で、出入国審査があるため、バスで行くにしても一度降りて審査を受けたりだとか、審査の関係で渋滞が発生し、所要時間が多くかかることもあると聞きました。諸先輩方のブログをみると、出入国審査が1時間以上の待ち時間になるということも…。
一方、鉄道は渋滞がないため時間が読みやすいと思い、今回はジョホールバルから空港に行き、クアラルンプール行きの飛行機に乗らなければならないのもあり、鉄道を利用してみました。
マレーシア=シンガポール間鉄道の運行場所
シンガポールとマレーシアを結ぶ鉄道は「シャトル・テブラウ(Tebrau)」と呼ばれ、シンガポール側がウッドランズ(Woodlands)駅、マレーシア側がJBセントラル駅から出発しています。距離はわずか2.1kmで「世界最短の国際鉄道」とも言われています。所要時間はわずか5分です。
マレーシアのJBセントラル駅はジョホールバルの中心部にありますが、シンガポール側のウッドランズはシンガポールの中心部からはかなり離れた、本当にマレーシアの国境近くにあるため、ウッドランズまでのアクセス確保が少し大変になっています。
マレーシア=シンガポール間鉄道の運行頻度
シャトルの運行頻度は1時間に1本程度となっています。横を走るバスや車などの交通量をみると、思ったよりも本数が少ないなというのが感想です。まあ単線でピストン運行、さらに出入国の手続きもあるとなるとこんなもんなんでしょう。
マレーシア=シンガポール間鉄道の運賃
シャトルの運賃ですが、ウッドランド⇒JBセントラルは17.5RM(約550円)、JBセントラル⇒ウッドランドは5RM(約155円)となっています。
非常に珍しいのですが、進路によって運賃が3倍以上異なるという体系になっています。
マレーシア=シンガポール間鉄道チケットの予約方法
シャトルの予約は、KTMBのサイトで行います。
こちらのサイトで、出発地と目的地の入れ替え、出発日と人数を選択し、SEARCHをクリックします。
するとこのようにダイヤが表示されますので、右側のselectをクリックして購入に進んでいきます(購入にあたってはFBかGoogleでアカウントを作成する必要があります。本画面はログイン済の画面です)
ちなみに、見ていただければわかるとおり、これ12月の年末の予約状況なのですが、意外と座席数が埋まってしまいますので、日程を決めたら早めに予約することをおススメします。
購入するとメールでこのようなチケットが送られてきます。当日はこれを提示する必要がありますので、ダウンロードするなり紙で打ち出してから旅行に出発しましょう。
実際に鉄道でジョホールバルに向かってみた
ここからは、実際にシンガポール中心部からウッドランドのポイントを通過し、鉄道でマレーシア・ジョホールバルに入国したときの様子を紹介します。
ウッドランズまでは、MRTを利用していくのがいいでしょう。中心部からだと、昔からあるシティホールやオーチャードを経由するNS線か、同じくオーチャードやマリーナベイを経由するTE線を利用することになります。TE線のほうが少し所要時間は短いかなと思います。
私はブギスから出発したので、DT線でスチューブンまで向かい、そこからTE線を利用しました。
TE線は2023年現在、Woodland NorthからGardens by the bay間が開業しています。古い地図だとでていないかもしれません。
オーチャードからおよそ30分でWoodland駅に到着します。TE線で向かう場合は、終点のWoodland Northではなく、一つ手前の駅になりますのでご注意ください。
Woodland駅の改札を出たら、バス乗り場のマークの方にどんどん進んでいきます。
5分くらい歩くとバス乗り場の方にでます。ここで乗るバスは、Train Checkpointと書かれているバスになります。路線でいうと、903系統や911系統になります。バスの本数は数分に1本のペースでどんどん出発していますので、特に時間は気にしなくて大丈夫です。Berthというのが乗り場になります。
ということで4番乗り場へ。903系統の列に並んでバスを待ちます。
今回きた903系統のバスは2階建てのバスでした。思わずこういうのは上がってしまいますね。乗客はかなり多く混雑しており、私は着席することができませんでした。
なお、シンガポールのバスではクレジットカードのコンタクトレス決済が利用できますので現金やEZ-LINKカードは必ずしも必要ではありません。
直線距離では目的地までは2キロ程度なのですが、地元の足としても活用されている路線のため、住宅街の中を進んでいき、複数のバス停を経由してTRAIN CHECKPOINTに向かっていきます。
約15分でTRAIN CHECKPOINTに到着しました。多くの方がこちらで下車します。
バスを下車したら、標識の案内に沿ってチェックポイントに向かいます。しかし真昼間ということもあって暑い!早く涼みたい!!
まっすぐ進むとTrain Checkpointの建物がみえてきました。
建物に入って2階に進むと、乗り場が現れました。
てっきり国際列車だし待合室とかあるのかと思いきや、そんなものは全くなく、冷房の効いてない場所でGate Openまで待つことになります。今回乗るのは16:15発ですがオープンは15:35。25分ほど、冷房もお店もない場所でひたすら待ちます…。トイレもないので、トイレは事前にすませてきましょう。
先程紹介したとおり、バスの本数も比較的多いので、40分前にチェックポイントにつくように逆算してシンガポール中心部を出発するのがよいかなと思います。
列車に乗るまでの流れが記載されています。
チケットの確認⇒シンガポール出国⇒マレーシア入国⇒税関検査⇒乗車、という流れです。
出発の20分前までに出発ゲートを抜ける必要があるそうです。40分前にゲートがオープンして20分前にはクローズするので、一気に抜けていくことになります。
40分前になるとゲートがオープンします。こちらでチケットを提示する必要があります。
そのあとは写真撮影が禁止されているので流れを紹介すると、シンガポール出国⇒マレーシア入国の手続きを行います。シンガポール出国は完全に自動化ゲートで行われる一方、マレーシアの入国は審査官による入国審査を受けることになります。
クアラルンプール国際空港では登録済パスポートだと自動化ゲートを通過することができますが、ここにはそんなものはありません。漏れなく対面入国審査が待っています。私の場合は滞在日程のみ聞かれました。
出国審査を抜けるとしばらく待合室で待機させられます。その後、ホームに鉄道が入線されたのちに鉄道に乗ることができます。このような車両です。ちょっと古い感じの車両ではあります。
車内はクロスシートになっています。転換はできない模様です。全席自由席ですので好きなところ、車両に乗ってしまって問題ありません。
出発するとすごいゆっくりと橋を走っていきます。横を走る自動車にはどんどん抜かれていきます。2.1kmを5分で走るので、表定速度は約25km/hといったところです。
5分ほどでJBセントラル駅に到着します。本当にあっという間で、国境を越えた感じがしません。こちらのホームにも何もないので、とっとと階段を上って改札にいきましょう。
駅を出たら目的地に向かいましょう。JBはGrabが普通に使えますので、徒歩圏以外に行かれる方は、駅周辺でGrabを呼ぶといいでしょう。私はこのまま郊外にあるスナイ国際空港までGrabで向かいました。
ブギスを14時に出発し、JBセントラルについたのが16:20という感じでした。バスで行く場合、混雑がなければ2時間、混雑している場合は3時間程度かかるという記事をみたりしていたので、所要時間は同じくらいといったところでしょうか。
2026年には新鉄道が開業
現在は1時間に1本程度の運行となっている本シャトルですが、2026年末には、新たにジョホール州とシンガポールを結ぶ高速輸送システム(RTS)鉄道が開通することになっています。
新しいRTSは、シンガポール側の駅がMRTのウッドランド・ノース駅に設けられることになっているので、今までのようにバスを使って駅まで移動する必要もなくなり、TE線1本でオーチャードやマリーナベイなどに行くことができるので、シンガポール中心部とのアクセスが格段に改善することになりそうです。
まとめ
フライトの出発地をジョホールバル郊外のスナイ国際空港にする必要があったため、シンガポールからジョホールバルまで鉄道で移動してきました。
結論から言えばバスのほうが正直楽だったような気もしますが、あと3年でなくなる国際鉄道ですので、これも一つの体験かなと思いました。渋滞がなければ間違いなくバスのほうが早そうですけどね。
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