航空会社各社には、利用頻度に応じた上級会員システムがあります。そのメリットは、飛行機に乗られる方であれば大きいものであり、上級会員になるために飛行機に乗りまくる「修行僧」なんて人まで世の中には存在します。
本来、毎年上級会員であり続けるためには、毎年飛行機にたくさん乗らなくてはならないのですが、ANAの場合、1年だけ所定の回数を達成すれば、ずっと一定レベルの上級会員でいられ続ける方法があるのです。
それがSFC(スーパーフライヤーズ)という会員制度です。
ここでは、ANAの上級会員になり、それを半永久的に維持することができるこのSFC(スーパーフライヤーズ)という会員制度を紹介していきたいと思います。
目次
ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)とは
ANAスーパーフライヤーズ(SFC)とは、一定の条件を満たしたANAの上級会員のみが発行できるクレジットカードです。
このSFCカードを持っていると、カードを持っているだけで、ANAのプレミアム会員(おおむねプラチナ会員と同等)としての扱いを受けることができます。
何よりもSFCがすごいのは、このメリットを制度変更がない限り、半永久的に受けることができるという制度なのです。
SFCカードを持っていると受けられるメリットは、例えば以下のようなものがあります。
- 上級会員専用のカウンターやコールセンターを使用できます
- セキュリティゲートも専用レーンがあります(同行者1名まで)
- 搭乗前にラウンジサービスでくつろぐことができます(同行者1名まで)
- 優先搭乗ということで先に飛行機に乗り込むことができます(本人のみ)
- 到着空港で、荷物が優先的にターンテーブルからでてきます。
- 出発24時間前にプレミアムエコノミーに空席があれば、エコノミークラスのチケットでもプレミアムエコノミーに変更できます
- 特典航空券の開放枠が多くなります(公式には非公表)
個人的に特に大きなメリットと感じているのがラウンジの利用。ANAのSFCになれば、成田空港や羽田空港の国際線ANAラウンジで、事前に食事を楽しみながら搭乗まで時間を待つことも可能ですし、シャワーなんかも備え付けられています。
上級会員のメリットについての詳細は、以下の記事にも書きましたので読んでみてください。
とはいえ、そんな魔法のようなSFCカードを入手するのは簡単ではなく、発行するためには、以下の2つの条件を満たすことが必要です。
- ANAのステータスがプラチナ会員になること
- 会員証になりうる、指定のクレジットカードを持つこと(解約=退会)
逆にいえば、この2つさえ満たしてしまえば、SFCカードを発行することができるです。とりあえず(とはいっても大変ですが)ANAのプラチナ会員になれば、カードを持っているだけで上級会員でいられ続けられるのです。
これは非常に魅力的であるため、SFCカードを発行を目的として飛行機にたくさん搭乗することを「修行」、この修行が終わると「解脱」と呼んだりします。
上級会員を維持することの難しさ
航空会社の上級会員は、本来、毎年の搭乗実績によって決まってくるものです。1年間の搭乗ポイントであるプレミアムポイント(以下、PPと略すことがあります)によって、以下のランクに分けられます。
プレミアムポイント(PP) | ステータスクラス |
---|---|
0~29,999 | 平会員 |
30,000~49,999 | ブロンズ会員 |
50,000~99,999 | プラチナ会員 |
100,000~ | ダイヤモンド会員 |
このプレミアムポイントは、マイルと違って、飛行機に乗る方法以外では貯まりません。それも、特典航空券ではダメで、有償で購入した場合のみ付与されるポイントなんです。
そしてこの搭乗実績は、暦年ごとのポイントになりますので、どんなに搭乗実績を積んでも、翌年はまた1からやり直しです。
(例)
- 2016年に50,000PP→2017年度いっぱいはプラチナ会員
- 2017年に10,000PP→2018年は平会員に陥落
ところが、先ほど説明したとおり、プラチナ会員になると、所定のクレジットカードさえもっていればSFCになることができます。先ほど書いた通り、SFCを発行してしまえば、制度が変わらない限りは、半永久的にプラチナ相当の上級会員になれるのです。
(例)
- 2016年に50,000PP、SFC発行→2017年度いっぱいはプラチナ会員
- 2017年に0PP→SFC会員なので2018年もプラチナ会員相当
つまり、「1年間頑張って50,000PPを稼げば、ずっと上級会員になり続けられる」という制度ですね。毎年乗り続けるのは大変ですが、1年だけ頑張って乗ればいいとなれば、少し頑張ってみようと思うのではないでしょうか。そのために「SFC修行」と称して、1年間集中的にANAに搭乗し、SFCを発行しようとする人がいるわけです。
ここまでのおさらいですが、ANAの上級会員をキープすることができるSFCを発行するには、
- 上級会員になるためのカードを事前に発行する
- 50,000ポイント分のフライト搭乗を行い、プラチナ会員になる
- 事前に発行したカードを、SFCカードへ切り替える
という流れになります。
家族カードを作ればフライトゼロで家族もSFCメンバーになれます
このSFCの制度の素晴らしいところですが、会員証がクレジットカードであるために、家族カードを発行すればその家族カード保有者もSFCメンバーの特典が適用されるということです。
SFCのメリットで受けられるサービスの多くは、本人のみ、または同行者1名のみに限られます。そのため、家族旅行などの場合、SFCが1人いても全員がサービスを受けることができないんですね。
ただ、SFC会員家族カードを発行すれば、フライト実績に関係なく、年会費さえ払えば、SFCを取得することができるのです。
ここでは、夫婦に子供2人の家族が家族旅行をするを例にとって考えます。この場合、SFC会員が1人いるのと2人いるのとでは大違いです。
SFC会員が1人の場合
SFC会員が1人の場合、ラウンジに入れるのは同行者1人までですので、3人以上で旅行する場合、ラウンジを使用するにはラウンジクーポン(2000マイルで購入可能)が必要になります。
この例でいえば、子供2人分がラウンジに入るには貴重なマイルやアップグレードポイントをラウンジクーポンに交換する必要になりますし、セキュリティゲートの優先レーンは同行者1名限定ですから使用できません。
このように、SFC会員が1人だけだと、せっかくのSFCのメリットを家族旅行で使うことができません。
SFC会員が2人の場合
そこで、夫が妻に家族カードを発行して妻がSFC会員になれば、それぞれが同行者1人とラウンジに入れますので、4人家族みんなでマイルの持ち出しなしにラウンジに入ることができますし、優先レーンも通過することができます。
ただし、メリットの一つである優先搭乗は、会員のみの特典(同行者への適用なし)なので子供がいるとできません。18歳未満の子供は、クレジットカードを持つことができませんので、SFCの会員になることもできません。これはおとなしく諦め、ゆっくりと飛行機に搭乗しましょう
このように、SFCを所持していれば、家族カードの発行でSFC会員としての資格を家族にも分けることができるのです。
メリットはANAだけでなく、スターアライアンス所属の航空会社で適用されます。
世界にはたくさんの航空会社がありますが、それを束ねる大きなグループが3つあります(これを「アライアンス」なんていいます)。
ANAは、3つのアライアンスのうちの一つであるスターアライアンスに所属しています。スターアライアンスに所属している航空会社は2021年現在26社あり、主な航空会社は以下のとおりです。日本に乗り入れている会社を中心に記載しました。
スターアライアンス加盟航空会社(主なもの) | ||
---|---|---|
ユナイテッド航空 | エアカナダ | 中国国際航空 |
アシアナ航空(韓国) | タイ国際航空 | エバー航空(台湾) |
シンガポール航空 | ルフトハンザドイツ航空 | LOTポーランド航空 |
ターキッシュエアウェイズ | オーストリア航空 | スイス航空 |
スカンジナビア航空 | ニュージーランド航空 | エチオピア航空 |
ANAの上級会員になると、これらの航空会社での優待を受けることができますし、これはSFC会員も同様です。なぜなら、SFCには、「スターアライアンスゴールド」という、スターアライアンス共通のステータスがついているからです。
スターアライアンスゴールドは、ANAのプラチナ会員やSFCと同様に、ビジネスクラスラウンジの利用権や優先搭乗などのサービスを受けることが可能です。
なので、例えばドイツにいくのにルフトハンザ航空にエコノミークラスで利用する場合や、台湾に行くのにエバー航空を利用する場合も、ANAを利用するときと同じように、エコノミークラス搭乗時でも優先カウンターを使え、ラウンジを使え、ターンテーブルから荷物は早くでてくるということになります。
SFCになるためのANAカードを事前に作成しよう
ここまで、SFCのメリットについて解説をしてきました。それでは、実際にSFCを目指す方、修行をする際にどうやっていくかを解説していきたいと思います。
SFCを目指す場合、まずは入会時に必要となるANAのクレジットカードを事前に発行しておきましょう
ANAに入会するのに必要なカードは、「ワイドカード」以上のカードになります。いわゆる「普通カード」ではSFCに切り替えることができません。
SFC修行前に作っておくべきカードはANA VISAカードがおススメ
プラチナ以上の高額な年会費のカードもありますが、多くの方であれば、年会費7,975円の「ワイドカード」か年会費15,400円の「ワイドゴールドカード」のどちらかになると思います。
ANAカードにもたくさんの種類があって選ぶのが難しいですが、私がこの中でお勧めするのは、ANA VISAワイドゴールドカードです。
実は、VISA/MASTERブランドにすれば、ワイドゴールドカードの方が、ワイドカードより実質的に年会費が安くなるのです。「え、なんでゴールドカードの方が安いの?」と思いますよね。それは以下の2つの理由があるからです。
- マイ・ペイすリボの登録でワイドゴールドカードの年会費が大幅割引
- マイル移行手数料
順番に説明しておこうと思います。
1年目の年会費
まず、「マイ・ペイすリボ」というリボ払いに登録すると、年会費が割引になります。リボ払いにはなりますが、三井住友のリボ払いは、毎月の支払額を柔軟に調整できたり、支払額をかなり高い額にまで引き上げることができますから、実質的に1回払いと何も変わらない使い方をすることが可能です。
この割引は、年に1回、金利を発生させれば適用されます。
通常の年会費 | マイ・ペイすリボ登録後 | |
ワイドカード | 7,975円 | 6,902円 |
ワイドゴールドカード | 15,400円 | 11,550円 |
マイ・ペイすリボを適用させると、ワイドカードは1,073円、ワイドゴールドカードの場合、3,850円の値下げになります。
ただ、これだと年会費の金額差がまだ5,000円近くあります。
もう一つ考えないといけないのが、ワイドカードとワイドゴールドカードでは、ポイント還元率が異なるということです。
どちらのカードでも、貯まるVポイント自体は200円あたり1ポイントで変わりないのですが、Vポイントをマイルに交換する際、ワイドカードの場合は1ポイント=1マイルの交換レートなのに対し、ワイドゴールドカードは1ポイントあたり2マイルの交換レートなんです。
で、ワイドカードでも同様に1ポイント=2マイルのレートにすることもできるのですが、この場合、6,600円の移行手数料を払う必要があります。
マイ・ペイすリボ登録後 | 交換レート調整後 | |
ワイドカード | 6,902円 | 13,502円 |
ワイドゴールドカード | 11,550円 | 11,550円 |
これを勘案すると、1年目の年会費はワイドゴールドカードの方が約2,000円安くなります。
確かにANAカードはSFC取得のためのカードとして割り切ってしまえばワイドカードでもいいのですが、発行直後はクレジットカード会社の入会キャンペーンでポイントが貯まりやすいです。それを考えれば、やはりワイドゴールドカードの方がお得にになると思います。
2年目以降の年会費
無事にANAプラチナ会員になってSFCを発行すると、ANAワイドカードはANAスーパーフライヤーズカードに、ANAワイドゴールドカードは、ANAスターアライアンスゴールドカードという名前に変わります。また、年会費もスーパーフライヤーズの特典が付く分少し高くなります。
2年目からは、Web明細を利用することにより年会費が割引されますので、これも含めてみていきます。
通常料金 (Web明細適用) |
マイ・ペイすリボ登録後 | 交換レート調整後 | |
ANAスーパーフライヤーズカード | 10,775円 | 10,202円 | 16,802円 |
ANAスターアライアンスゴールドカード | 15,400円 | 11,550円 | 11,550円 |
2年目も、普通のSFCカードとSFCゴールドを比較すればSFCゴールドの方が年会費が高いのですが、その差は1,500円まで縮まっています。さらに、SFCカードに移行手数料を追加した場合は、圧倒的にゴールドカードの方がオトクになっています。
ただし、SFC取得だけが目的でANAカードを作る場合、SFC取得後に決済を行わないのであれば、SFC取得後に普通のSFCカード(ワイドカード相当)にダウングレードする選択肢もあると思います。決済しないのであれば移行手数料は考慮しなくてよいので、1,500円程度、ゴールドカードよりSFC維持費を圧縮することが可能です。
また、家族カードを作成すると、この差は広がってきます。
ワイドゴールドカードから、普通のSFCカード(ワイドカード)に移行する場合は、ダウングレード扱いですので、クレジットカードの審査は不要になります。
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なぜカード発行がSFC修行の前に必要なのか
このクレジットカードは、SFCを発行する際に必要なものなので、その直前に保持すれば年会費も浮くし、よいと思うかもしれませんが、事前に持っておいた方がいい理由が2つあります。
一つ目は、せっかく50,000PPを貯めても、カードの審査で引っかかってSFCカードを発行できなかったらそこまでの努力が水の泡になってしまいます。万が一発行できなかった場合は、50,000PP達成後、翌年度までは上級会員でいられますが、それが終わったら翌年も50,000PP以上のフライトを続けない限り上級会員から陥落してしまいます。
一方、すでにあるワイドカードやワイドゴールドカードをSFCに切り替える際、カードの審査はありませんので、すぐにカードの発行をしてもらうことができます。なので、先にカードを確実に発行してから修行をすることを強くおススメしているのです。
2つ目は、ワイドカードやワイドゴールドカードを保有していると、搭乗時には25%のボーナスマイルがもらえます。修行をするということは、これから飛行機にたくさん乗ることになりますから、このメリットも大きいものです。
SFCを取得するために必要なプレミアムポイントの算出方法
カードの準備ができたら、実際にフライトを始めていきましょう。最初にも書きましたが、SFCになるためにはANAのサファイア会員になることが必要であり、その条件は50,000PPを獲得することです。
JALの同様の仕組みであるJALグローバルクラブ(JGC)と違い、50回搭乗すれば上級会員になる条件はありません!
では、PPの計算方法をみていきたいと思います。式は以下の図のとおりになります。
PP=(①区間マイル)×(②積算率)×(③路線倍率)+(④搭乗ポイント)
これをみたらちょっと複雑だな、と思うかもしれません。
今回は最初ですので、一つずつ簡単に解説してきたいと思います。
1 区間マイル
区間マイルとは、出発地と到着地の距離によって決められる、付与マイルの基礎数になります。
例えば東京・沖縄間であれば984マイル、東京・シンガポール間であれば3,312マイルと、これは距離に応じて決まっています。
2 マイル積算率
区間マイルは純粋に距離によって算出されますが、これだけで付与するマイルやPPを計算するわけにはいきません。
例えばファーストクラスに乗った人と、エコノミークラスに乗った人に同じマイルやPPを与えたら不公平になりますよね。また、同じエコノミークラスでも、正規料金で乗っている人と、ツアーの運賃で乗っている人では、運賃に大きな違いがあります。
そこで、搭乗クラスと運賃(ブッキングクラスなんていいます)によって、マイルやPPの積算率は変わってきます。正規運賃、割引運賃、ツアーでの運賃ごとに、おおむね以下のように分けられます。
搭乗クラス | 正規運賃 | 割引運賃 | ツアー運賃 |
---|---|---|---|
ファーストクラス | 150% | – | – |
ビジネスクラス | 150% | 125% | 70% |
プレミアムエコノミー | 100% | 70~100% | 70~100% |
エコノミー | 100% | 30~70% | 30~70% |
国内線プレミアムクラス | 150% | 125% | 100% |
国内線普通席 | 100% | 75% | 50% |
この①区間マイルと②積算率をかけたものがフライトマイルというものになります。フライトマイルについては、ANAのホームページに路線ごとの数値の記載がありますので、こちらも確認してください(国内線、国際線)
3 路線倍率
国内線と国際線では、距離あたりの運賃に大きな違いがあります。一般に国内線の方が割高で、東京から沖縄までは最安でも往復で2万円ち近くかかりますが、沖縄の3倍の距離があるシンガポールまで、最安だと4万円台で行くことが可能です。
これを調整するのが路線倍率です。ここまで求めたフライトマイルに、国内線なら2倍、アジア・オセアニア線なら1.5倍の倍率が加算されます。近距離には少し多めのポイントをくれるわけです。
日本発着のアジア、オセアニア:1.5倍
その他:1倍
4 搭乗ポイント
最後に、搭乗ポイントとして、一定以上の運賃で搭乗した場合に400PPが付与されます。適用される運賃は以下のとおりです。
【国内線】
対象運賃 | 搭乗ポイント |
---|---|
プレミアム運賃 ANA VALUE PREMIUM 3 ANA SUPER VALUE PREMIUM 28、 プレミアム株主優待割引運賃 ANA FLEX ビジネスきっぷ ANA VALUE(ANA VALUE A/B/C) ANA VALUE(1/3/7) 株主優待割引運賃 など |
400ポイント |
ANA VALUE TRANSIT 7 ANA VALUE TRANSIT ANA VALUE TRANSIT 28 |
200ポイント |
国際航空券(国内区間) ANA SUPER VALUE(21,28,45,55,75) ANA SUPER VALUE SALE ANA SUPER VALUE EARLY いっしょにマイル割(同行者) 個人包括旅行割引運賃 |
0ポイント |
国内線の場合、割引運賃であっても株主優待やANA VALUEならば400PPをもらえますが、ANA SUPER VALUEという運賃であればもらえません。
対象クラス | 搭乗ポイント |
---|---|
ファーストクラス ビジネスクラス プレミアムエコノミークラス エコノミークラス(一部運賃のみ) |
400ポイント |
エコノミークラス(大半) | 0ポイント |
国際線の場合は、プレミアムエコノミークラス以上であればもれなく獲得できますが、エコノミークラスの場合、運賃種別的には、かなり高い運賃のみが適用されます。ここはJALと違うところですね。
主な路線で獲得できるPP
ここまでPPの計算方法について説明してきました。修行する場合は、これらの要素を踏まえて、効率よくフライトを積み重ねていく必要があります。
いくつかの例を挙げておきますね。
まずは東京~沖縄の片道あたり獲得PPです。
搭乗クラス | 航空券種類 | 区間マイル | 積算率 | 換算率 | ボーナスマイル | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
プレミアムクラス | ANA SUPER VALUE PLEMIUM28など | 984 | 125% | 2倍 | 400 | 2,860 |
普通席 | ANA SUPER VALUE75など | 984 | 75% | 2倍 | 0 | 1,476 |
東京ー沖縄往復の場合、プレミアムクラスであれば2,860ポイント、普通席であれば1,476ポイントと考えておけば大丈夫です。
次に、SFC修行の花形である、東京~シンガポールの場合の獲得PPです。ここはエコノミークラスとプレミアムエコノミークラスでそれぞれみていきましょう。
区間マイル | 積算率 | 路線倍率 | ボーナスマイル | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
エコノミー | 3,312 | 50% | 1,5倍 | 0 | 2,484 |
プレエコ | 3,312 | 70% | 1.5倍 | 400 | 3,877 |
修行で使うような安い運賃の場合、エコノミークラスの積算率は50%、ボーナスマイル0だと思うので、獲得できるPPは片道で2,484、往復で4,968PP貯まります。
一方、プレミアムエコノミーの場合、積算率は70%の運賃で修行することになると思います。ボーナスマイルは付与されますので、獲得できるPPは片道で3,877、往復で7,754PP貯まります。
シンガポール修行の場合、これだけだと単価はおそらく10を超えてしまってオトクではないのですが、各地から羽田・成田に向かう国内線を付与することができ、
なお、各路線の搭乗でたまるマイルとPPは、ANAの以下のサイトで計算することができます。
ANA SKY WEB : ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション
ANA以外の航空会社に乗ってもPPを貯めることが可能
ここまではANAの航空機に乗ってプレミアムポイントを貯めることについて触れてきましたが、そのほかに、スターアライアンス加盟のANAが提携する航空会社に乗ってもPPを貯めることができます。提携会社は以下のとおりです。
ただし、提携航空会社でマイルを貯める場合は、以下の2つの条件があります。
- ANAにマイルを紐づけること
- 積算対象運賃であること
1番目ですが、例えばエバー航空に乗って台湾に行く場合、予約段階でANAマイレージカードの番号を入力するか、出発当日にエバー航空のカウンターで、ANAのカードを出して、「マイルをANAにつけてください」という必要があります。
2番目ですが、その運賃がANAのマイルが加算される運賃である必要があります。
ANA便であれば、ツアーだろうと格安航空券だろうと、多かれ少なかれANAのマイルやPPはたまります。ただ、提携航空会社の場合、マイルが貯まる運賃というのが定められています。どの運賃までが加算されるかは会社によって違うのですが、安いエコノミークラスのチケットは、2を満たさないことが多いので、注意が必要です。
私も、2017年にSFC修行をした際は、中国国際航空(エアチャイナ)のビジネスクラスを利用した修行をしました。
SFC修行に必要な費用はどのくらいか
50,000PPを獲得してSFCに入会するには、ある程度有償で飛行機に乗る必要があります。有償で飛行機に乗るということはお金がかかるわけです。
具体的にいくら必要かといいますと、おおむね50万円程度だと思ってください。
ただ、これはフライトの予定がなく、すべて「修行」として搭乗した場合の計算です。もともとSFCになりたいと思う方は、普段も少しは飛行機に乗っている方だとおもうので、SFCになるために乗る分はこれよりも少なくなるのかな、と思います。自分の年間のフライトに合わせて足りない部分のみを修行するわけですから。
安い運賃でもPPが溜まらなければ意味がありません。そのため、目安としては、運賃をPPで割った数値で判断していくことになります(これをPP単価なんていいます)
一般的には、PP単価が10を切れば効率的なフライトと考えられています。先ほど必要な費用を50万円といったのは、このPP単価10を目安としてはじき出した金額です。
先ほど、羽田~沖縄のプレミアムクラス搭乗は2,860PP貯まることをみましたが、上の画像の日だと、運賃は24,990円となっています。この場合、PP単価は、24,990÷2860=8.7となります。10を下回っているので、一般的には「オトク」とされます。
ただ、PP単価は高くても、一度に貯まるのが少なければ、フライトの数は増えることになります。
例えば、羽田~沖縄は意外にも値崩れを起こしやすい路線で、時間帯によっては1万円を下回ることが多々あります。普通席で1万円の場合、PP単価は6.8くらいになるはずです。
確かにこちらの方がよりオトクなんですが、一度に貯まるPPには差があります。PP単価が低ければ金銭的な負荷は下がりますが、フライトの回数が増えれば肉体的や時間的な負荷が増していきます。
コスト最優先で行くのか、多少のPPに目をつむってもフライト回数を減らすのか、どちらが正しいということはなく、色々戦略が分かれるところなのです。それがまた飛行機修行の醍醐味でもあります。
ANAマイルをSKYコインに交換して修行費用を捻出しよう
修行には50万円くらいかかるという話をしましたが、「興味はあるけど50万円も用意できないよ」という方もいると思います(私もそうでした)。
その場合は、ANAマイルをANA SKYコインに交換することにより、費用を補填することができます。
ANA SKYコインとは航空券などを購入するのに使えるポイントです。マイルを使った特典航空券を利用してもPPはたまりませんが、SKYコインを使って購入した場合は、マイルもPPも貯まるのです。
ANAマイルからSKYコインへの交換レートは、交換マイル数やANAカードの保有状況にもよりますが、ワイドゴールドカードを保有していれば、最大1.6倍のレートで交換することができます。
ちょっと待ったー!そんなマイル持ってないんですけどー!
はい、そうですよね。普通の人はそんな何万、何十万マイルも持ってないですよね…。
実は、ANAのマイルって、みなさんが思っている以上に簡単に貯めることができるんです。私も毎年30万マイルくらい貯めています。飛行機に乗らなくても、マイルを貯める方法があるんです。
それが、「ポイントサイトを利用してマイルを貯める」という方法です。
マイルを貯めるというと、飛行機に乗って貯めるかANAカードの決済で貯めるものだと思っている人が多いと思いますが、実はそれだけでは十分なマイルはたまりません。世の中にいるマイルの達人や、マイルを使ってハワイやヨーロッパに行っている人の多くは、ポイントサイトを活用してマイルを貯めているのです。
貯めたマイルは特典航空券に利用してもいいですが、SKYコインに交換してSFC修行資金に充当している人も多くいます。
今、陸マイラーとしてマイルをためていく場合は、様々なポイントサイトがあります。以下のブログを読んでいただき、「SFC修行をしてみよう。少しでも費用を削減したい」と思った方は、この際に登録してみてください!
まとめ
SFCとはANAの上級会員つきのクレジットカードで、これを保有していれば、ANAのプラチナ会員、スターアライアンスゴールド会員相当のサービスを受けることができます。
SFCに入るには飛行機に乗って50,000PPを貯める必要があるのでそれなりに大変なことですが、1度貯めてしまえば、制度が変わらない限り半永久的にメリットを享受することができます。
SFC修行は全額自腹だと50万円かかりますが、マイルを貯めてskyコインに交換すれば、修行費用を賄うことも可能です。とはいえ、せっかく貯めたマイルは特典航空券の発券に使うのが一番メリットがあるのは事実です。修行費用に充てるのか、ビジネスクラス発券に使うのか、答えはありませんので、色々考えてみてください。