ANAのプラチナ会員以上に到達し、SFC(スーパーフライヤーズカード)会員になる場合、ANAが指定する所定のクレジットカードを持っているする必要があります。
数あるANAカードの中で、どれを作ればよいのかわからない場合も多いと思いますが、その比較を本記事では行なっていきたいと思います。
ちなみに私がお勧めするのは、ANA VISAゴールドカードになります。年会費やポイント還元をみると、バランスのとれたクレジットカードではありますが、人によってこればっかりは変わってくると思いますので、本記事では中立的に紹介していきたいと思います。
目次
SFCを取得するのに必要なクレジットカード一覧
ANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)会員になると、制度が変更されない限り、年会費を払い続ければANAプラチナ会員とほぼ同等の待遇、スターアライアンスゴールド会員の資格を得ることが可能です。
このSFCになるには2つの条件がありまして、一つはANAのダイヤモンドまたはプラチナ会員であること。つまり、PPを年間で50,000ポイント以上ためる必要があります(ほかに、ミリオンマイラーになるという方法もありますが…)。
そのうえで、SFC会員に申し込むにあたっては、ANAが指定する以下のクレジットカード12種類のうち、どれかを持っている必要があります。
- ANAスーパーフライヤーズカード VISA(SFC VISA)
- ANAスーパーフライヤーズカード マスターカード(SFC マスター)
- ANAスーパーフライヤーズカード JCB(SFC JCB)
- ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード VISA(SFCゴールド VISA)
- ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード マスターカード(SFCゴールド マスター)
- ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード JCB(SFCゴールド JCB)
- ANAダイナース スーパーフライヤーズカード(SFCダイナース)
- ANAアメリカン・エキスプレススーパーフライヤーズ・ゴールド・カード(SFCアメックスゴールド)
- ANA JCBスーパーフライヤーズカード プレミアム(SFC JCBプレミアム)
- ANAダイナーススーパーフライヤーズ プレミアムカード(SFC ダイナースプレミアム)
- ANA VISAプラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカード(SFC VISAプレミアム)
- ANAアメリカン・エキスプレススーパーフライヤーズ・プレミアム・カード(SFC アメックスプレミアム)
これらは、既存の12種類のクレジットカードに、SFCの機能を搭載したものになります。この中から選ぶため、いくつかの視点からカードの比較を行っていきたいと思います。
年会費(維持費)をみていこう
長い間保有するクレジットカードですから、年会費(維持費)はカードを選ぶうえでとても大事な視点になると思います。
SFC会員になるために必要な12種類のSFCカード年会費は、以下のとおりになります。
券名 | ブランド | 年会費 |
---|---|---|
SFCカード | VISA、マスター | 11,275円(10,202円) |
JCB | 11,275円(9,762円) | |
SFCゴールドカード | VISA、マスター | 16,500円(11,550円) |
JCB | 16,500円(11,000円) | |
アメックス | 34,100円 | |
ダイナース | 30,800円 | |
SFCプレミアムカード | VISA | 88,000円 |
JCB | 77,000円 | |
アメックス | 165,000円 | |
ダイナース | 170,500円 |
まぁ、SFCプレミアムカードはプラチナカード級ですから、とにかく年会費は高いですよね。一番安いJCBでも、77,000円もかかってしまいます。
一方、SFCカードと、SFCゴールドカードは年会費も比較的持ちやすい金額です。アメックスやダイナースは少し高めですが、VISA,マスター、JCBは2万円以下で保有することが可能です。
普通のSFCカードかゴールドSFCか
SFCカードには、一般カード、ワイドゴールドカードおよびプレミアムカードの3ランクがあります。
とりあえずプレミアムカードの年会費に抵抗がない方、払う余裕のある方はプレミアムカードもったらいいと思います。プライオリティパスの付与やコンシェルジュの利用など、プラチナカードのステータス性を存分に楽しんでください!
とはいえ、年会費も高く、維持費を考えると厳しいなぁという人も多いのではないでしょうか。そこで、ゴールドカードと普通カードのどちらにすればいいのか悩む人も多いと思います。そこで私なりの視点で少し考えていきたいと思います。
日常の買い物で利用するのであればゴールドカードがおススメ
私個人的には、もちろんお金に余裕があればプレミアムカードを持ってもいいと思いますが、ゴールドカードの所有をお勧めしたいと思います。
普通のSFCカードとゴールドカードの違いは大きくわけて2つあります。
一つは一般的な普通カードとゴールドカードの差と同様、付帯する海外旅行保険の差や、ゴールドカードであれば空港から自宅までのスーツケース配送の有無といったものです。
もう一つの差はANAカード特有のもので、クレジットカードの利用によって貯まる、三井住友カードやJCBのポイントをANAマイルに交換するときのレートが異なります。
- SFCカード(VISA、マスター、JCB)の場合:200円あたり1ポイント⇒1マイル(JCBは1000円あたり1ポイント⇒5マイル
- ゴールドカード(VISA、マスター、JCB)の場合:200円あたり1ポイント⇒2マイル(JCBは1000円あたり1ポイント⇒10マイル
2020年6月から、三井住友カードのポイントは、1000円=1ポイントから200円=1ポイントに変更となります。
ふつうのSFCカードでもゴールドカードでも、ショッピング利用でたまるポイントそのものは200円あたり1ポイントで変わりがありません。
ただ、ゴールドカードの場合、1ポイントあたり2マイルの交換レート、つまり還元率は1%である一方、SFCカードの場合は、1ポイントあたり1マイルの交換レート、つまり還元率は0.5%なってしまうんです。
なので、決済で利用するならゴールドカードにしてしまいしょう。
普通のSFCカードでも「マイル移行手数料」を払うことにより、1000円あたり10マイルの交換レートにすることも可能なのですが、この移行手数料が年間5,000円から6,000円もするのです。
この移行手数料を毎年払うとなると、実はゴールドカードのほうが年間コスト安くなるくらいなので、もしポイントをマイルに移行するという方であれば、おとなしくゴールドカードを発行したほうがいいと思います。
決済にカードを使わないならワイドカードもあり
ただし、他にメインの決済となるクレジットカードをお持ちで、ポイントやマイルはそっちでためる!という人であれば、普通のSFCカードにするという選択肢も、私はありだと思います。
それがSFCを最も安く保有できる方法ですから。
SFCカード (VISA,マスター) |
ゴールドSFCカード (VISA,マスター) |
|
---|---|---|
本会員の年会費 ( )内は年会費割引適用後 |
11,275 (10,202) |
16,500 (12,650) |
年会費(家族会員) ( )内は年会費割引適用後 |
5,610 (5,032) |
8,250 (6,600) |
SFCカードで日常の買い物の決済をしないのであれば、先ほど紹介した、1ポイントの交換レートを10マイルに引き上げる「移行手数料」は考慮しなくてよいので、SFCカードはゴールドカードに比べて2,000円程度の維持費を圧縮することが可能です。
また、SFCをもつと多くの方が家族カードを作成すると思いますが、家族カードの発行枚数が増えれば増えるほど、年会費の負担はどんどん大きくなるので、この1枚2,000円の差が広がっていきます。
ただ、その場合でも、1年目(SFC修行年)は、クレジットカードを発行の各種キャンペーンに参加するため決済する機会も多いと思うので、ワイドゴールドにした方がよいと思います。
ゴールドカードではSKYコインの交換レートがアップ
ANAワイドゴールドカード保有のメリットでもうひとつ忘れてはならないのは、ANAマイル→ANA SKYコインへの交換比率アップです。
これは特に、貯めたANAマイルをANA SKYコインに交換して、その原資でSFC修行で考えている人は大事な情報になってきますね。
ANA一般カードやワイドカードを保有している場合は、5万マイルをSKYコインに交換すると1.5倍となる75,000コインになりますが、ワイドゴールドカードを保有している人が交換すると、同じ5万マイルでも1.6倍の80,000コインに交換することが可能です。
年会費の割引サービスを紹介
先ほど紹介したクレジットカードのうち、国際ブランドがVISA、マスター、JCBについては、正規の料金のほか、年会費の割引を受けられるサービスがあります。
これも紹介していきたいと思います。
VISAとマスターの「マイ・ペイすリボ」と「明細書WEBサービス」
ANAカードのうち、三井住友カードが発行するVISAブランドとMASTERブランドの場合、2つの制度を使うことにより、カードの年会費が割り引かれるというのがあります。
- 「マイ・ペイすリボ」
- 「Web明細サービス」
では、この2つの制度について簡単に説明していきたいと思います。
マイ・ペイすリボとは
これは、三井住友カードのリボ払いの一つである「マイ・ペイすリボ」という支払方法に設定すると、年会費が割引されるというものです。これをするだけで、ゴールドカードの場合、年会費がなんと3,500円も安くなります。
これを聞いて、「リボ払い?確かにリボにするとポイントがいっぱい貯まると聞いたことはあるけれど、どんどん支払額が貯まっていって金利もいっぱい取られる罠があるんでしょ?」と思った人もいるかもしれません。
確かに、言葉は悪いですが、「バカ正直に」リボ払いしてしまえばそのようなことになってしまいます。
ではどうするかというと、リボ払いにしつつ、極力金利を支払わないようにしていけばいいのです。
そんなことができるのかというと簡単で、一番手っ取り早いのが、リボの支払額(最低支払額)をクレジットカードの利用限度額まで引き上げてしまう方法です。これをすれば、いくらリボ払いにしても、次の支払いで全額請求にあがってきます。実質的には1回払いと同じです。
ただし、世の中そんなうまい話もなく、年に1度はリボ払いの金利手数料を支払わないと割引が適用されなくなります。
ただ、マイ・ペイすリボの特徴の一つは、毎月自由に返済額をWeb上で設定することが可能です。このメリットを使って、年に1回だけは返済額を上限額ではなく、請求額よりもちょっとだけ安い額に設定すればいいんです。
そうすれば、その翌月に一部の支払が回るので金利がかかりますが、年会費を下げることが可能です。
翌月には返済額を再びクレジットカード利用額の上限に戻せば、いつもどおりの1回払いになります。
Web明細サービスとは
Web明細サービスはその名の通り、明細書の郵送を行わず、Webで確認するというものです。
最近はもうクレジットカードの明細書は紙で見ず、アプリやWebサイトで確認する人も多いでしょう。というか、紙で明細書を送る場合は手数料をとるカード会社も増えてきましたしね。
これは、過去12か月で6回以上請求があった場合、年会費の割引を受けることができます。なので、初年度の割引は受けられませんが、2年目以降は条件に合致すれば年会費をさらに割引することができます。(ANA VISAワイドゴールドの場合、1,000円引き)
JCBのスマリボ
三井住友に対抗してJCBが出してきたリボ払いサービスが「スマリボ」です。
こちらは年会費がゴールドカードの場合5,000円も割引されます。マイ・ペイすリボよりも割引が大きいのが特徴です。ただし三井住友のマイ・ペイすリボと異なるのが、家族会員カードの割引がない、というところです。
そのほかに注意点が2つあって、割引が2年目の年会費支払いからであること、「残高スライド形式」をとっていることになっています。
特に注意したいのが残高スライド形式。先ほど紹介したマイ・ペイすリボの場合、毎月の支払額は自由にいじることが可能でしたが、スマリボの場合は支払額を自分でいじることができず、固定されています。
また、この「固定された支払額」がかなり厄介で、かなり金額が少ないんですね。残高10万円以下の場合、毎月の支払額が1万円ですから、たとえば9万円の買い物を返済するのに9か月かかり、その年には金利がかかっていくという、芋づる式で返済額が増えていくという罠が入っています。
一応、スマリボ払いにしたりやめたりするのは自由にでき、年会費発生月にスマリボ設定していれば年会費の割引は適用されるのであまり金利のことは気にせず、きめられた時期だけスマリボをすればいいのですが、この支払方法は個人的には好きではありません。リボ払い破産、たくさん産みそうで…。
どっちが結局おススメなの?
個人的には、マイ・ペイすリボ+明細書WebサービスのVISA・マスターのほうをお勧めしたいと思います。
2つのサービスを比較したのがこちらの表になります。
スマリボ | マイ・ペイすリボ | |
---|---|---|
割引額 | 一般:1,375円 ゴールド:5,000円 |
カードごとに異なる ANA VISA:1,073円 ANA VISAゴールド:3,500円 |
毎月の返済額 | 返済額を毎月自由に設定 | 定額スライド制度 |
繰り上げ返済 | 事実上Webで可能 (支払額を自由に設定) |
ATM振込が必要 |
割引開始年 | 2年目から | 初年度から (2021年からは2年目から) |
家族カード年会費 | 割引対象外 | 割引対象(金額は別途) |
年会費割引適用条件 | 年1度以上カード利用 | 年1度以上金利発生 |
確かに割引率はJCBのスマリボのほうが大きいのですが、スマリボには家族会員カードの割引制度がありません。くらいでしょうか。
家族カードを発行予定の方であれば、三井住友カードのほうが割引はお得になります。あと純粋にマイ・ペイすリボは使い勝手がいいですしね。
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対象カードの入会キャンペーン
最後に比較するのは入会キャンペーン。
クレジットカードの入会キャンペーンでもらえるマイル数はバカにできないもの。特にJCBやアメックスは、ほかのブランドのカードに比べて、キャンペーンでもらえるマイルが多い傾向にあります。
ANAカードの場合、ANAと発行会社、それぞれでクレジットカードの入会キャンペーンを行ったりします。
現在、2020年もANAカードの発行キャンペーンとしてANA側がキャンペーンを行っています。具体的には、100万円の決済で35,000マイルをもらうことができます。
ただ、カード発行会社である三井住友カードのキャンペーンはないんですね。
一方、ANA JCBカードやANA AMEXカードの場合、カード発行会社(JCBなりアメリカン・エキスプレス)が実施するキャンペーンも別途あるため、カード発行と決済で、VISAよりも大量のANAマイルをもらうことが可能です。
カード発行によってもらえるマイル数の比較
そこで、今回、2020年5月現在でもらえるマイル数の比較を行いたいと思います。
VISA | JCB | AMEX | |
---|---|---|---|
年会費(税抜) | 10,500(※1) | 14,000 | 31,000 |
獲得マイル数 | 33,000 | 65,600 | 93,000(※2) |
マイル単価 | 0.32 | 0.21 | 0.33 |
(※1)マイ・ペイすリボ設定時の年会費
(※2)友人紹介キャンペーン適用時(当サイトでは行っておりません)
条件としては、基本的にどのカードにおいても、100万円の決済を行った場合にもらえるマイル数だと思ってください。また、決済で通常貯まるポイントは除外した数値となっています(アメックスはこれを含めた数値で出すので)。
こうみると、JCBが年会費に対して獲得できるマイル数が多いなとか、アメックスは獲得できるマイル数も多いけど年会費も高いな、とか、やっぱりVISAは年会費が安いな、ということがわかります。
もちろん、VISAやJCBよりもAMEXのほうが、ゴールドカードでも特典が多かったりするので、一律に比較はできませんが、マイルの獲得とカードの維持費用という面のみでみれば比較もできるのかな、なんて思ったりします。
私のおススメはANA VISAゴールドSFC
私はANA VISAゴールドをSFCカードにしています。
やはり非常に年会費と特典、還元率、扱いやすさなどバランスがとれたクレジットカードだと思います。
ここまで書いてきたことですが、年会費はアメックスやダイナースよりももともと安いうえ、家族カードも2枚もっていますので、VISAの特典であるマイペイすリボの割引が家族カードにもかかるのは便利です。
また、iD搭載が便利で、普段からセブンイレブンや自動販売機等で利用することも多く、それなりの決済をするため、ゴールドカードにしていますね。
まとめ
ANAのSFCのカードをどれにすればいいか問題について説明させてもらいました。
ANAマイルを貯めたい場合、目先の年会費だけではなくトータルのランニングコストをみると、一つ下のワイドカードよりもお得なことがわかっていただけたと思います。
マイ・ペイすリボと上手につきあって、マイルの獲得、維持費の縮減を行い、より効率的にマイルを稼いでいきましょう。
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