空港での空き時間に便利なのがラウンジ。ラウンジを利用できれば、飛行機の搭乗前や乗り継ぎの待ち時間を快適に過ごすことが可能です。
ただし、空港のビジネスクラスラウンジを利用する方法は、ビジネスクラスを利用するか、航空会社の上級会員ではなければ利用することができません。
ただ、「プライオリティ・パス」を保有していると、航空会社の上級会員ではなくても、ビジネスクラスの利用でなくても、世界各地の空港ラウンジが利用することが可能です。
そんな魔法のようなプライオリティパスのメリット・デメリット、そしてプライオリティパスをお得に発行する方法について、今日は解説していきたいと思います。
目次
プライオリティパスとは
プライオリティパスとは、持っているだけで、世界中の1,300ものラウンジに自由に入ることが可能な、魔法のようなカードです。
空港のラウンジは、一般的には航空会社の上級会員だったり、ビジネスクラス以上のクラスに搭乗する人のみが利用できるものです(一部、プレミアムエコノミーやエコノミークラスでも利用できる航空会社もあります)
空港の待ち時間は厄介なもの。出発前もそうですが、特に乗り継ぎの場合は、ラウンジを利用できるのとできないのでは疲れ方に大きな違いがでてきます。
もちろん上級会員だったりビジネスクラスを利用すれば、快適なラウンジを利用することができますが、そうでない場合やLCCやアライアンスに未加盟の航空会社を利用する際も、プライオリティパスを保有していればラウンジが使えます。
ラウンジ慣れしてしまうと、いざラウンジが使えない場合困ってしまうんですよね。そんなときもプライオリティパスがあれば安心です。
ちなみにこのようなサービスはプライオリティパスのほか、ダイナースクラブの特典だったり、ラウンジキーというサービスもあったりするんですが、プライオリティパスがやはり一番使えるラウンジが多いのでおススメです。
ラウンジのほか、空港によってはレストランが指定されており、レストランの食事が一定額まで無料になる、というサービスを実施している場合があります。
プライオリティパスの会費と会員種別
プライオリティパスには、利用上限回数などに応じて3つのステージ会員制度があります。
最も安いスタンダード会員とは、99ドルで会員となることができますが、ラウンジを利用する際は都度32ドルを支払う必要があります。年会費払っても、1回も無料でラウンジを使えないって、そんな…ってコースですね。これ入る人いるのだろうか。
スタンダード・プラス会員は、年会費が299ドルで、年間10回まで無料でラウンジを使用することができますが、11回目からは32ドル支払う必要があります。
プレステージ会員は、年会費が429ドルと高額ですが、プライオリティパスを保有しているだけで、対象ラウンジが利用し放題になります。
クレジットカードによっては、無料でプレステージ会員が付与される
プライオリティパスの値段は、利用し放題であるプレステージの年会費が429ドルと非常に高額になっています。
ただ、特定のクレジットカードを保有していると、無料でプレステージ会員のプライオリティパスを発行することが可能です。プレステージ会員の年会費が429ドルよりも年会費が安いクレジットカードがありますので、一般的にはクレジットカードを発行して利用するのがおススメです。
利用方法
基本的には、ラウンジの入り口で搭乗券など搭乗を証明するものとプライオリティパスの提示になります。航空会社は問わないので、LCCの利用時も、プライオリティパスの提示でラウンジの利用が可能です。
また、プライオリティパスでのラウンジ利用の場合、利用時間に制限(2時間とか3時間の場合が多いです)がある場合があるので、これには注意しましょう。
プライオリティパスが利用できるラウンジ
プライオリティパスが利用できるラウンジは、世界の550もの空港の1,300ラウンジになります。これらすべてが利用することが可能なんです。
例えば、以下の空港にもプライオリティパスが利用できるラウンジが存在します。
東京(成田)/香港/シンガポール/クアラルンプール/バンコク(スワンナプーム)/ハノイ/ジャカルタ/シェムリアップ
ニューヨーク/ロサンゼルス/シカゴ/サンフランシスコ/ラスベガス
ロンドン/パリ/フランクフルト/ヘルシンキ/マドリード/ミラノ
世界中のハブ空港には、基本的にはどこにも1か所程度はあると思ってください。まぁ、実は日本人が多く利用する、とある空港には利用できるラウンジが全くないのですが…。
使用できるラウンジは空港運営会社やラウンジ運営会社などが運営するラウンジだったり、航空会社が運営するラウンジだったり、まちまちです。
ただ、航空会社ラウンジが指定されているケースはそう多くはありません。これは、自社(およびアライアンス)の顧客のためのサービスですからね。例えば、JALが運営するサクララウンジ(台北はJALラウンジ)は国外にも6つのラウンジがありますが、これらはプライオリティパスが利用できるラウンジではありません。
ラウンジ運営会社だとPlaza Plemium Loungeが有名ですし、プライオリティパスが使える航空会社だと、大韓航空が運営するKALラウンジや、エールフランスのラウンジなどが多い印象ですね。
利用できるラウンジの一例
プライオリティパスで入場できるラウンジってどんなラウンジなのか、私が行ったことのあるラウンジを少し紹介しておきたいと思います。
例えば、シンガポール空港ターミナル1にあるdnataラウンジ。こちらはキャセイパシフィック航空などのビジネスクラスラウンジとしても指定されているラウンジですが、プライオリティパスでも入ることが可能です。
これに限らず、シンガポール・チャンギ国際空港では、多くのラウンジが利用できます。
一方、マレーシアのクアラルンプール国際空港にあるPLAZA PLEMIUM LOUNGEは、ラウンジ自体は快適に過ごすことができますが、アルコールが有料な面が若干のマイナスポイントですね。
プライオリティパスのデメリット
そんなプライオリティパスにも、デメリットというか使用上の注意といったものがありますので、ここからはそれらについて紹介していきたいと思います。
同伴者は原則有料
プライオリティパスでラウンジを利用するときに同伴者がいる場合はお金がとられます。クレジットカードについているプライオリティパスの場合は、同伴者の料金はカード会社から請求されます。
ちなみに、同伴者まで無料になるプライオリティパスもある(厳密には、カード会社がプライオリティパス社からの請求を支払ってくれている)クレジットカードもあるんですが、JCBザクラスやアメックスプラチナ、楽天ブラックカードなどごく一部のクレジットカードになります。
ちなみに、完全インビテーション制の楽天ブラックカードが、サービスが公開されているクレジットカードの中では、プライオリティパスで2名まで無料となる唯一のカードですので、子連れでもいけちゃったりします。これは熱い。いつか欲しい。
成田空港で使い勝手が悪い
日本の玄関口、成田空港で利用できるラウンジは以下の5つになります。
- KALラウンジ(第1ターミナル・制限区域内)
- T.E.I. LOUNGE(第1ターミナル・制限区域外)
- T.E.I. LOUNGE(第2ターミナル・制限区域外)
- IASS EXECUTIVE LOUNGE(第1ターミナル・制限区域外)
- IASS EXECUTIVE LOUNGE(第2ターミナル・制限区域外)
第2ターミナル、第3ターミナルでは出国手続き後には利用できるラウンジがありません。
第2ターミナルには2つのラウンジがありますが、どちらも出国手続き前にあるラウンジです。出国手続きの前のラウンジって、手荷物検査や出国審査が控えており、どれだけ時間がかかるか読めない以上、ゆっくりできないですよね。
第1ターミナルも北ウイングにあるKALラウンジのみが対象なので、北ウイング出発便ならばともかくとして、スターアライアンス加盟会社が利用する南ウィングからだとかなり距離があります。
なのでちょっと成田空港ではプライオリティパスの使い勝手が悪いんですよね。
羽田空港で使い物にならない
もっとひどいのが羽田空港。羽田空港の場合、プライオリティパスが利用できるラウンジが一つもありません!
まぁ、羽田空港の場合、カードラウンジが出国後にあるので、お酒や食事はないしシャワーも別料金にはなりますが、ラウンジ自体はゴールドカードのクレジットカードの提示だけで使うことが可能です。
なんなら、シャワールームはANAラウンジなんかよりもすいていたりしますので、航空会社のラウンジが混雑している場合はカードラウンジもおススメです。
プライオリティパスを発行するのにおススメのクレジットカードは?
プライオリティパスは、先ほど紹介したとおり、プレステージ会員の場合、年会費が429ドルします。
これが、特定のクレジットカードに加入していると、クレジットカードのサービスとして無料で入手することが可能です。
というのも、プライオリティパスの年会費よりも、クレジットカードの年会費の方が安いカードがいくつかあるんですね。
プライオリティパス(プレステージ会員)が発行できる主なクレジットカードは、以下のとおりとなります。
- 楽天プレミアムカード
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
- MUFGアメックスプラチナカード
- エポスプラチナカード
- アメリカン・エキスプレスカード(ゴールド・プラチナ・センチュリー)
- 三井住友プラチナカード
- JCB(プレミアゴールド・プラチナ・ザクラス)
基本的にはプラチナカード以上でプライオリティパスが付与されており、思いっきりハイブランドなクレジットカードが並んでいます。ただ、一部のクレジットカードは比較的お手頃に発行することが可能です。
今回は、年会費が2万円以下となる、「楽天プレミアムカード」、「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード」、「MUFGプラチナアメックス」の3つについて紹介していきたいと思います。
楽天プレミアムカード【おススメ】
日本でプライオリティパスを一番安く手に入れることができるクレジットカードといえば、楽天プレミアムカードになります。
カードの年会費は1万円(+消費税)です。
さらに、楽天プレミアムカードを発行すると選ぶことができる3つのコースのうちの一つである「トラベルコース」を選択すると、スーツケース宅配が年間2回まで無料となります。
このスーツケース宅配は、空港から自宅のみならず、なかなか無料のクレジットカードが少ない、自宅から空港への配送でも利用できます。(あのダイナースカードですら無料になりません)
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス
2つ目におススメするカードが、セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスカードになります。私も現在保有しています。
こちらのカードの年会費は通常2万円(+税)です。
ちなみに、こちらのカードはビジネスカードということで、経営者や法人向けのクレジットカードではあるんですが、サラリーマンの方でも発行可能です。
セゾンのクレジットカードの場合、申し込み後に電話審査がありますが、そのときも普通の個人カードと同じようなやりとりしかせず、特に会社のこととか聞かれることはありませんので、ご安心ください。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスカードはプラチナカードですので、コンシェルジェ機能なども付帯されていますが、どちらかというとビジネスユースのカードですので、空港へのスーツケース無料配送などがサービスとして含まれていません(割引ならあります)。
MUFGプラチナカード
こちらは三菱UFJニコスが発行するプラチナカードです。
年会費が2万円となっており、年会費が1万円の楽天プレミアムカードや、決済額の実績によっては年会費が1万円までセゾンプラチナビジネスアメックスよりも負担は大きいものの、本格的なプラチナカードなだけあって、空港のスーツケース配送料無料や、レストラン2人目無料などの様々なサービスが付帯されています。
3つのカードの旅行に関する特典の比較
ここまで紹介した3枚のクレジットカードは、どれもプライオリティパス(プレステージ)を発行することが可能で、年会費2万円以下のものです。
プライオリティパスが欲しい時に年会費のことを考えれば、これら3つのクレジットカードのうちどれかを選べばいいと思うのですが、
確かに値段だけをみれば、楽天プレミアムカードが一番よいということがわかりますが、それ以外の付帯サービスもチェックをしておきたいところ。
そこで、3つのクレジットカードのうち、プライオリティパス付与以外のサービスについて比較しておこうと思います。
項目/カード名 | 楽天プレミアム | セゾンプラチナ | MUFGプラチナ |
---|---|---|---|
年会費 | 11,000円 | 22,000円 | 22,000円 |
海外旅行保険・本人 (傷害/疾病治療) |
300万円 | 300万円 | 200万円 |
海外旅行保険・家族 (傷害/疾病治療) |
× | × | 200万円 |
手荷物配達 (自宅→空港) |
年2回まで無料 | × | 無料 |
手荷物配達 (空港→自宅) |
× | 無料 | |
コンシェルジュ | × | 〇 | 〇 |
ポイントのマイル交換 (通常ポイント) |
0.5%(ANA) | 1.125%(JAL) | 0.8%(要追加料金) (JAL、SQ、KE) |
どのカードも一長一短ということでしょうか。それぞれメリット・デメリットがありますね。
別のクレジットカードで決済してポイントを貯めるとか、カード決済のポイントはマイルに交換せず、楽天でそのまま使うという方、そしてコンシェルジュは不要という方であれば、楽天プレミアムカードがおススメです。
スーツケースの配送は不要、JALマイルを貯めたいなどという方であれば、セゾンプラチナ・ビジネスアメックスなんかがいいでしょう。
一通りプラチナカードのメリットを安く受けたい!という人であれば、MUFGプラチナカードがいいと思いますね。他の高価なプラチナカードと同じようなサービスがついていますので、プラチナカードのデビューにもおススメなクレジットカードになります。
まとめ
上級会員やビジネスクラス利用でなくとも空港のラウンジを利用することができるプライオリティパスについて解説してきました。
海外にエコノミークラスやLCCで行く機会の多い方、また上級会員でもアライアンスが異なる航空会社に搭乗する場合などには所有していると便利なものになります。
日本で一般的にプライオリティパスを入手するには、特定のクレジットカードを発行して、カードのサービスとして発行する方法になります。その際、費用面をみれば、楽天プレミアムカードがおススメになります。