海外に出かける際には絶対に必要で、実際に海外にいったら、命の次に大事なパスポート。
そんなパスポートですが、政府が、パスポートのWeb申請、クレジットカード払いおよび郵送での受取ができるように検討しているとのことです。
パスポートの更新は所詮5~10年に1回の作業ですからそこまで負担のあるものではありませんし、大事なものですから本人確認を徹底しなくてはならないのでそこまで気になっていなかったですが、正直時代遅れ感のあるパスポート申請の改革が動き出しそうです。
パスポートの現行の申請手続きは面倒
パスポートの申請や受取は、現在は原則窓口に本人が行って手続きをするルールになっています。
- パスポートセンターで申請手続きを行う(土日不可・代理人OK)
- 手数料の支払は収入印紙(印紙を窓口にて現金で購入)
- パスポートセンターで受け取り(日曜日対応・本人が窓口に行くことが必須)
大阪府など、一部の都道府県では市役所でパスポートの手続きができるらしいのですが、こと東京都に限っていえば、パスポートの申請手続きができるのは有楽町、新宿、池袋、立川の4か所のみです。
東京は狭いのでパスポートセンターまでの距離はそうかからないのでせすが、1300万人の人口を考えると4か所というのはちょっと少なくて、窓口はいつも混雑しているイメージです。
さらに東京に関しては、申請は土日を受け付けていない(受け取りは日曜日可能)のため、土日がお休みの人であれば、昼休みにいくなり、半日休暇を使って申請に行かなくてはなりません。
外務省がパスポート手続きの簡略化に着手
そんなパスポートの申請が大幅に楽になる見通しがたってきました。東京新聞によると、現在、政府はパスポートの申請について、申請者の利便性が上がるように以下の4点を検討しているそうです。
- 早期にめざす:郵送での受取
- 2021年度:手数料をクレジットカード支払い可能に
- 2022年度:Webで申請(ただし申請後に窓口に行く必要ありという説)
- 2023年度:マイナンバーカード提示で戸籍謄本(新規発行のみ必要)の提出不要に
このうち、最後のマイナンバーカード提示で戸籍謄本が不要になるのは、そもそもマイナンバーに戸籍情報が組み入れられることになったことに伴うものです。
これ以外の3つについて、少しみていきたいと思います。
郵送での受け取り
まずは郵送での受け取りを先行的に実施するようです。これは早々に対応するとか。
郵送での受け取り方法は、一部のクレジットカードの受け取りなどでも利用されている「本人受取限定郵便」を利用すると思われます。現状でも申請に関しては本人以外のものも委任状があれば認められていますので、どう考えても、パスポートの受け取りの際には本人確認が必要ですからね。
支払い手数料のクレジットカード解禁
現状はパスポートの手数料を支払うにあたり、収入印紙(国)と収入証紙(都道府県)を別のカウンターで買って、それを貼って提出するという、令和の時代に前近代的なことをやっているわけです…。
そして「原則として」印紙と証紙はクレジットカードでの購入もできませんしね。まぁ、WAONにポイントが付与されるクレジットカードを使ってチャージして印紙をミニストップで買って持ち込むことは可能ですが…。
これは財政法上、手数料が同時納付であることが大前提となっているため、一度クレジットカード会社が「建て替える」という形はまずいのでは、という判断があったようなのですが、ここは財務省が現行の規定で対応可能という判断をしたらしいです。このことは前外務大臣である河野太郎氏のブログに記載があります。
【前外務大臣である河野太郎氏のブログです】
ということもあり、2021年以降、クレジットカードを使えるようになるほか、そもそも印紙・証紙を買うのではなく、現金だとしても直接手数料を支払うという仕組みに変えるそうです。
クレジットカードが使えればカードのポイントも貯まってありがたいですね。
ただし、納税などと同様に、クレジットカードでの支払いには一定の手数料はかかるのではないかなと思います。これは仕方のないところですね。国がクレジットカード会社に手数料を支払うわけにはなかなかいきませんからね…。
申請のWeb化
正直これを一番最初に対応してくれよと思ってしまいました。私のような「緩社畜」を我が道でいく不良サボリーマンであれば休暇をとればいいだけですが、なかなかそうはいかない人も多いかもしれません。
とはいえ、先の東京新聞の記事によれば、パスポートはWeb申請しても一度窓口に行かなくてはならないという制度設計を検討しているそうです。それ意味あるのか?
ちなみに、今でも申請書はWebで作ることが可能なんです。ただ、ブラウザで必要事項を入力したのち、プリンターで印刷して直筆の署名をしてパスポートセンターに持ち込むという、なんというか非合理的だなー、と思ってしまう部分もあるんですよね。
これが、2022年からはStep2の印刷が不要になるということですか。中途半端感がやはりあるので、実際に窓口に行くにあたり待ち時間が減ったり、市町村で手続きができない都道府県は市町村でできるようにしたり、工夫をしてもらいたいところですね。
電子申請などのデメリットを考える
基本的に今回の改正は、デメリットはあまりないのかなと思います。クレジットカードを利用可にしたからといって現金の扱いをやめることはないでしょうから不便になることはないでしょう。受け取りが郵送になったら郵便屋さんは忙しくなるかもしれませんが。
ただ、そもそもWeb申請のメリットが十分に生かされてないなーとは思います。パスポートにはどうしても直筆サインが必要だったりするのはわかるんですが、もう少し便利な方法があればいいんですけどねー。
まとめ
パスポートの申請がWeb化され、クレジットカードで支払いが可能となり、受け取りは郵送を活用するという方向で検討が進んでいるとのニュースがでましたので紹介させていただきました。
とはいえ、Web申請をしても一度窓口にいかなくてはならない運用を考えているようで、ここは何かしらの工夫をしてもらえると非常にありがたいですよね、せめて申請の際に予約制にして待ち時間を減らすとか、それこそ事務が簡単になるのだから市役所に作業をおろすとか…。
私が次にパスポートの申請をするのは、妻と子供のパスポートがダブルできれる2023年。このタイミングで本籍地変更も考えているので、その時にはきっと楽になっているんだと思います。