秋田県には秋田空港のほか、大館能代空港というちょっとマイナーな空港があります。
就航路線は羽田のみの小さい空港ですが、2024年度は大館能代行きの飛行機を利用し、秋田県内の指定されたホテルや旅館に宿泊すると、宿泊料金が1万円キャッシュバックされるというキャンペーンを実施しています。実際に私も早速予約してみましたので、紹介できればと思います。
大館能代空港 泊まってお得キャンペーン
2024年3月27日から2025年2月14日まで、大館能代空港を利用して、搭乗した日に対象宿泊施設に宿泊すると 宿泊代金から10,000円の割引を受けられるという超太っ腹な案件です。
割引率は設定されておらず、一律10,000円引き(ただし宿泊金額が上限)なので、10,000円以下の宿であればタダで宿泊が可能です。また2人いれば20,000円、3人なら30,000円引きとなりますので家族旅行での破壊力は半端ないですね。さすがに値引きなので黒字にはなりませんんが。
割引要件
要件を確認していきましょう。
- 秋田県外在住
- 大館能代空港羽田線の対象便へ搭乗
- 対象便に搭乗した日に、秋田県内の対象宿泊施設に宿泊(支払いは現地払い)
まず、本案件は取組の性質上、交流人口の拡大という目的がありますので、秋田県外在住者のみが利用できます。
大館能代空港には、羽田空港からANAが1日3便のみ就航していますので、これを利用することが条件になります。JALは就航していませんし、羽田以外の路線もありません。
チケットクラスに制限はなく、特典航空券でも対象になります。東京以外のエリアの方であれば、UAのマイルなんかを使って羽田乗り継ぎで訪れることも可能です。
また、羽田発を利用することが条件なので、復路は大館能代空港を利用する必要はありません。秋田空港や青森空港、あるいは新幹線を利用して東京に帰っても構いません。秋田空港であれば札幌や名古屋、大阪にも便があるので行きはUAで羽田経由大館能代、帰りは秋田空港なんてのもアリです。
そして、搭乗した日に対象宿泊施設に宿泊することが条件となります。複数の宿泊施設に滞在する旅行を考えいる人はここが注意で、1泊目・到着日は必ず宿泊対象施設に泊まる必要があるということです。初日が対象外ホテル、翌日に対象ホテルに宿泊しても、対象ホテルでの割引が受けられません。
利用方法は、HPから申請書(PDF)をダウンロードして必要事項を記入し、身分証と搭乗券の控えを合わせて宿で提示することになります。そうすると、その場で1万円の割引を受けることが可能です。
大館能代空港からの秋田市内へのアクセス
大館能代空港は秋田県の北部にあるため、秋田市までは正直遠いです。また、秋田市に向かうバスもありません。バスは鷹ノ巣経由の大館行きのみのため、これら以外の都市に向かう場合は、鷹ノ巣からJRを利用することになります。
そのため、移動はレンタカーをおススメするのですが、私のようにペーパードライバーな方もいるかなと思い、アクセスを以下に書いておきます。
719便 | 721便 | 723便 | |
---|---|---|---|
大館能代空港着 | 10:05 | 13:40 | 17:40 |
バス・空港発 | 10:20 | 13:55 | 17:55 |
バス・鷹ノ巣駅着 | 10:40 | 14:15 | 18:15 |
JR・鷹ノ巣駅発 | 10:54 | 14:33 | 18:41 |
JR・秋田着 | 12:26 | 16:02 | 20:09 |
鉄道の場合、秋田駅までは2時間程度かかります。また、交通費もバスと鉄道を合わせて1,810円かかりますので、時間、費用ともちょっと勿体ないなという感じになるかなと思います。
なお、721便で到着した場合、タクシーで鷹ノ巣駅まで向かえば鷹ノ巣駅14:05発、秋田着15:10着の特急に乗車することが可能です(タクシー代約2,500円)。特急料金は自由席950円かかりますが圧倒的に楽なので、合計3,500円課金するだけの価値はあるかなと思います。
対象となるホテルと注意点
対象となるホテルの一覧はこちらになります。
秋田県全体で153施設ということで、そこまで選択肢は多くありませんが、各地にバランスよく宿が設定されています。田沢湖あたりがわりかし多いかなと思います。大館能代から田沢湖メッチャ遠いですけど。
秋田市内でいえばわずか12施設ほどが対象となっています。その中ではANAクラウンプラザ秋田が対象になっているのは注目です。ANAクラウンプラザ秋田は1万円台前半くらいで宿泊が可能なので、秋田市内で宿泊する場合は候補の一つになるのかなと思います。東横インとかじゃちょっと勿体ないので…。
宿を予約する上の注意点は、割引は現地決済の場合のみとなります。宿泊施設で値引きを入れるため、事前決済ものは対象外ですので注意しましょう。
また。食事つきプランやバーのチケットが含まれるプランはOKですが、プリペイドカード、金券類など換金性の高いものが含まれるセットプランは対象外ということで、クオカード付きプランはアウトということになるでしょう。私はSFCプランにしたのでつけていませんが、ANAクラウンプラザ秋田でIHGポイントをつけようかな、なんて企んでいる人は確認しておいた方がいいかと思います(換金性は高くないので大丈夫そうな気もしますが…)
「羽田発着枠政策コンテスト」との兼ね合い
なんでこんな空港利用促進バラまきをやっているのかというと、羽田=大館能代は、「羽田発着枠コンテスト」枠として、通常の枠とは別に羽田の発着枠を持っているからです。
基本的に羽田の国内線の枠は、465枠を各航空会社に配分し、その枠の中で航空会社はある程度柔軟に運用することができます。ANAは羽田=大館能代を基本的には2往復で設定しています。
この475枠などとは別にコンテスト枠が5枠あり、地元と航空会社が連携して需要促進を図り、その取組をコンペ形式で有識者により評価された路線に割り振られます。
羽田=大館能代はこのコンテスト枠を持っているため、需要促進を空港や地元と一緒に進めているため、このような(やや過激な)キャンペーンが行われているわけです。
で、この政策コンテストに基づいて設定される枠の期限が、来年(2025年)の3月までなんです。そのため、今回の大館能代のキャンペーンは長期間に設定されています。コンペで割り振った枠の今後の扱いは未定ですが、取組が評価されなかった路線は枠が返上される可能性があるわけです。また、全路線1回返上でまた2025年以降の取り組みについてコンペとなった場合も、搭乗実績を残せた場合は認められやすいでしょう。そのため、今大館能代空港は必死なのです。
他空港も追従の可能性あり?
となると他のコンテスト枠の空港はどこか気になるかなと思いますので、一応紹介しておきます。
- 羽田=鳥取路線
- 羽田=石見路線
- 羽田=山形路線
- 羽田=大館能代路線
- 羽田=三沢路線
- 羽田=下地島路線
本来は5枠なのですが、三沢と下地島は評価点数にほとんど差がなかったため、6枠の設定となっています。これらの路線は、次年度以降の枠を考えるとキャンペーンに走る可能性はあるかなと思います。
特にありうるのが、昨年もキャンペーンをやっていた石見と、唯一の羽田便である下地島かなと思います。山形や三沢は新幹線もあるのであまり派手なキャンペーンはやりにくいでしょうし、鳥取は県庁所在市である程度需要があるので、そこまでキャンペーンが必要ない(しお金もかかる)かなと思います。
まとめ
大館能代空港が需要喚起のため、空港利用+宿泊で1万円を値引きするキャンペーンを行い始めました。長期間の設定になっているものの、ビジネス利用もOKということで、予算が明示されていないのですがもしかしたら早めになくなってしまうかもしれません。
使えるホテルが思ったより少ないなというのが感想でしたが、私もこれを使ってクラウンプラザに宿泊し、翌日は角館あたりを観光して、秋田空港から帰る予定です。正直車はあったほうがいいかなと思いますが、なくてもまぁなんとかなるかなと思い、いってくる予定です!