最近、原油価格の上昇と円安の進行におり、燃油サーチャージが異常な額まで上昇しています。日系2社では燃油サーチャージが発生しますが、海外には燃油サーチャージが発生しない航空会社もあります(国で徴収を禁止しているところもあるとか…羨ましい)。
同じ目的地に行くのであれば、燃油サーチャージが必要な航空会社と不要な航空会社であれば、不要な会社を選びたいところです。
サーチャージが気になるのは特に特典航空券発券時。そこで、今回はANAマイルやJALマイルでとれる提携航空会社のうち、現時点で燃油サーチャージが不要な航空会社をいくつか整理しておきたいと思います。
なお、サーチャージの必要・不要については都度変更があったりしますのでご注意ください。本掲載は、2022年6月1日現在のものです
目次
燃油サーチャージは特典航空券の天敵
ANAやJALの国際線特典航空券は、発券時に燃油サーチャージをとるのが原則となっています。
実は有償航空券の場合、サーチャージが上昇した場合には少し本体運賃を下げたり、サーチャージが値下がりしたらがっつり本体運賃をあげたりと、購入価格があまり変動しないように調整していたりします。しかし、特典航空券の場合、必要マイル数は変わりませんから、燃油サーチャージの増減は、そのまま我々の負担額の増減となっています。
ちなみに燃油サーチャージは2ヶ月に一回改訂されています。最近ですと、2022年6月に大幅に上昇しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ところが、JALやANAのマイルを使って特典航空券を発券する場合でも、燃油サーチャージが発生しない方法があるんです!
それが、JALやANAが提携する航空会社の特典航空券を発券するという方法です。実はJALやANAが提携する一部の航空会社では、特典航空券発券時に燃油サーチャージを徴収しない場合があります。
ちなみに、本記事は比較的初心者を対象とした、メジャー旅行先を中心とした記事としています。中級者以上の方は、他にも(私が把握しきれていない部分も)複雑なルールのもと、お得な航空会社があると思いますので、探してみたり調べてみていただければと思います。
ANAマイルの場合
ANAマイルのほうがどちらかというとサーチャージが必要な航空会社が多いようなイメージです。日本発の路線があり、比較的使いやすい会社を2社紹介しておこうと思います。
シンガポール航空
アジア方面であれば、シンガポール航空の航空券を発券する場合は燃油サーチャージが不要になっています。
例えばシンガポール往復するとして、往復ともシンガポール航空を利用した場合、マイルのほかに必要な諸税は8,800円となります。これは出入国にかかる税金や空港使用料などですね。
一方、まったく同じ日程で往復ともANA便を利用したとすると、必要マイルは同じく35,00マイルでかわりありませんが、支払額が28,910円に跳ね上がります。これ1人あたりですからね!この差が燃油サーチャージということになります。
ちなみにこのキャプチャは2022年5月にとったもので、6月1日にはサーチャージがさらに値上げしたとから、これよりもかなり高くなっていると思います。
エアカナダ
ANAマイルを使ってアメリカ大陸を目指すのであれば、エアカナダがサーチャージ不要になっています。アメリカまで行くとサーチャージだけで今後は7万円くらいかかってしまうので、サーチャージがあるのとないのとでは差が大きいと思います。
ユナイテッド航空を含めてアメリカ系の航空会社はサーチャージが不要なんですが、なぜかANAのマイルでユナイテッド航空を発券するとサーチャージががっつり取られるんですよね。これがなぜなのかよくわからんのですが、そういう運用なので仕方がないです…。
そのため、ANAマイルを使ってなるべくお得にアメリカ大陸に行きたい!という人であれば、エアカナダを検討するのがよいでしょう。現状はあまり空席がないのがネックなのですが…。
JALマイルの場合
JALマイルの場合もいくつかサーチャージ不要の航空会社がありますので、少しみていきたいと思います。
マレーシア航空
JALがアジアで提携しているのが、同じワンワールドに加盟しているマレーシア航空です。マレーシア航空も、原則としてサーチャージは現時点では不要となっています(ここはルールが変わります)
このよう成田、クアラルンプール往復に必要な諸費用は10,190円と、先ほどANAで紹介したシンガポールなどと同様、低額になっています。明細をみると、サーチャージは発生していませんでした。
マレーシア航空はルールが特殊で、日本からマレーシアに行く場合はサーチャージが発生しないのですが、マレーシアから日本にいく場合はサーチャージを徴収するというルールになっています。同一日程で完全に反対になる旅程を組むと、いきなり諸費用が33,650円に跳ね上がります。この差額が燃油サーチャージだと思ってもらえればと思います。
また、他の国からクアラルンプールを経由して東京に向かうような便を検索してみたところ、例えばシンガポール発の場合は燃油サーチャージが3,000円強発生しているなど、国によってサーチャージの金額が異なったりします。
ということは、ルール次第では東京から出発する便に対してもサーチャージが今後課される可能性があるということは、頭の片隅に入れてもらえればと思います。
エールフランス航空
JALマイルでヨーロッパに行くのであれば、エールフランスが鉄板でしょう。エールフランスはスカイチーム所属の航空会社ですが、昔からJALとエールフランスはかなり深く提携しており、パリ・シャルルドゴール空港から各地へのエールフランス便にもコードシェアしていたりします。
エールフランスは燃油サーチャージがかからないうえ、必要マイルもビジネスクラスで往復11万マイルとJALを利用するのと同数のマイルでパリに行くことができます。
あと個人的にはビジネスクラスの特典航空券が取りやすいようなきがします。私は結局コロナ前含めて使ったことはないのですが、ハイシーズンでも空席をときどきみかけます。少なくともコロナ前は、JALのパリ行きよりは取りやすい印象でした。
来年のGW、私は往復ビジネスを利用するだけのマイルがなかったため往路がロンドン(ビジネス)、復路がヘルシンキ(エコノミー)で発券していますが、もしパリ往復に必要な11万マイルがたまった段階でも空席があれば、エールフランスのビジネスクラスに乗り換えるつもりです。
ハワイアン航空
いやー、やっぱりハワイに行きたいとなればハワイアン航空ですね。
必要マイルは昔よりは上がってしまいましたが、エコノミークラスで45,000マイル、ビジネスクラスは80,000マイルです。それで、マレーシア航空やエールフランスと同様にサーチャージは発生しません。諸費用が一人あたり6,580円に収まっています。
昔はハワイアン航空の特典航空券は非常に取りやすかったのですが、今はさすがにビジネスクラスの解放が少なく、私がいろいろ検索してもエコノミーしかひっかかりませんでした。
過去にハワイアン航空のビジネスクラスにも搭乗したことがあります。個室タイプではないですがフルフラットで快適でしたよ!
海外マイルも貯めよう!
このように日系マイルの利用時にサーチャージが不要になる航空会社がありますが、海外の航空会社のマイルだと、より多くの航空会社で利用することが可能です。
特にアメリカの航空会社は、サーチャージを徴収しない場合がほとんどですね。
ANAに乗りたいならユナイテッド航空のマイル
例えばユナイテッド航空のマイルは、ユナイテッド自社で使う場合であっても、ANAなど他社の特典航空券であっても、基本的に燃油サーチャージは徴収されません。
ユナイテッド航空のマイルはANAの国内線で利用するから貯めているよ!という方もいらっしゃると思いますが、サーチャージが高い時は、スターアライアンス特典航空券として、国際線で使うのもありだと思います。
ただ、必要マイルが多めなので、ANAマイル+サーチャージ支払いの方がお得なのか、(マイルを買ってでも)ユナイテッドマイルを使った方がお得なのかは、比較してみるとよいでしょう。
ユナイテッド航空のマイルは、セゾンカードやMUFGカードが提携クレジットカードが提携カードを発行しているほか、マリオットをはじめとしたホテルのポイントを移行したり、場合によってはマイルを購入したりする方法で貯めることが可能です。
国内に提携クレジットカードがあるため、比較的、外国の航空会社の中ではためやすいマイルだと思います。
JALに乗りたいならアラスカ航空マイル
JALなどワンワールド系であれば、アラスカ航空のマイルもおススメ。アラスカ航空は2021年にワンワールドに加盟したので、JALに限らず、ワンワールド各社の特典航空券をとることが可能です。
アラスカ航空はエリア設定も日本在住の方には有利で、「アジア」という一つのゾーンとなっているため、日本からだと韓国に行こうとシンガポールに行こうと必要マイル数が同じなんです(つまり、アジア発アジア行となるんです)。
具体的には日本ー東南アジアの往復で必要なマイルは、エコノミーなら15,000マイル、ビジネスなら25,000マイルとなります。特にビジネスクラスがお得でおすすめです。その上、燃油サーチャージが発生しないのですから。
ただし、アラスカマイルを日本で貯めるのが大変なんですよね…。日本に提携クレジットカードがなく、アメックスのポイントもアラスカマイルには交換できないので、一番手っ取り早いのは、マリオットのホテルのポイントを交換していくことになるのかなと思います。
まとめ
燃油サーチャージの高騰にともない負担が増えるなか、ANAマイルやJALマイルを使って特典航空券を発券する場合にサーチャージが発生しない方法について解説してきました。
当面の間、原油高と円安は是正されそうにありませんから、燃油サーチャージの高騰した状態は続くと思います。
その場合、燃油サーチャージがかからない特典航空券の発券も視野にいれるとよいでしょう。人数が増えれば増えるほど、負担はかなり大きいですからね。
ただ、ここまで高騰するとルール変更で今は燃油サーチャージを徴収しない航空会社でも今後するようになる可能性があることには注意したほうがいいかもしれませんね。提携航空会社のサーチャージ徴収ルールは、変わることもありますし、さすがにこの値段までケロシン(飛行機燃料の素)が高くなっていると、企業努力でクッションできるレベルを超えていますので…。