マレーシア、クアラルンプール国際空港(KLIA)からクアラルンプールまでは距離があり、移動方法もいくつかあります。
その中で、2024年現在最も安い値段で移動する方法が、KLIAトランジットとMRTを活用する方法です。これは2023年にKLのMRTが新都心・プトラジャヤまで延伸したことに伴い、新たに生まれたルートになります。
このルート、バスよりも安いだけでなく、KLCCやブギビンタンなどのKLの中心部エリアに行く場合は、早さや手間という点でも、他の交通手段に比べて手間になりません。倹約旅だけでなく、早く移動したい人にもオススメなので紹介できればと思います。
目次
クアラルンプールから市内への従来のアクセス方法
クアラルンプール国際空港からクアラルンプール中心地までのアクセスは、今まではGrab、KLIAエクスプレス(トランジット)、バスの3種類が主流だったかと思います。
Grabを利用する方法
東南アジアを中心に広く普及している配車アプリのGrabは、東南アジア旅行では必須ともいえるサービスです。特にマレーシアではタクシーがメーターを使わず価格交渉になることもまだあるため、明瞭会計のGrabは旅行客の頼もしいツールとなります。
クアラルンプール国際空港とKL市内の間の料金は、現在一律で65RM(+高速代数RM)となっています。1人だと割高ですが、ホテルまでダイレクトに行けるメリットを考えれば十分お得だと思います。
KLIAエクスプレスを利用する方法
クアラルンプール国際空港とKLセントラル駅を結んでいる高速鉄道KLIAエクスプレスは、最高速度160kmを誇り、KLIA1とKLセントラル駅をわずか28分という短時間で結んでいます。
運行時間は朝の5時から深夜0時すぎまで、運行頻度は20分となっています。
料金がやや高めの55RMと、若干高めの運賃設定となっています。なお、この後紹介しますが割引切符などもあるためこちらを利用するのがよさそうです。
また、これとは別に30分に1本ほど、KLIA TRANSITという途中3か所の街に停車する列車もあります。これでも所要時間は36分と8分長く、場合によっては後続のKLIAエクスプレスに抜かれることもあります
なお、KLIAエクスプレスのチケットはインターネットサイト「KLOOK」で購入するのがお得です。このサイトで購入して発行されるQRコードは、駅でチケット等に交換する必要もなく、そのまま改札口にかざすことで乗車できます。
バスを利用する方法
クアラルンプール国際空港とKLセントラル駅の間は、鉄道だけではなくバスも運行しています。私は利用したことがないのですが、2023年末現在で運賃は15RMと、他の2つの交通手段に比べて割安になっています。所要時間は渋滞がなければ60分程度だそうです。
このように、クアラルンプール国際空港から市内に向かうには、バスを利用し、そこから公共交通機関で移動するというのが最も安い手段でした…。今までは。
MRT開業で新たに加わった「KLIAトランジット+MRT」という方法
上で紹介した3つの方法に加え、2023年に生まれた新たな方法として、KLIAトランジットとMRTを乗り継いでクアラルンプール中心部に向かう、という方法が生まれたので紹介します。
先程KLIAエクスプレスのところでちょっと紹介した、空港とKLの途中で停車をする「KLIAトランジット」を、途中駅のプトラジャヤというところまで利用し、ここでKL中心部を走っているMRTプトラジャヤ線に乗り換えるという方法です(市内→空港だと逆になります)
当然ですが鉄道なので渋滞リスクもないですし、値段も安く、市内に入れるというメリットが大きいと思います。
MRTプトラジャヤ線が通る市内エリアはこのあたりです。中心部を通るわけではないのですが、TRXからKLCC東側を抜けていきます。各駅周辺のホテルのほか、TRXからはMRT乗り換えてブギビンタンまで1駅だったりします(MRTでの乗り換えのため、料金も安い)
バスより安い!
KLIAエクスプレスの料金は割高なのですが、なぜか途中駅のプトラジャヤまでは割安な運賃設定になっており、空港とプトラジャヤの料金は9.4RMとなっています。
プトラジャヤから市内に向かうMRTの運賃も割安に設定されており、私が利用したAMPANG PARK駅(KLCCの西側。インターコンチネンタルホテル等があるエリアです)までは3.8RMです(キャッシュレス利用の場合。現金でトークン購入の場合は4.4RM)
ということで、この方法で行くと9.4+3.8=13.3RMとなり、バスでKLセントラルに向かうよりも割安で、KLの市内中心部に入ることが可能となるのです。もちろんMRTは市内中心部で他路線のMRTやLRTに乗り換えが可能なので、さまざまな場所に行くことができます。
ちなみに、乗り換えで利用するプトラジャヤは、マレーシアの新首都であり、ピンクモスクがある都市でもあります。乗り換えの途中に、Grabでピンクモスクの見学に行くなんてことも可能かと思います(Grabで10リンギット(300円)、10分くらいで行けるはずです)
所要時間
このプトラジャヤ乗り換えコースで行く場合の所要時間ですが、
- KLIA=プトラジャヤセントラル駅:17分
- プトラジャヤセントラル=中心部:約40分
と、乗車時間が約1時間となります。バスで空港とKLセントラルを結ぶ時間くらいになります。
実際はこの上にプトラジャヤでの乗り換え時間と、MRTやKLIAトランジットの待ち時間が発生します。
プトラジャヤでの乗り換えは5分もかからないですし、MRTは8~10分に1本程度の運行があるので、この二つは気にならないのですが、KLIAトランジットが30分に1本というのが少し気になるといころでしょうか。特に市内から空港に向かう場合、プトラジャヤの駅には時間を潰すところがないので、ひたすら待つということになります。
実際の所要時間は、正直タイミングにもよりますが90分みておくといいかなと思います。KLCC等を基準にすれば、KLセントラルでの乗り換え時間を考慮したバスよりも少し早いくらいの感じでしょうか。
利用におススメな場所
このルートで移動するにあたっては、目的地によってオススメする、しないというのがあります。
- KLCC周辺(特に東側)
- ティティワンサ周辺
- ブギビンタン周辺
- チャイナタウン周辺
- KLセントラル周辺
- KLCC西側~ダンワンギ方面
MRTプトラジャ線の沿線にもなるKLCC東側エリアにホテルをとってる人であれば、早さという点でもKLIAエクスプレス+LRT+徒歩より優れているかなと思います。特にインターコンチネンタルはアンパンパーク駅直結ということもありますので。その他、クラウンプラザやイビスといったホテルに宿泊される方もオススメかなと思います。
ティティワンサ駅近くにはACホテルやフェアフィールドなど、マリオット修行の聖地ともいわれるホテルがあります。こちらもプトラジャヤから乗り換えなしで行くことができますので便利です。
また、ブギビンタン周辺にも沢山のホテルがありますが、このエリアの方も、TRX駅でMRTを乗り換えて1駅になるので便利です。TRX駅では同一階の対面ホームでの乗り換えになるのも高ポイントです。ブギビンタンはKLセントラル駅からモノレールかMRTに乗り換えとなりますが、どちらも乗り換えに移動距離があるため、たとえKLIAエクスプレスを使ったとしてもそう所要時間に大差はでないかなと思います。
一方、KLセントラル周辺に行かれるのであれば、KLIAエクスプレスにしろ、バスにしろ、乗り換えなしで行けるわけですからこれらを利用するのが便利だと思います。また、KLCC西側のエリアにもたくさんのホテルがありますが、このあたりだとKLセントラルからLRTでダンワンギまでいったほうが便利かなと思います。
実際に利用してきた
それでは、実際にどのような感じで移動するのかを写真などを交えながら紹介していきたいと思います。
クアラルンプール国際空港に到着し、入管・税関を通過してArrival Hallに降り立ったら、エスカレーターや階段で一番下の階にある鉄道乗り場に向かいます。あちこちに電車のマークがありますので、これを目指していけば大丈夫です。
改札はKLIAエクスプレスとKLIAトランジットは一緒になります。切符を購入してもいいですが、VISAのコンタクトレス決済に対応していますので、切符を買わなくても対応するクレジットカードやRevolut等を持っていればそのまま改札に進みましょう。
ホームは2つあるのですが、kLIAエクスプレスとKLIAトランジットがそれぞれ単線で使用しています。KLIAトランジットはホームBからの出発となります。すでに書きましたが、KLIAトランジットは30分に1本しか走っていないので、時刻表を確認しながら時間調整をするといいかなと思います。まあ時刻表あまりアテにならないんですけど笑
KLIA駅から乗車する場合、市内と反対方向にKLIA2行きがあります。どちらも同じホームに来るので間違えて乗車しないようにしましょう。
乗車して17分でプトラジャヤ中央駅に到着します。KLIA駅からだと2つ目の停車駅になりますので、こちらで下車します。
改札は一つなので迷うことはありません。こちらの改札を抜けます。
改札を出たら、矢印にしたがって左に曲がります。
左に曲がると、すぐにMRTのマークがでてきますので、こちら階段を下りたところを左に曲がると2階にあがるエスカレーターがあります。
2階に上がるとこのように改札があります。Touch’n GOなどのICカードを持っている方は改札に進めますし、持っていない方は横にトークンの販売機がありますので、トークンを購入し、そのトークンを改札にタッチします。
ホームはこんな感じになっています。プトラジャヤ中央駅は終点となっているため、2番線から電車は発車していきます。
MRTの車内はこんな感じ。中心部と同様の車両で、座席が固いタイプなので、これがちょっと長距離移動にはネックなところでしょうか。気になる人はなるかもしれませんね。
プトラジャヤ中央駅から40分ほどでAmpang Park駅に到着します。もしブギビンタン方面に行くのであれば、3駅手前のTun Razak Exchange(TRX)駅で乗り換えが可能です。対面乗り換えになっているのでスムーズに乗り換えが可能です。
まとめ
クアラルンプール国際空港からKL中心部に最安でアクセスする方法として、プトラジャヤでKLIAトランジットとMRTプトラジャヤ線を乗り換えるという方法を紹介しました。
バスの15RMよりも安い値段で中心部にアクセスできますし、地下鉄で乗り入れますので、KLセントラルからの移動費がバスでは加算されるのに対し、こちらはたいしてされません。
時間はドアtoドアで90分程度みたほうがいいかなと思います。少し時間はかかりますが、KLセントラルの乗り換えがないので、そこは便利なのかなと思います。ぜひKLに慣れている方はこちらのルートも利用してみてはどうでしょうか。