どうも、鉄道の旅を2021年はたくさんやっていきたいと考えているissy(@y_issy24)です。
なかなか苦しい鉄道業界ですが、今回、JR西日本が、山陽新幹線や北陸新幹線(JR西エリア)を含め、2~3日間乗り放題のきっぷを発売することになりました。もともと4月に発売を発表したものの、2日後にコロナ爆発的感染拡大により急遽販売中止になったきっぷですが、第5派も落ち着いてきて、満を持しての発売です。
乗り放題きっぷといえばJR北海道、四国、九州では恒常的に販売されていますが、なかなか本州3社では発売されないので、これは注目です。
この切符、乗り放題きっぷではあるんですが、どちらかというと関西から九州への移動がかなりオトクになるきっぷですね。複数都市をめぐる場合は非常に便利なのですが、使い方にはちょっと工夫が必要かもしれませんので少し紹介したいと思います。
目次
JR西日本が「どこでもきっぷ」を発売
JR西日本が、山陽新幹線(新大阪~博多)や北陸新幹線(上越妙高~金沢)も含めて、エリア内のすべての特急を含めた自由席が乗り放題になる「どこでもきっぷ」というのを発売します。
今まで、JR西日本は2名以上で使えるフリーきっぷはあったものの、なかなか1名で使えるフリーきっぷってなかったんですよね(おそらく乗り倒し組対策だと思いますが)
ですが、今回のきっぷは1人でも使うことが可能です。このご時世、一人旅のニーズも高そうですし、大阪周辺の方はコロナの感染状況をみつつも、うまく利用したいですね。
種類は2種類
今回発売するきっぷは、JR西日本の全エリアが対象となる「JR西日本どこでもきっぷ」と、関西エリアが乗り放題になる「JR西日本関西どこでもきっぷ」の2種類があります。
この2種類の違いは、フリーきっぷのエリアと利用期間になります。
JR西日本どこでもきっぷ | JR西日本関西どこでもきっぷ | |
---|---|---|
フリーエリア | JR西日本全線(北陸新幹線・山陽新幹線含む) | JR西日本関西エリア(概ね敦賀から岡山・鳥取まで) |
2日間用ねだん | 18,000円(旅行代理店限定販売) | 10,000円 |
3日間用ねだん | 22,000円 | 設定なし |
まず「JR西日本どこでもきっぷ」は本当にJR西日本の管轄ならどこでもOKで、東は北陸新幹線の上越妙高、西は新幹線では博多まで、在来線なら下関までと非常に広いフリーエリアなのが特徴です。また、2日間用と3日間用の2種類のきっぷがあります。
「JR西日本どこでもきっぷ」の2日用はe5489でも購入できず、旅行会社のみの取り扱いとなります
それに対して「JR西日本関西どこでもきっぷ」は、JR西日本エリアのうち、関西エリアのみが乗り放題になるきっぷです。エリアは上の表で示していますが、東は福井県の敦賀、西は岡山、鳥取までがフリーエリアとなっています。また、2日間用のきっぷのみの発売となります。
発売期間・利用可能期間
「JR西日本どこでもきっぷ」と、関西エリアが乗り放題になる「JR西日本関西どこでもきっぷ」の発売期間と利用可能期間は次のとおりです。
- 発売期間:2021年10月8日~12月18日
- 利用可能期間は:10月15日~12月26日
なお、販売期間は旅行開始日の1か月前から7日前までとなっています。このチケットは当日購入などはできず、1週間前までにインターネット上で購入する必要があるということだけは注意してください。
第3セクターの利用について
JR西日本のエリアには、いくつか第3セクターの鉄道があります。
このうち、智頭急行についてはフリーエリアの対象となっていますので、追加の運賃や特急料金なしで、特急スーパーはくとなどを利用することが可能です。
あいの風とやま鉄道の高岡~富山間、IRいしかわ鉄道の金沢~津幡間は、通過利用、つまり途中下車せずに利用した場合は乗り放題の対象となります。
例えば、金沢駅から特急能登かがり火で和倉温泉に向かう場合は、金沢からIRいしかわ鉄道の金沢駅から津幡を通過し七尾線に入っていきますから、別途料金なしで利用することができます。
購入方法
今回の「JR西日本(関西)どこでもきっぷ」は、JR西日本のインターネットサービス「e5489」か、JR西日本・JR九州(福岡県・佐賀県内)管内の主な旅行会社で利用日の7日前までに購入する必要があります。
「JR西日本(関西)どこでもきっぷ」はJR西日本のインターネット列車予約での限定発売なので、駅の窓口等では発売していないことには注意が必要です。旅行にでかける前に、Webか旅行会社で予約、購入するのを忘れないようにしましょう。
e5489で予約・購⼊した場合は、JR西日本の自動券売機できっぷを発券する必要があります。なお、e5489で購入する場合、指定席券も一緒にネットで予約することが可能です。この点は、きっぷを発券後じゃないと指定席の予約ができなかったみんなの九州きっぷと違って、遠方の方でも先に座席指定が可能となっています。
おススメ利用方法
今回のきっぷ、やはり山陽新幹線を使う場合が非常にオトクになりますね。いろいろ考えてみたんですが、乗り倒し以外で山陽新幹線なしで元を取ろうとするとなかなか難しいなぁと思いました。
関西ー九州の往復で十分に元がとれる
一番オトクなのがやはり山陽新幹線を利用する場合です。
たとえば、新大阪ー博多は通常料金で片道15,000円以上かかります。割引きっぷも、各駅停車のこだまであれば7,000円台からありますが、のぞみやみずほ、さくらといった速達タイプ利用の場合、片道1万円を下回り、時間指定のないきっぷは私の知る限りはありません(あったらごめんなさい)。
それが2日間用で18,000円、3日間用で22,000円ですから、純粋に、大阪ー福岡の往復に利用するのがお得になります。
あるいは、大阪から新山口に向かい、SL列車を楽しむとかそんな旅も良さそうですね。これも十分に元を取れると思いますし、新幹線の途中下車の場合、乗車券は通しで利用できますが、特急券はその都度買わないといけないので料金がかさんでいきます。
大阪ー博多の新幹線往復の中で、新山口のほか新岩国(錦帯橋等)、広島(原爆ドーム等)、岡山(後楽園など)、姫路(姫路城)など駅近くに有名観光地がある駅で途中下車するような旅程をたてると、オトクに使いこなせると思います。
関西中心部から北陸は単純往復では元がとれない
関西から北東にある北陸に向かう場合、このきっぷはどうでしょうか。
新大阪と富山の片道はサンダーバード+北陸新幹線を利用しておよそ9,000円です。だだし、ここは席数限定ですがJR西日本の「WEB早特1」という切符を使えば片道8,000円弱まで落とすことは可能なので、割引きっぷがあればそちらの方がお得になります。まあ通常価格でも単純往復だと割引きっぷでは勝てないですね。
ちなみに、関西=金沢の単純往復では全然元がとれないので注意が必要です。まぁ在来線だけですからね…。
したがって、北陸方面は関西から単純往復ではそこまでお得ではなく、どこかに途中下車したりしないと元は取れません。また、岡山や広島など、関西より西に住んでいる方が、山陽新幹線で京都まで向かい、北陸に向かう際に向かう際にはオトクに利用できそうです。
【関西版】鳥取旅行がオトク
関西エリア2日間乗り放題で1万円の「JR西日本関西どこでもきっぷ」を関西から利用する場合であれば、鳥取旅行がおススメになると思います。
というか、2日間で周遊きっぷと言われても、そう2日間で複数の場所に行くのは難しいでしょうし、ふつうの使い方だと難しいし、元がとりにくいと思います。
その中でおススメなのが鳥取でしょうか。鳥取は途中に通常であれば別料金の智頭急行が入るため、比較的運賃が高めに設定されており、大阪ー鳥取間は、片道指定席利用で7,000円を超えます。
一応、関西と鳥取の間には「京阪神往復割引きっぷ」というのがあって、これを利用すると往復で11,250円まで割引されるのですが、1泊2日であればこちらのきっぷの方がオトクになります。
そのほかの関西からの有名観光地、白浜や城崎温泉については、大阪起点で考えればこのきっぷよりも「くろしお指定席きっぷ(前日まで購入可能)」や「こうのとりスーパー早特きっぷ(14日前までに購入が必要)」といった、片道5,000円以下のきっぷがありますので、これらのきっぷが購入可能であれば、こちらの方がオトクになります。
逆にこれらのきっぷが買えないようであれば、JR西日本関西どこでもきっぷの利用価値があると思います。
京都=白浜であれば、くろしお指定席きっぷよりもJR西日本関西どこでもきっぷの方がオトクです
総括すると、JR西日本どこでもきっぷは、基本的にはエリアの端の方にお住まいの方が、関西を超えて旅行する際に向く切符ですかね…。山陽新幹線を使えば元は比較的とれますが、乗りつぶし以外の目的で新幹線なしで元を取ろうとすると、それなりに悩みます。価格はうまく設定してきた感じですね。
JR西日本って特急の観光列車が少ないですし、JR四国や北海道と違って周遊もしにくい(単純往復になりがち)ので、ちょっと使い方が難しそうです。
まとめ
JR西日本が、山陽新幹線(新大阪~博多)や北陸新幹線(上越妙高~金沢)も含めて、エリア内のすべての特急を含めた自由席が乗り放題になる「どこでもきっぷ」というのを発売することになりました。
もともと4月に発売する予定でしたがコロナの第4派が関西を直撃し、お蔵入りになったきっぷが満を持して販売されます。
なかなか山陽新幹線が乗り放題で、1人から利用できる切符というのはなかなか珍しいのでこれは使ってみてもいいと思います。
ただし、少し検討してみてやはり山陽新幹線にどれだけ乗るかでお得度が決まってくる切符だと思いました。特に山陽新幹線を使わず単純往復で元をとれる場所はかなり限られます。途中下車して観光するにしても、2~3日用だとなかなか使い方難しいなぁと、率直に思いました。
- 山陽新幹線を活用する場合
- 大阪を「またいで」利用する場合
それならば、私はJR四国が3日間9,000円で乗り放題の「四国DC満喫きっぷ」や、JR九州が2日間15,000円(子供は2,000円!)で乗り放題の「みんなの九州きっぷ」を使って旅行をしたいなぁと思います。