これからJALのJGC修行をしようとしている方や、JALダイヤモンド・プレミア会員防衛修行を予定している人にとっては気になるニュースが入ってきました。
JALのプレミアムエコノミークラス搭乗時でもらえるFOPがクラス制になり、安い運賃の場合、区間マイルの70%の積算になったり、国際線の国内区間が一律100%換算だったものが国際線の予約クラスに応じた変更になります。
すでにANAではこれらのことは行われていたのですが、JALもANAに準拠した運賃ルールになりそうです。変更箇所を確認していきたいと思います。
目次
2020年10月からプレミアムエコノミークラスの予約クラスが2クラス制に
これはすでに昨年の秋に出ていた話ですが、2020年10月搭乗分から、JALのプレミアムエコノミークラスの予約クラスが、W、E、Rの3クラス制になります。
現在は、プレミアムエコノミーの場合、正規運賃に近い運賃はブッキングクラスW、セール運賃はブッキングクラスEとして取り扱っていますが、どちらもマイル積算率が100%となっています。
そのため、正規料金だろうと爆安セールだろうと、FOP換算100%、マイルによるビジネスクラスへのアップグレード可能など、かなり修行に使いやすい運賃でした。
ただし、パックツアーに限り予約クラスはEでも50%とする、という運用をずっと続けていました。
そのため、相対的にプレミアムエコノミークラスを利用した修行がしやすかったんですよね。
東南アジア方面は約7時間のフライトになりますから、エコノミークラスよりも圧倒的なプレミアムエコノミーは快適ですし、FOP単価も悪くないという、まさしく修行向けのシートなんです。
ちなみに、JALのプレミアムエコノミーって、ANAのプレミアムエコノミーに比べてもかなりゆとりのある造りになっているんです。ANAのプレミアムエコノミーはシートピッチが97センチなのに対し、JALのプレミアムエコノミーは107センチと、10センチも違うんですね。
それが、JALは新たにプレミアムエコノミーのブッキングクラスにRというのを設定し、従来のブッキングクラスEとチケットの取り扱いを変えてきました。
正規料金に近いのがRで、格安運賃に近いのがEになります。
2020年10月以降の、ブッキングクラスEの取り扱いは以下のとおりとなります。
2020年9月まで(E) 2020年10月から(R) |
2020年10月から(E) | |
---|---|---|
マイル積算率 | 区間マイルの100% | 区間マイルの70% |
アップグレード | 可 | 不可 |
プレミアムエコノミークラスでもRであれば従来どおり積算率は100%ですし、マイルを使ってビジネスクラスにアップグレードすることも可能です。
ただ、区間マイルの70%しかFOPが付与されないとなると、かなりFOP単価は悪化することが想定されます。
特に修行で利用される東南アジア路線の場合、積算率が70%と100%では、このように付与FOP数に大きな差がでてきます。
都市 | クラスE(70%) | クラスR(100%) |
---|---|---|
シンガポール | 7,756 | 10,736 |
クアラルンプール | 7,810 | 10,814 |
バンコク | 6,824 | 9,408 |
東南アジアの場合は、だいたい3,000FOPの差になります。これだけ差がでると、なるべくクラスRを利用したくなりますよね。
一応、現在のところ、2020年10月以降の安い運賃である「Premium Economy Special Saver」でもブッキングクラスは積算率100パーセントのRにはなっています。諸税込みで往復12万円程度ですからFOP単価的には約11、前後に沖縄をつけると単価は約8~9くらいになると思います。
ただ、順次安い運賃がEになっていけば、この単価での修行が難しくなるかもしれませんね…。
2021年2月から国際線の国内区間のマイル積算率が運賃連動型に
これも修行僧には痛い改定です。
JALの場合、国際線の前後に成田や羽田と地方空港を結ぶフライトは、国際線と一緒に予約すれば、国際線がファーストクラスの正規料金だろうと、エコノミークラスの激安チケットだろうと、区間マイルの100%(+2倍+400FOP)が付与されています。
国際線の国内区間は、離島を除けば片道5,000円程度ですから、これをつけることにより、大幅にFOP単価を下げることができていました。
この国際線の国内区間のマイル積算率が、2021年2月から、運賃連動型になります。
- 2021年1月31日まで:すべて100%
- 2021年2月1日から:運賃ルールにより30%~100%に変更へ
おそらく、エコノミークラスでは50%、プレミアムエコノミークラスでは75%になると思われます。これにより、獲得できるFOP(とマイル)が大幅に減少してしまうんですね、
では100%じゃなくなったから、国内線をつけるうまみはなくなったかというと、そういうわけでもありません。
先ほど書きました通り、国際線の国内区間は片道5,000円なので、十分お得になります。
例えば定番の沖縄ー東京を前後につけると費用は10,000円。計算は省略しますがこれにより獲得できるFOPは75%積算の場合2,956FOP、50%積算の場合1,928FOPになりますから、単価でいうとそれぞれ3.4、5.2と、まだまだ利用する価値はありそうです。
2021年以降の修行は回数修行か海外発券が定番か?
今まで紹介してきたとおり、JALのプレミアムエコノミークラスを利用した修行は、比較的安価で行うことができ、海外発券も不要で同じ海外の都市に2回行く必要もなかったことから最近人気のあった修行でしたが、どうも来年からはそこまでお得!ということにはならなそうです。
2021年以降に修行される方は、このようなルール変更も含めて考えて修行ルートを構築する必要があります。
また、JALが本格的に上級会員数のコントロールを行おうと考えてきた場合、JALカードの特典である、暦年の初回搭乗5,000FOP付与も、なくなるかもしれませんね。
JALの場合、国内でのFOP修行はファーストクラス設定路線、便が少ないことからANAに比べて難しい部分もありますし、もしかしたら、2021年以降は、男は黙って回数修行ということになるかもしれませんね。また、海外発券や海外の航空会社を利用した修行が、今以上に流行るかもしれません。
まとめ
2020年の秋以降、JALの東南アジア路線でプレミアムエコノミーを活用した修行は、新しい運賃体系や国際線国内区間の積算マイル数が減少することに伴い、獲得できるFOPも減少してしまうというニュースでした。
また、これは全く未定ではありますが、2021年から、もしかしたらJALカード会員特典である「初回搭乗5,000FOP」すら、なくなってしまうかもしれません。実際、上級会員向けの「1か月国内線のFOP2倍」というキャンペーンが1.5倍に改悪されるなど、JALも上級会員の人数のコントロールを開始したとみることもできます。
なので、海外プレミアムエコノミー修行を考えていた人は、ぜひ今年やってしまいましょう。やっちゃえJGC!