なかなかコロナが落ち着かず苦しい航空業界。決算などをみると赤字幅は縮小したものの、航空会社は今も巨額の赤字となっています。
そんな中、JALが国内線特典航空券の必要マイル数を実質的にあげてくることになりました。今まで航空会社が負担していた、空港使用料をこれからは搭乗者が負担するという仕組みに変えるというものです。
これ、ANAは1月の段階で秋から徴収するとアナウンスをしていましたが、JALも追従してきましたね。ANAが現金で徴収するのに対し、JALはマイルでの徴収となっています。少し詳しくみていきましょう。
JALの国内線特典航空券が実質値上げへ
JALの国内線特典航空券は、現在は路線に応じて片道5,000~9,000マイルのみで利用することができます。
ところが、2021年10月31日以降に発券する特典航空券から、特典航空券でも国内線旅客施設使用料(PFC:Passenger Facility Charge)分のマイルが徴収されるようになりました。
国内線旅客施設使用料というのは簡単にいえば空港利用料みたいなもので、出発・到着のどちらも特定の空港を利用する場合に徴収されるものです。
この制度自体はずっと前からあるものですが、「え、今までそんなもの払ったことないよ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。この使用料は、有償の航空券には含まれた価格で販売されていますし、特典航空券の場合は今までかかっていませんでしたが、これは航空会社が負担していたんです。
それが今後は自己負担になります。国内線特典航空券の場合、「無料」というのが大きな響きでしたが、これからは大半の路線で数百円程度の負担がでてくることになります。
適用開始日
PFC分のマイルの支払は、2021年10月31日以降に搭乗分する特典航空券から必要となります。
なので、それまでに発券したものについては、10月31日以降に出発する便でも追加で徴収されることはありませんので、ご安心ください。逆にいえば、先々の予定についても、それまでに発券しておくとよい、ということにもなります。。
料金
PFCは、すべての空港に設定されているわけではありません。主に大きい空港で設定されています。JALが就航している空港の中で、PFCの支払対象となる空港と料金は以下のとおりです。
対象空港 | 大人 |
---|---|
新千歳空港 | 270マイル |
仙台空港 | 230マイル |
成田空港 | 450マイル |
羽田空港 | 290マイル |
中部空港 | 440マイル |
伊丹空港 | 260マイル |
関西空港 | 440マイル |
北九州空港 | 100マイル |
福岡空港 | 110マイル |
那覇空港 | 120マイル |
これは出発、到着空港それぞれでかかるので、例えば羽田発那覇行の場合であれば、羽田空港のPFCがマイルと、那覇空港のPFCがマイルで、片道一人あたり410マイルの追加が発生することになります。往復だとその倍である820マイルが、特典航空券発券時に請求されることになります。
もともと、往復で15,000マイルが必要な羽田=那覇路線では、今後は15,820マイル必要ということになります。
2人、3人となると数千マイルも必要マイルが多くなりますから、ANAに比べて陸ではマイルが貯めにくいJAL陸マイラーはけっこう大変になります。
ANAは現金で徴収することが決定済
今回JALが発表したPFCの特典航空券での徴収開始ですが、既にANAが10月末からの徴収を1月の段階で発表しており、これに追従する形になっています。また、ブリティッシュエアウェイズのaviosを使ってJAL国内線特典航空券を発券する場合なんかは、以前から徴収されています。
今回のJALの対応は、ANAに追従する形とも言えます。やはり航空会社の状況の苦しさを考えれば、本来立て替え払いするものを航空会社が負担していたわけですから、こういうコストはしっかりと受益者負担になるのはわかります。
ですが、今回JALがマイルで徴収するのに対し、ANAやBAは現金で徴収しています。そして今回JALは1円1マイルの形で徴収するということで、これはちょっと残念かなと思っています。
以前にもマイルの価値に関する記事を書いていますが、1マイルの価値は1.5円~2円程度と考えている中、1マイル1円で使えというのはいささか乱暴なものではないかなと個人的には思っています。
ANAならば例えば羽田ー新千歳であれば7,500マイル+560円の支払になるところが、JALの場合、8,060マイルが引き落とされる形になってしまいます。であれば、私だったらこの路線はANAを使ってしまうかなと思います。
一方で沖縄路線のように、必要マイルそのものがJALの方が少ない路線であれば、引き続き積極的にJALマイルの利用を考えることになるかなと思っています。
追加マイルが不要な国内線特典航空券
一方で、2021年10月末以降も、追加マイルが不要になる特典航空券もあります。それが以下のものです。
- 出発地、到着地ともにPFCが不要な路線
- どこかにマイル
- おともdeマイル割引のマイルを利用した航空券
- JAL国際線特典航空券およびワンワールド特典航空券に含まれる日本国内区間
まず1は当たり前ですが、空港使用料がかからない路線は、今までどおりのマイル数で旅行することが可能です。かなりマイナーな路線のみにはなりますが…。
次に、往復6,000マイルで4か所の目的地候補の中からどこかに行くことができるという「どこかにマイル」を利用する場合も、追加マイルは不要です。目的地決まってから、「あなたは〇〇路線なので追加で〇マイル払ってください」ということはないので、安心してください。
3つ目は最近あまり使われていませんが、おともdeマイルという、2~4人で同一行程をともにする際、1人目が往復10,000マイル、2人目以降は往復25,000円ほど(羽田=新千歳など)を利用した場合で、これも追加マイルは不要です。
最後が国際線特典航空券の国内区間。まぁこれは実質国際線扱いなので、これにも追加でかかることはありません。というか外国の方が怒りそう(笑)
まとめ
JALが2021年10月末から、特典航空券発券時にPFC相当額のマイルを追加徴収することが発表されますか。利用路線にもよりますが、一人1区間あたり片道数百マイルの負担が増えることになりそうです。
往復だと1,000マイル、家族など複数人だと数千マイルが追加で必要になりますので、ちょっと負担が大きくなりそうですね。これを克服するには、それ以上にガンガンJALマイルを貯めていくしかありません。
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