2020年の羽田空港国際線拡張に伴い、羽田空港からはこれまでよりもたくさんの航空機が海外に向けて出発することになります。1日あたり50便の大幅増便となり、このうちJALには11.5枠+深夜0.5枠の、あわせて12枠が割り当てられました。
今回、その12枠を使ってJALがどの都市に就航させるかが発表されましたので、前置きは置いておいて、さっそく紹介したいと思います。
目次
羽田空港国際線のJAL割当は12枠増加
羽田空港はいわゆる「都心上空ルート」の運用などにより、2020年から国際線の離発着数を毎日50回増加させることが決まっており、2019年9月に、JALには11.5+深夜枠0.5枠の割り振りが決まりました。
この割り振りは就航国ごとに決まっており、今回の深夜枠を含めた12枠については、以下のとおり決定しています。
- アメリカ:6枠
- 中国:2枠
- ロシア:1枠
- オーストラリア:1枠
- インド:1枠(昼間0.5+深夜0.5)
- フィンランド:1枠
これらの枠の中で、就航する都市については、日本の航空会社では基本的には航空会社に委ねられています。国交省とは調整はしているんでしょうけど。(アメリカやオーストラリアの航空会社は就航希望路線を提出し、日本でいう国土交通省が審査して決定しました)。
今回、この12枠を使った就航都市をJALが発表しましたので、順に紹介したいと思います。
【プレスリリース】
アメリカの就航路線
- シカゴ(移管・成田便は一時運休)
- ダラス・フォートワース(移管・成田便は運休)
- ロサンゼルス(新規)
- ニューヨーク(移管・成田便は運休)
- ホノルル 2便(移管・成田便は2便運休)
アメリカではロサンゼルスに新規に就航するとともに、成田発着のシカゴ、ダラス・フォートワース、ニューヨークにホノルル行き4便のうち2便を成田空港から移管します。
シカゴは一度成田便が運休となりますが、2021年から運行を再開する予定になっています。
シカゴ、ロサンゼルス、ホノルル 、ダラスの4都市については、新設・移管はさておき、おおむね予想通りの部分はありますが、ニューヨーク便の移管、つまり成田=ニューヨーク便の運休は意外でした。
アメリカ東海岸と東南アジアの間は、距離が長すぎて直行便が就航していませんので、JALは中期計画で北米・東南アジア乗り継ぎ需要を取り込むとしていました。特に東海岸は東南アジアとの直行便が距離的に難しいため、ニューヨークは残すと思っていたんですけどね。
就航ダイヤ
今回発表された、羽田ーアメリカ路線の就航ダイヤは以下のとおりとなります。
【羽田-シカゴ線】
- 羽田11:45発→シカゴ09:30着
- シカゴ12:25発→羽田15:35着(翌日)
【羽田-ダラス・フォートワース線】
- 羽田10:55発→シカゴ08:25着
- シカゴ10:55発→羽田14:20着(翌日)
【羽田-ニューヨーク線】
- 羽田18:30発→ニューヨーク18:25着
- ニューヨーク01:30発→羽田04:45着(翌日)
【羽田-ロサンゼルス線】
- 羽田17:00発→ロサンゼルス10:50着
- ロサンゼルス13:45発→羽田17:20着(翌日)
【羽田-ホノルル線】
- 羽田21:00発→ホノルル9:20着
- 羽田21:55発→ホノルル10:15着
- ホノルル12:05発→羽田15:50着(翌日)
- ホノルル15:45発→羽田19:30着(翌日)
こうみると、新規路線のロサンゼルスは成田=ロサンゼルスとほぼ同じ時間で運航になっています。そのほかの移管便については、ニューヨーク便のニューヨーク発を除けば、既存の時間をそのままベースにしていますね。
使用機材
今回発表された、羽田ーアメリカ路線の使用機材は以下のとおりとなります。
- ロサンゼルス:ボーイング777-300ER
- シカゴ:ボーイング777-300ER(変更なし)
- ニューヨーク:ボーイング777-300ER(変更なし)
- ダラス:ボーイング787-9(変更なし)
- ホノルル(2便とも):ボーイング787-9(変更なし)
移管の5便は機材に変更がなく、成田空港で使用していた機材を、そのまま羽田空港にもってきます。
新たに就航する羽田=ロサンゼルスにはファーストクラスのあるボーイング777-300ERを使用しますが、成田空港で使用していた機材を投入し、成田=ロサンゼルスはボーイング787-8(SS化機材)に変更します。
中国の就航路線
- 上海浦東(増便)
- 大連(新規)
中国は需要の多い上海線の増便のほか、大連に新規就航します。ここは成田空港からの移管ではなく、純粋な新規路線となります。
就航ダイヤや仕様機材などは減じていでは未定となっており、追って発表されるということです。
ロシアの就航路線
- モスクワ(移管・成田便は運休)
大国ロシアの首都、モスクワ便が羽田空港発着に移管されます。ここは移管であることも含め、大方の予想通りでしょう。
また、羽田空港への移管と合わせて、モスクワの空港も、従来のドモジェドボ空港から、シェレメチェボ空港に変更となります。これにより、ロシア最大の航空会社であるアエロフロート・ロシア航空との共同運航便を開始します。モスクワ経由でロシア国内の移動が便利になりますね!
就航ダイヤ
今回発表された、羽田ーモスクワ路線の就航ダイヤは以下のとおりとなります。
- 羽田10:45発→モスクワ14:55着
- モスクワ16:35発→羽田7:55(翌日)
羽田を昼にでてモスクワを夕方に到着、モスクワを夜に出発して羽田に昼に着くという、従来の成田モスクワ便を踏襲したダイヤになっています。
使用機材
今回発表された、羽田ーモスクワ路線の使用機材はボーイング787-8で成田便から機材変更はありません。SS化された機材ですが、プレミアムエコノミーの設定はありません。
オーストラリア
- シドニー(移管・成田便は運休)
最初、メルボルンを移管するという噂もちょっと聞いたのですが、最終的に公表されたのはシドニーでした。カンタス航空とANAが羽田=シドニー便を運航していますからね。
就航ダイヤ
今回発表された、羽田ーシドニー路線の就航ダイヤは以下のとおりとなります。
- 羽田19:20発→シドニー7:10着(翌日)
- シドニー9:15発→羽田17:15着
羽田を夜にでてシドニーが翌朝に到着、午前のうちにシドニーを出発して夕方に羽田に到着するという、従来の成田シドニー便を踏襲したダイヤになっています。
使用機材
今回発表された、羽田ーシドニー路線の使用機材は、現行の成田ーシドニーと同じくボーイング787-9(SS9機材)となり、機材変更はありません。
インド
- デリー(移管・成田便は運休)
ここはまぁ予想通りのデリー移管でしたね。新たに成田=ベンガルール便を運航しますので、その分デリーは羽田で運航ということでしょうか。
就航ダイヤ
今回発表された、羽田ーデリー路線の就航ダイヤは以下のとおりとなります。
- 羽田10:55発→デリー17:00着
- デリー19:30発→羽田6:55着(翌日)
羽田を午前のうちにでてデリーには夕方に到着、デリーを夜に出発して羽田に朝に着くという、従来の成田ヘルシンキ便を踏襲したダイヤになっています。
使用機材
今回発表された、羽田=デリー路線の使用機材は、現行の成田=デリーと同じくボーイング787-9(SS9Ⅱ機材)となります。
フィンランド
- ヘルシンキ(移管・成田便は運休)
ここはまぁ予想通りのヘルシンキ移管でしたね。すでにフィンエアーも羽田就航を表明するとともに、成田空港にも便を残すということで、
就航ダイヤ
今回発表された、羽田ーヘルシンキ路線の就航ダイヤは以下のとおりとなります。
- 羽田10:50発→ヘルシンキ15:00着
- ヘルシンキ17:25発→羽田8:55着(翌日)
羽田を午前中に出発しヘルシンキには午後に到着、ヘルシンキを夕方に出発して羽田に朝に着くという、従来の成田ヘルシンキ便を踏襲したダイヤになっています。
フィンエアーの羽田=ヘルシンキは羽田を深夜に出発するスケジュールですから、うまくすみわけができたというイメージです。
使用機材
今回発表された、羽田=ヘルシンキ路線の使用機材は、現行の成田=ヘルシンキと同じくボーイング787-9(SS9機材)となります。
移管対象便予約者は原則羽田便に振り替え
今回、成田空港から羽田空港発着に移管され、成田便が運休になる便をすでに予約している人は、原則として羽田便に振り替えとなります。
順次JALからメールなどで連絡がきますので、羽田発着への変更を了承する場合はWebで変更を「了承する」とし、乗り継ぎなどで了承できない場合は、払戻手続きをすることになります。この場合の払戻手数料はかかりません。
羽田=ロサンゼルス特典航空券開放は11月26日から
今回新たに羽田空港への就航が発表された12便のうち、成田空港から移管される9便を除く3便については、新規に航空券の販売を開始します。
といっても、中国便の2便は追って発売スケジュールを発表するということなので、実質的に新たに販売するのは羽田=ロサンゼルス便のみとなります。
この羽田=ロサンゼルスの予約開始は11月26日14時になっています。
ということはですね、この時間をもって、特典航空券が一度に開放されるということです。
貯めたJALマイル、なかなか希望の日程で取れずに使い道に困っている人も多いかと思いますが、この機会にロサンゼルスにいこうと思っている方は、特典航空券を狙ってみてもよいと思います。
今後の成田空港の増便はどうなる?
今回、羽田空港の機能強化によりJALは12便ほど羽田空港から新たに就航しますが、先ほどから紹介しているととおり、シカゴ、ロサンゼルスと中国の2便以外の8便は羽田空港に移管され、運休することが決まっています。
つまり、これだけの枠があくということで、その分、成田空港から別の路線への開設が期待されています。
すでにJALは成田空港からロシアのウラジオストク、インドのベンガルール、アメリカのサンフランシスコ及びグアムへの就航が決まっています。
ただ、これでも後4枠があいた状態になっています。2020年からバンコクとソウルにJALの国際線LCCであるZIPAIRが就航するので、これで成田空港のJALグループでの減便は2便にあります。
一方、パイロット不足やJALに関していえば機材不足もあるため、数便の減少はやむを得ないところだと思います。パイロットもそうですが、8.10ペーパーで投資制限されたいから、機材買えてないし…。
それでも、もう少し増便を期待したいところではありますね。マイアミとか(いつも言っている)。
まとめ
JALが羽田空港から新たにシカゴ、ダラス、ロサンゼルス、ホノルル、モスクワ、ヘルシンキ、シドニ、大連ーへ就航することになりました。
おおむね予想でしたが、個人的には成田=ニューヨークが運休になるのはびっくりしました。北米と東南アジアの接続強化を中期計画でいっていたので、うまく成田空港を使うものだと思っていたので。
今回の羽田新規路線はほとんどが成田空港からの移管のため、新規に航空券の予約が開始されても、特典航空券の開放は絶望的ですね。唯一、ロサンゼルス便が期待できるところです。
まあ、羽田空港からJALがたくさんの路線が就航されるのは便利なことです。私は成田空港大好き人間ではありますので、両者が発展していいけばいいなぁと思います。
こんにちは
成田派の私も羽田への移管は寂しい限りです…
国際線は断然成田派!ですので。
ニューヨーク運休はびっくりでしたね…
絶対戻って来て欲しいです。
どれだけ羽田へ移管されようと、今後も成田を使い続けます。