コロナが終わらずなかなか海外旅行に行けないため、国際線の情報など最近あまりウォッチしていなかったのですが、JALの国際線エコノミークラスにおいて、一部の座席では座席指定をするのに有料になるというニュースを聞きました。
ANAが先行して導入しており、非常に不評な国際線座席事前サービスという名の座席有料化。ANAは非常口座席のほか、前方の窓側、通路側を軒並み有料化し、前方席は3人かけの真ん中しか無料にならならいというとんでもないサービス。JAL導入でどうなるかと戦々恐々としていました。
とはいえ、結論からすると先行しているANAに比べれば、JALの影響は微々たるものでした。本記事では有料になる時期や有料となるエリア、そして座席指定が今までどおり無料になる方法についてまとめたいと思います。
目次
2020年12月からJAL国際線エコノミークラス非常口座席が有料化
JALは2020年12月から、国際線エコノミークラスの一部運賃(予約クラス)を対象に、非常口座席など、他のエコノミークラスの座席に比べて比較的快適な座席を有料で指定することができるサービスを開始します。
今まで、足元の広い非常口座席については、座席は特定の条件を満たさない限り事前指定できなかったんですが、これら非常座席も、運賃やステータスに関係なく、有料で座席を指定することが可能になるというサービスです。
一部の航空会社では、実際に非常口座席のほか、あえてエコノミークラスの前の方の席で、前後の間隔を少し広めにとり、このエリアを「コンフォートエコノミー」のような名称にし、エコノミークラスに追加料金を課して販売する例はあります。
今回のJALも、座席の配置を変えるわけではありませんが、広めの席をオプションのような形で追加料金制にするというものです。
有料事前座席指定エリアについて
今回、事前に座席指定を行うにあたり有料となるエリアについて、ボーイング787-8型機(240席仕様)の場合をイメージとして公開されました。その図がこちらです。
45列目の非常口座席のほか、各列の最初の部分(18列目)の指定に、別途費用がかかるという感じですね。あと、18列目、46列目の中央ってバルクヘッドがある席でもあるので、バルクヘッドを利用したい場合も、同様に有料で座席を確保することが可能になります。
有料事前座席指定の料金について
今回の有料事前座席指定の指定料金をまとめたものが以下の表になります。
区間 | 料金(片道) |
---|---|
日本発着=北米・欧州・ハワイ・オーストラリア・インド路線 | 10,000円 |
日本発着=東南アジア路線 | 6,000円 |
日本発着=東アジア・グアム・マニラ・ウラジオストク路線 | 4,000円 |
欧米やハワイ、オーストラリアなど、おおむね8時間以上のフライト時間になる路線については、片道あたり10,000円の追加料金が必要となります。東南アジアで6,000円、近距離で4,000円です。
これが高いか安いかといえば、最初、私は「少し高いかなぁ」と思いました。というのも、同じサービスを実施しているANAの場合、欧米路線でも座席指定料金は5,500円となっているため、ほぼ倍の料金設定です。
とはいえ、長身・細身の人間からすれば、非常口座席はプレミアムエコノミークラスよりも快適なんですよね。私事で恐縮ですが、身長180cm以上、体重は「最近まで」60キロ台前半だったので、エコノミーでも横の幅は気にならないのですが、前後については、少し姿勢を崩すと膝が前の座席についてしまうので大変なんです。
そう考えると、やっぱりプレミアムエコノミーよりも快適だと思う部分もあり、それを考えれば、非常口座席であれば、この料金設定はやむを得ないと思います。
無料で非常口座席を指定できるパターン
今回、このように人気のある前方の通路側や窓側、非常口座席については座席指定料金がかかることになりますが、いくつかのパターンでは無料ですべての座席を指定する方法があります。
JAL上級会員は無料で指定可能
JALの最上級会員であるダイヤモンド会員のほか、上級会員であるサファイア、クリスタル会員、そしてJGC会員であれば、座席の指定が無料で可能となっています。
もともとJALの場合、非公式の話ではあったのですが、座席指定時、非常口座席などは、上級会員にしか解放されていなかったんですね。JGC以上の事実上の「隠れサービス」だったわけです。
これは、私(上級会員)と妻(非上級会員)が同時に予約画面に入った時のスクリーンショットなのですが、このように、同じ日程で上級会員としてログインした場合と、ログインせずに座席指定に進んだ場合を比べてみると、45Hの席が、上級会員としてログインした場合は表示されるのに対し、ログインしない場合は選ぶことができないようになっています。
このサービス自体は今後も残ります。
つまり、今まで上級会員にしか解放していなかった座席を、有料で一般会員にも開放する、というのが今回のサービスなんです。なので、JGC以上の方にとっては、一般会員が有料で座席を押さえるという新規参入あるものの、基本的には今まで同様に無料で指定できますので、そう大きなデメリットはありません。
また、同行者1名の指定可能となりますので、上級会員と同じ日程で旅行する場合は、会員でない方は会員の方と一緒に発券してもらいましょう(笑)
高額なエコノミークラスのチケットは無料で指定可能
これは当たり前といえば当たり前ですが、ブッキングクラスYという正規料金のチケットをもっている場合は、従来通り、非常口座席の指定が可能となります。そりゃ、サクララウンジが使えるブッキングクラスですから…。
特典航空券の場合も有料に
ANAの場合、国際線特典航空券については、従来どおり非常口座席を含めたすべての席の指定が無料で可能なんですが、JALの場合は特典航空券でも座席指定料金が必要です。
ここは上級会員ではないJALマイラーとしてはマイナスポイントになるでしょう。
ANAとの比較
先行してANAは2019年から有料座席指定サービスを導入していますが、ANAとJALではどのように違うのか、比較をしておきたいと思います。
JAL | ANA | |
---|---|---|
指定の範囲 | 非常口座席、バルクヘッド席 | 非常口座席、前方窓側、通路側 |
料金 | 4,000円~10,000円 | 4,500円~5,500円 (非常口座席) |
無料指定可能ステータス | JMBダイヤモンド、JGP、サファイア、クリスタル、JGC | AMCダイヤモンド、プラチナ |
特典航空券 | 対象 | 対象外 |
一番異なるのは有料座席指定の範囲です。
ANAに関しては、非常口座席のみならず、前方窓側、通路側の黄色い部分まで指定するのに有料なんですよ。これ、かなり範囲広いですよね。前方の3人かけの真ん中に飛び込む人はそうそういないと思うので、みんな後方の座席を指定することになると思います。
AMCダイヤモンド・プラチナ会員であれば無料で有料座席も指定できるのですが、SFC会員では指定できないので、もうANAは座席指定で金をもうける感じですよね…。
これを知っているので、JALが有料指定導入!というニュースを聞いたときは、コロナの影響もあって少しでも収益確保しようと、ANAと同等くらいの座席指定料金とってくるかと思ったのですよ。もともとJAL追従はないなと思っていたので、ニュースを聞いたときは、コロナの影響かなと思ったので。
結果として、下手なプレミアムエコノミーより快適になる非常口座席のみの有料化、それもJGCであればひきつづき無料ということであれば、非常にありがたいです。JALがんばってほしい。
まとめ
JAL国際線エコノミークラスで、非常口座席など一部の座席する際に有料となるというニュースがありましたのでお伝えしました。人気の非常口座席を指定する場合は、最大で10,000円の座席指定料金がかかってしまいます。
JALの場合、ANAと違って特典航空券の場合でも座席指定料金がかかってしまうのは注意が必要です。
とはいえ、ANAが前方窓側、通路側の席まで有料指定にしたことに比べれば、JALは非常口座席のみ有料ということで、明らかに長距離では非常口座席が楽(個人的にはプレミアムエコノミーより楽だと思っています)ですから、これはまぁしょうがないと思います。
また、ANAの場合はダイヤモンド、プラチナ会員のみ有料座席も無料で指定できましたが、JALの場合は、ダイヤモンド、サファイア会員のほか、JGC会員でも非常口座席の指定をすることが可能です。
つまり、もともと座席指定できなかった平会員に対し、有料での指定が可能になったというだけですので、上級会員へのデメリットは、(有料組が参入してくること以外は)かわりはないと思います。
最初はANA追従もあるかなと思ってましたが、意外とそう変わらないサービスだったので、JALユーザーとしてはよかったです。
あとは早く海外にいけるようになることを願うのみ!コロナとっとと終われ(怒