海外旅行から帰国し、入国審査が終わって預け荷物を回収してから最後に通る税関検査。
すいているときであればすんなりといくものの、混みあっているときは、あとちょっとで帰れるというのに時間がかかってしまいますよね。たかが数分ですが、早くおうちに帰りたいのにという気持ちもあるので、意外とストレスになることもあると思います。
その税関検査ですが、2019年4月15日から、顔認証を活用した電子申告ゲートというのができます。これにより、対面でやっていた審査が自動化され、スムーズに制限エリアから外に出ることができるようになります。
税関審査の電子申告システムとは
従来、日本に入国する際は、入国審査が終わった後、預け荷物がある人はそれをピックアップしたうえで、最後に税関検査を受けてから制限エリアを抜けて、帰宅・あるいは次の目的地に向かうことになりますよね。
税関検査は対面で実施され、パスポートと「携帯品・別送品申告書」を提出し、質問を受け、場合によってはスーツケースを空けて荷物のチェックがなされた後、クリアすれば無事に空港の外に出ることができます。
この税関検査、到着便が集中すると意外と時間がかかったりしますよね。入国審査については日本人と外国人は列が別でしたし、そもそも日本人は原則顔認証による入国審査となったためあまり並ぶことはありませんが、税関審査は日本人も外国人も同じレーンで審査を受けるため、混雑にまきこまれることもあります。
この時間を短縮するため、新たに電子申告ゲートというものを作るということです。これを作ることにより、顔写真と認証することにより、対面での審査を省略することが可能となるのです。
あくまで、電子申告ゲートの利用が「可能」となるということで、今までどおり対面による審査でも可能です。スマートフォンを持っていないとか、子連れとか、写真データをサーバに入れたくないなど、様々な事情で制約はありますので。
利用に必要なもの
電子申告システムの利用に必要なものは、専用のアプリになります。そのアプリはさっそく税関からリリースされています。
- iPhoneの方はこちらかどうぞ(APP STOREにリンクします)
- Androidの方はこちらからどうぞ(Google Playにリンクします)
このアプリは、今まで、日本入国時に飛行機の機内で書いていた「携帯品・別送品申告書」を電子的に提出するために必要なものです。
つまり、今まで紙で書いていた申告書を、アプリに入力するものとなります。
利用できるターミナル
今回、税関検査の電子申告ゲートが設置されるのは、成田空港の第3ターミナルとなります。
当面は成田第3ターミナルのみで実証実験を行うので、これ以外のターミナルでは、従来通り、対面による審査になります。
今後、成田空港の他のターミナルや羽田空港、関西国際空港、中部国際空港などにも2020年にかけて展開していく予定です。
2019年4月現在、成田空港第3ターミナルを利用している国際線就航航空会社は以下のとおりです。
- ジェットスター・ジャパン
- Spring JAPAN
- バニラエア
- ジェットスター航空
- チェジュ航空
なので、これら5つの航空会社を使って成田空港に到着する場合、電子申告ゲートを利用することができます。
利用できる人
今回導入されるシステムですが、当面は日本人のみが利用可能ですが、運用が安定し次第、外国人も利用できるようになるとのことです。
また、このシステムを利用できるのは、機器の都合上、身長が100㎝以上の方に限ります。したがって、身長100cm未満の子連れの方などは、今までどおり、税関職員による対面の審査が必要となります。
実際の利用の流れ
では、実際にこのシステムを使った入国手続きはどうなるのかというのを、東京税関のホームページに書かれている内容をもとに説明していきたいと思います。
流れとしては以下の通りです。
- アプリをダウンロード
- アプリで申告内容を登録し、QRコードを作成
- 2で作成したQRコードとパスポートを使って審査
- 預け荷物をピックアップ
- 電子申告ゲートで顔認証が行われて制限エリアから出る
まずは、先ほど説明したアプリを使って、今まで紙で行っていた申告内容を入力し、最終的にその情報が入ったQRコードを作成します。なので、通常帰りの飛行機の機内で配られる「携帯品・別送品申告書」は記載しなくてよいことになります。
それが終わったら、空港の税関審査場にある電子審査端末を使って手続きを行います。
この申告は、預け荷物が出てくる前に行うことができるのがポイントです。預け荷物がでてくるまでの時間って意外とけっこうあったりしますよね?その時間で手続きをすることができるのは、大きなポイントですよね。
この機械で申請内容を登録すると、顔写真の撮影が行われることになります。
電子申告端末及び電子申告ゲートの顔認証カメラで撮影した顔写真は、本人との同一性の確認を行うために使用するものであり、本人確認及び顔認証後(ゲート通過後)は自動的に削除されます。
機械での申告が終了すれば、あとは荷物をもって自動申告ゲートを通過するだけです。先ほど、審査端末でとった写真の情報と、このゲートのカメラで撮った写真が照合できれば、審査済みということでゲートが開くという仕組みになっています。
まとめ
成田空港第3ターミナルで、税関審査が対面方式から事前にアプリで申請書を作成し、顔認証のシステムなども駆使したハイテクなものにかわることになりました。
当面は実験ということですが、オリンピック前には主要空港はこの仕組みになるようです。入国審査の後の税関審査がスムーズになるのは非常にありがたいですよね。
さて、成田空港では2020年のオリンピックに備え、出国手続きを顔認証で行い、「顔パス」で飛行機に乗れる仕組みを導入しようとしています。こちらの記事もぜひご覧いただければと思います。