ニューヨークを2日間堪能した私たちは、帰りの飛行機がワシントンD.C.からの便となっているため、ニューヨークから移動しました。
この記事では、ニューヨークからワシントンへの移動方法の比較と、実際に私がニューヨークからワシントンまでアムトラックで移動したレポートの記事となります。
目次
【前回までの記事はこちら】
ニューヨークからワシントンへの移動手段
アメリカの経済のニューヨークから政治の中心ワシントンD.C.までの距離はおよそ350キロ。この2つの都市を移動する方法は、大きくわけて飛行機、鉄道、バスの3つの方法があります。
飛行機
広いアメリカ大陸、国内移動でも大活躍です。ニューヨークのラガーディア空港から、ワシントンのドナルドレーガン空港までのあいだにフライトが多数飛んでいます。(このほか、JFK空港からワシントンのドナルドレーガン空港やダレス空港にもフライトがあります)
フライトの所用時間は1時間程度ですが、アメリカの厳しい保安検査や空港と中心部までの移動時間を考えると、そこまでスピードのメリットはないと思っています。
運賃も100ドル以上することもザラですが、日本からアメリカへの航空券にうまく周遊でくっつけることができれば、コスト面では非常に優位になります。
鉄道
アメリカは日本のように高速鉄道が頻繁に走っていない地域が多いのですが、東海岸のボストン〜ニューヨーク〜ワシントン間は、高速鉄道が頻繁に走っています。
ニューヨークのペンシルペニア駅から、ワシントンのユニオン駅までは、速達タイプのアセラで3時間、通常タイプでおよそ3.5時間でワシントンに到着することが可能です。東海道新幹線のように頻繁に走っているわけではありませんが、通常タイプであれば1時間に1~2本程度走っていますので、十分に利用する価値があると思います。
お値段は片道最安49ドル。東京~名古屋が約1万円であることを考えれば、お得感もあるのではないでしょうか。
高速バス
アメリカは高速バスも充実しており、ニューヨークからワシントンまでも高速バスが複数運行してるようです。
時間は4.5~5時間程度とかなりかかりますが、価格はなんと片道で10ドルを切ることもあるとか!350キロの移動としては、ちょっと考えられない金額ですよねー。
さらに高速バスにもトイレ付、Wi-fi搭載、コンセント付きなど、日本の格安の観光バスよりもかなりよい環境になっているようです。
今回はアムトラックを選択した理由
今回アムトラックを選択した理由ですが、所要時間と価格のバランスということでしょうか。やはり空港までいかなくて、ニューヨーク・ペンシルぺニア駅とワシントン・ユニオン駅を結んでくれるというのは非常に楽です。
かといって、いくら安いとはいえ、バスの4.5時間はちょっと長いですし、鉄道ならば食堂車に移動したり気分転換もできますし、今回は60代の母親を連れての旅行ですので、やはり体に負担が少ない方法をとりたいなと思い、鉄道にしました。あとは純粋に海外の鉄道に乗ってみたかったからというのもあります。
アムトラックは事前にインターネットで手配しておこう
今回、アムトラックの手配は事前にインターネットで行いました。アムトラックは、当日駅で切符を購入することも可能ですが、事前購入で割引もあるので、やはりインターネットで購入することをお勧めします。出発335日前からインターネットで購入することが可能です。
アムトラック公式HPには日本語の表記はありませんが、直感的な操作でチケットを予約することができますから、英語が苦手な方でもそんなに苦労しないと思います。JR東日本の割引新幹線「トクだ値」を発券するよりもはるかに楽です(笑)
【amtrakホームページはこちらになります】
ルートや日程・人数を入力
トップページにいきなりデカデカとBOOK TICKETSとあるので非常にわかりやすいですね。ここで、片道(one-way)か往復(round-trip)か、出発地と目的地、日にち、人数を選択、入力していきます。
今回、私は当初予約したおおり、ニューヨークから片道のチケットを予約する形で画面を作りました。出発地(from)はNYと入力すると勝手に予測変換ででてきます。同様に目的地(to)のワシントンも、WASと入力すれば予測変換ででてきます。
入力、選択が終了したら、右下のFIND TRAINSをクリックします。
運賃形態は大きく分けて3形態あり
アムトラックは、飛行機などと同じように、安いけれども払い戻し不可の運賃、やや高いけれども一定の条件で変更やキャンセルが可能な運賃、そして払い戻しが可能な運賃の3パターンがあります。
- SAVER運賃:払い戻し不可
- VALUE運賃:一定の条件で払い戻し・変更可能
- FLEXIBLE運賃:払い戻し変更が自由
これらの3つの運賃のうち最も安いSAVER運賃は、最安でニューヨーク・ワシントン間は49ドルで購入することも可能です。なお、SAVER運賃の中でも、チケットの売行きにより時間により値段が異なったりします。(実際、私が購入したのはSAVER料金でしたが、希望の時間帯は軒並み100ドル以上の運賃となっていました…)
ニューヨーク・ワシントン間には2種類の特急がある
ニューヨークとワシントンの間には、2酒類の特急があります。高速タイプのアセラと、普通のアムトラックです。もちろん、アセラの方が少し高いのですが、所用時間は30分程度短くなります。
こちらは高速タイプのアセラ。所要時間は2時間53分と、3時間を切ってます。ただし、運賃は高めで、もっとも安いタイプであるSAVERでも130ドルします。
こちらがその5分後に出発する普通のアムトラックです。所要時間が3時間23分と30分ほど長くなりますが、最も安い運賃では、片道49ドルとなっています。これはかなり安いですね。
どちらを選ぶかですが、ここまで値段差があれば個人的には普通のアムトラックで十分かなと思います。アセラに乗ったことがないので比較はできませんが、後ろのレポートにあるとおり、アムトラックでも日本の新幹線の普通席や国内線クラスJよりも座席に余裕があって快適です。
便と運賃タイプを決めたら、運賃左の〇にチェックを入れ、ADD TO CARTをクリックします。
オプションなどを設定してチケット購入
便を決めてADD TO CARTをクリックしたらオプションの設定になります。
まずはペットが同伴かどうか。基本的にここはNoだと思いますのでとっとと進みたいと思います。このほか、車両や運賃タイプによっては、自転車の持ち込みなども可能なようです。
次に利用者登録の画面に進みます。このスクショの上にはメンバー登録のものもあるのですが、メンバー登録しなくてもチケットを発券することは可能です。
1点だけ注意するのが、画面にも書き込んでおきましたが、アメリカorカナダの電話を持っているかのところにデフォルトでチェックが入ってますのでここのチェックをとるようにしてください。チェックをとると、国番号から電話を登録することが可能です。
最後に保険のお誘いです。チケット1枚あたり9ドルで、チケットをなくした場合の再発行や、事故によって該当列車に乗れなかった場合の補償がつくようです。私はもちろんNoにしました。Noにすると”Your trip is NOT protected”とか赤い文字ででてくるんですけどね(笑)
後は支払い画面になりますので、クレジットカードの情報を入力していきます。
最後に住所などを入力します。この入力後、REVIEWのボタンを押して確認画面に行き、PURCHASEのボタンを押せば購入は終了です。
決済が終了すると入力したメールアドレスにPDFファイルつきのメールが届きます。このPDFファイルがチケットとなります。例えば、私のように2人分を一緒に申し込んでも、チケットは1枚になります。
実際に乗車するとき、PDFファイル左上のQRコードを車内で車掌さんが読み込みますので、これを忘れずに持っていきましょう。
実際の搭乗レポート
ここからは、実際に私たちがニューヨークからワシントンに鉄道で向かった際のレポートを書いていきたいと思います。私たちが乗車したのは2018年7月15日、日曜日のニューヨーク発ワシントン行きのアムトラックです。
ペンステーションに到着
朝、タイムズスクエアから32丁目にあるペンステーションまでは歩いていけない距離でもないですし、スーツケースを転がして地下鉄に乗るのも大変だと思い歩くことも考えましたが、やはり便利なUberを利用しました。
ニューヨークのUberにはUber Poolという、乗り合いの代わりに非常に安く移動できる仕組みがあるのでこれで向かいました。タイムズスクエアから4.61ドルでしたから、2人であることを考えると地下鉄より安く、かつ広いペンステーションのアムトラック乗り場の前で止めてくれました。
地下に入るとこのように案内板があります。写真が暗くてちょっと見にくいのですが、この裏側はアムトラック乗車する人専用の休憩所になっています。一応、入り口でチケットの保有の確認をしています。
回りにはハーゲンダッツやピザハット、ケンタッキーなどのファストフード店などがあったり、売店があったりしますので、軽食を買い込むことも可能です。
アムトラックの注意点ですが、出発するホームは直前まで決まらないことが多いんですね!なので、みなさんここで出発ホームが決まるまで待っています。
さて、私たちが乗る151便は、早々と入線するホームが決まったため案内がでました。実は私はこのとき写真を撮りにプラプラしていたたため、待合スペースに戻り、母をピックアップしてから並んだため、かなり後ろの方になってしまいました…。
なお、アムトラックに乗るまでに改札はありません。この列の先にあるのはエスカレーターで、これを降りるとホームになります。
アムトラックに乗車
アムトラックはBussiness Class以外は自由席のため、エスカレーターを下ったら後は“Coach Class”と書いてある車両に乗り込んで、自分の座りたい席に座ればOKです。このように、入口に”Coach Class”と記載があります。
座席は2-2の配置で、日本の新幹線よりも余裕のある作りになっていますので、非常に快適です。座りごこちはね。座席のリクライニングも可能ですし、座席にも重厚感、厚みがあります。
ちなみに私は一番後ろの席に座ったため、リクライニングできなかったのですが…。
車内はWi-fiも通じているので、このような素晴らしいブログを読むことだって可能です(自分で言うなw)。もちろん、書くことだって可能です。ただし、回線速度は非常に低かったため、せっかく書いたブログの記事がアップロードされないという事態にも遭遇しました(もちろんHTMLをテキストで念のため保存していたので大丈夫なのですが)
各車両の端には、このようにスーツケースを置くスペースがあります。が、逆にいうとこれしかスペースがないため、もしここに入らない場合、スーツケースを座席の上の棚にあげる必要があります。
そのため、ホームが決まったらとっととホームに降りる列に並び、なるべく早く乗車することをおすすめします。
ワシントンDCに向けて出発
9:05に定刻に発車しました。乗った感想ですが、とにかく揺れます。揺れるので、乗り物に弱い方であれば、もしかしたらよい止め薬を飲んでから乗車した方がいいかもしれません。
出発すると車掌さんが検札に来ますので、プリントアウトしたQRコードを提示します。今回、母親はシニア料金で乗っていたのでパスポートをすぐに出せるようにしておくように伝えましたが、特に提示は不要でした。
今回はアセラではなく普通のアムトラックですので、途中複数の駅にとまっていきます。最初にハドソン川を越えたニューアークに泊まり、4つ目には、ニューヨークとワシントンの間では最大都市のフィラデルフィアの駅にとまりました。ここまで1時間とちょっとの時間です。
一部の都市を除き、基本的には林の中を突っ切っていくことになりますので車窓の見どころはそれほどありません。なお、私は今回ソフトバンクのアメリカ放題を利用していたのでSprintに接続していましたが、途中で圏外になる場所もありました。
日本の電車のように車内販売のワゴンは回りませんが、車両の中間地点には食堂車もありました。簡単な料理やスナック、飲み物などが販売されています。
- ソフトドリンク各種:3ドル前後
- アルコールドリンク(ワイン・ビールなど):8ドル前後
- スナック:3~5ドル程度
- 軽食:9ドル
また、長距離電車なのでトイレが1~2両に1か所あります。ペーパーや手洗い場もあり、衛生状態もそこまで悪くはなさそうです。
ワシントンDC(ユニオンステーション)に到着
ニューヨークを出発して3時間半、定刻どおりの12:39にワシントンDCの玄関口、ユニオン駅に到着しました。先人たちのブログでは早着したなんて話もありましたが、今回は全ての駅を定刻通りに発車しています。途中の駅で長時間5分以上止まっていましたが、定刻になったら出発したので、基本的にダイヤどおり運行しているのでしょう。
終着駅だとこのような写真が撮れるのがいいですね。やはり終着駅は趣き深いです。
ユニオン駅はニューヨークのようなごみごみ感もなく、そして駅がとてもスタイリッシュなものになっています。アーチ状の窓がかっこいいですよね。
駅の美しさに感動したのは、ミラノ中央駅以来だと思います。
ユニオン駅の外観がこちら。さて、それではホテルに向かいます。UBERも駅までちゃんと入ってこれますので、非常に便利ですね。
まとめ
ニューヨークからワシントンDCまで、鉄道で移動してみました。3時間半かかりますが、飛行機と比べた際、空港への移動、チェックイン、保安検査、到着、荷物のピックアップ、市内への移動…と考えると、時間的にはほぼ同じくらいなのかなと思います。少し飛行機の方が早いくらいでしょう。
確かに私は鉄道で3時間以上なら間違いなく飛行機を選択しますが(神戸や青森なら間違いなく飛行機でいきます)、アメリカの場合国内線でもめんどくさそうなので、今回は鉄道にしました。よかったと思っています。
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