スペインのバルセロナから1時間のところに、ローマ遺跡を残す世界遺産、タラゴナという街があります。バルセロナからのショートトリップとしていくのにいい感じのところです。
2024年のGWにバルセロナに訪れた際、タラゴナまで足を延ばしてみました。前々から行きたいと思っていたのですが、バルセロナとはまた違う田舎の街の美しさや芸術的な古代の橋などを楽しむことができました。
皆さんにもぜひ訪れてほしく、今回は、そんなタラゴナの見どころとアクセスについて紹介できればと思います。
タラゴナとは
タラゴナとは、スペイン・カタルーニャ州にある小さい街です。バルセロナからは南西に約100キロ離れた地中海沿いにあり、鉄道で1時間強で訪れることが可能な街です。
古代ローマ時代は「Tarraco(タラコ)」と呼ばれて繁栄し、その頃の遺跡が今でも街にはしっかりと残っています。この後見どころを紹介しますが、地中海を背にした円形競技場、中心部にどんと構えるカテドラル、そして郊外にある圧巻の水道橋の3つがタラゴナを代表する風景といえるでしょう。
この小さい街ですが、これらのローマ時代の遺跡が残っているということで、ユネスコの世界遺産に認定されています。芸術と建築の街であり、大都会であるバルセロナとはまた違う趣のある小都市で、スペインでローマ風建築等を見れる数少ない場所なので、おススメの観光地でもあります。私も2009年にバルセロナいったときに行ってみたいなと思っていたのですが行けず、15年越しの訪問となりました。
バルセロナからは鉄道で乗り換えなしで1時間強、観光地はコンパクトにまとまっているということで、個人でバルセロナを訪れた方も非常にショートトリップとして行きやすいところだと思います。朝から観光に行けば、2時頃にはバルセロナに戻って来れます。
タラゴナへのアクセス
バルセロナからタラゴナへのアクセスは基本的には鉄道(在来線快速Renfe)を利用することになります。自力でいくショートトリップでは時間のほかアクセスの本数も気になるところですが、1時間あたり1本から2本の運行があるので、そこそこの利便性も確保されています。乗り換えも不要なので安心です。
7:54発 8:24発 8:54発 9:54発 10:54発 11:24発 11:54発・・・
電車の行先はタラゴナからさらに先に行くので、駅でいっても便がわからないと思いますから、基本的にはGoogle Mapで検索して便を決めていくのがよいかなと思います。今回は朝8:24発のRenfeを利用しました。
バルセロナ側の起点は、最大のターミナル駅のサンツ駅か、グラシア通りにあるパセジダグラシア駅になります。ホテルはパセジダグラシア駅近くに取っている方も多いかと思うので、徒歩圏内以外の方はまずは地下鉄で向かうことになります。
地下の自動券売機で切符を購入します。ふつうは操作して買うのですが、窓口に操作を手伝ってくれる人がいたので、「タラゴーナ、リターンチケット、プリーズ」と言って買ってもらっちゃいました(笑)ということででてきたのが往復チケット。14ユーロでした。
【チケットの買い方等については、以下の記事で予習していきました】
ホームでしばらく待つと、乗る予定の鉄道がやってきました。
なお、タラゴナにはスペインの誇る新幹線AVEの駅もあるのですが、在来線のタラゴナ駅からは約10キロ離れたところにあります。一応2つの駅を繋ぐバスはあるようですが、タラゴナ側のバス停は駅から徒歩15分以上離れたところですし、絶対AVEに乗りたい!という人でなければ在来線の利用をお勧めします。
快速列車の車内はこんな感じ。ボックス席が中心になっています。私が乗ったときは、あまり混雑はしていませんでした。十分座れます。
列車は海岸線を中心に走っていきますので景色もいいです。進行方向左側に座ると海が見えます。
私がいったときは、先行列車が遅れていて詰まった上、途中の駅で乗っていた車両のドアがちゃんと閉まらないトラブルもあり、タラゴナまで2時間かかってしまいましたが無事に到着しました。
タラゴナの3つの見どころを紹介
タラゴナはそんなに大きな街ではないので、コンパクトに見所を回ることができます。主な見どころは3箇所で、うち2つは徒歩で回ることができます。最後に紹介するラス・ファレラス水道橋が最大の見どころですが、ここはタクシー利用がベターかなと思います。
実際に私が回った順番に紹介できればと思います。
コロッセオ
まずはコロッセオに向かいましょう。こちらはタラゴナの駅をでて右に進み、坂を登って行ったところにあります。上り坂ではありますが、駅からは歩いて10分もかかりません。
坂がちょっと長くて疲れてしまうところもあるのですが、途中には、「地中海のバルコニー」とも呼ばれる絶景があります。こちらで少し休憩するのもよいかなと思います。
がんばって少し歩くと、コロッセオの上にでます。
さすがにローマのコロッセオと比較してしまうと小さいものですが、それでも収容規模は当時14,000人もあったとか。なかなか保存状態もよいです。バックに地中海があるのもまた美しいですよね。
あと、写真みてもらうとわかるとおり、世界遺産でありながらややマイナーな観光地ということもあり、空いているのもポイントです。
入場料(確か5ユーロくらいだった)を支払ってコロッセオの中に入ることが可能です。
ローマのコロッセオは下の方まで降りられなかったはずですが、タラゴナのコロッセオは下に降り立つことも可能です。当時の建築の様子をまじまじと見ることができ、興味深かったです。最初にも触れましたが、なかなか遺跡の保存状態もいいので、昔どんな感じだったのかが想像つきやすいです。
ただ、観客席にあたる部分への立ち入りはできない感じでした。そこはちょっと残念。天気もよかったのでゆっくり座ってぼけーっとしたかったのですが。
カテドラル
カテドラルはコロッセオから歩いて15分程度のところにあります。少しわかりにくいので、ここはgoogle mapを頼って移動しました。
カテドラルの周辺はいわゆる旧市街エリアで、お土産物屋さんなんかもあったりします。時間があればゆっくりお店などを眺めてもいいかなと思います。私は電車の到着が遅れたせいでこの辺のか観光はカットしてしまったのですが…。
タラゴナのカテドラルは、12世紀から200年以上かけて建てられたそうです。そんなわけで非常に立派な建物ですね。私は中に入る時間までなかったので外観のみの観光にしましたが、本当に堂々としていて、形も美しいなと見とれてしまいました。
ちなみに、カテドラルの内部正面には「最後の審判」が彫刻されているそうで、中庭回廊の裏側にはローマ人が造った壁がそのまま残っているようです。この辺も時間のある方はぜひみていっていかれてはどうでしょうか。
ラス・ファレラス水道橋
ラス・ファレラス水道橋は、 別名「悪魔の橋Pont del Diable」とも呼ばれる橋で、地中海沿いということで雨の少ないタラゴナに水を運ぶために 1世紀に作られたものです。
現在も長さ217メートル、高さ27メートルの部分が残っており、アーチは2段に分かれています。当時はセメントなんてないわけで、2000年に作られた橋が現存しているといあのがすごいですよね。
実際行きましたけど、駐車場からゴツゴツした道を5分ほど歩いていって開けたところに突如見えてくる水道橋は圧巻でした。
また、2段アーチの上はこのように歩けるようになっています。景色もいいのでとても気持ちよいですよね。ここに上がる場合は、舗装されていないところを上っていく必要があるので、正直ヒールだとしんどいかなと思います。
水道橋の場所はタラゴナの中心部から少し距離があります。そのため、基本的にタクシーの利用がオススメです。一応バスもあるみたいなのですが、特に帰りのバスは一度遠くに行ってから戻るような感じなのでおすすめしません。私も断念しました。
そして、水道橋にタクシーを呼ぶのが困難になるため、タラゴナ中心部で捕まえたタクシーに乗ったら、駐車場で見学中に待っててもらうのがよいでしょう。
その間もメーターは回りますが、それでも往復で30ユーロくらいではおさまると思います。水道橋をみて写真を取って、上まで登って少し歩いて引き返す程度なので、それほど観光に時間はかからないと思います。
まとめ
スペイン・バルセロナから鉄道で1時間強のところにある小都市、タラゴナに半日観光をしてきたので紹介させていただきました。
バルセロナに数泊滞在する場合、バルセロナも見どころはいっぱいありますが、それでもちょっと違うところ見たいなという風に思うかなと思います。その場合、モンセラットの修道院かタラゴナが候補にあがると思いますが、今回タラゴナいってイタリア旅行が印象に残っている自分にはよかったなと思いました。もちろん今度バルセロナにいく機会があったらモンセラットもいってみたいと思います(高所恐怖症なのでちょっと辛いけど)。