ニューヨークの旅行、特にはじめての旅行では、まずは有名な観光地を巡る方が多いのかなと思います。
ニューヨークは世界中から多くの観光客が訪れるため、どの観光地も混雑します。そのとき便利なのが、New York City Pass(ニューヨークシティパス)と呼ばれる、ニューヨークでも特に主要な観光地に入ることができるチケットです。
今回、私がはじめてのニューヨーク旅行でニューヨークシティパスを使ってみましたので、実際に使った目線で、メリット・デメリットを紹介できればと思います。
目次
ニューヨークシティパスとは?
ニューヨークシティパスとは、ニューヨークの主要な観光地6箇所に入場することが可能なチケットです。これを持っていれば、対象となる観光地でその都度チケットを購入する必要がなくなくなる上に、各施設でチケットを購入するよりも、最大で42%割引となります。
なかなか破壊力のあるチケットですよね。
後ほど紹介しますが、チケットの購入は不要でも、当日現地でシティパスから入場券への交換が必要な施設もあります。
ニューヨークシティパスで入場できる施設
まずは気になるのが利用できる施設ですよね?ニューヨークシティパスで入場できる施設は、以下の6箇所になります。
- メトロポリタン美術館
- ニューヨーク自然史美術館
- エンパイアメントステートビル展望台
- トップオブザロック(ロックフェラーセンター)展望台 または ゲッヘンハイム美術館
- リバリティー島、エリス島へのフェリー または クルーズ
- 9.11メモリアル またはイントレピッド海上航空宇宙博物館
このうち、1〜3までは決まっており、4〜6まではどちらか一つを選んで入場することが可能です。
リストをみてどうでしょう。どれもニューヨークを代表するメジャーな観光地となっています。はじめてニューヨークに行かれる方であれば、けっこう行く人も多い場所ですし、ニューヨークの観光ガイドブックでも大きく取り上げられている施設が多いですね。
ニューヨークシティパスの値段と有効期限
まずは気になるニューヨークシティパスのお値段から。ニューヨークシティパスの金額は2018年8月現在、
- 大人:127ドル
- 子供(6歳から17歳):105ドル
となっています。実はHPの画面では126ドルとなっていますが、購入時に手数料が1ドルかかるのでこの金額になります。古いネット上の記事だと大人122ドルなどと書いてあるものもあるので、ニューヨークシティパスは少しずつ値上がりしているようですね。
さて、「6つの施設で127ドルだとちょっと高いんじゃないの?」と思う方も多いかもしれませんが、ニューヨークの観光地の入場料は総じて高いんですね。
施設名 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
メトロポリタン美術館 | 大人25ドル、こども12ドル | |
ニューヨーク自然史美術館 | 大人28ドル、こども22ドル | |
エンパイアステートビル展望台 | 大人、こども共に53.25ドル | 昼夜2回入場可能 |
グッゲンハイム美術館 | 大人25ドル、こども18ドル | |
トップオブザロック展望台 | 大人、こども共に36ドル | |
自由の女神&エリス島 | 大人、こども共に18.5ドル | |
サークルライン観光クルーズ | 大人、こども共に37ドル | |
9.11メモリアル | 大人24ドル、こども15~20ドル | |
イントレピッド海上航空宇宙博物館 | 大人33ドル、こども24~33ドル |
今回ニューヨークシティパスの対象となる9施設の入場料がこちらです。このように、施設によっては30ドル以上するところも多いため、6施設で127ドルであれば、十分おとくなパスであるということが言えるでしょう。
もう一つ気になるのがパスの有効期限です。ニューヨークシティパスの有効期限は、最初に施設を利用してから9日間となります。始めての旅行でニューヨークを訪れる方は4~6泊程度でしょうか。それであれば、特に期限を気にする必要はないですね。
ニューヨークシティパスはWebで購入可能
ニューヨークシティパスの購入は、インターネット経由が一番早いです。もちろん現地でも購入は可能ですが、手間を省くためのチケットを購入するのに、手間をかけて並ぶのは時間が勿体無いですよね。
【ニューヨークシティパスの公式サイトはこちら】
公式サイトはこちらになりますので、こちらから購入します。日本語のサイトこそはないものの、感覚的に簡単に購入することが可能です。英語が苦手な私でも簡単に買えましたから大丈夫です!
購入すると、すぐに登録したメールアドレスにQRコードが発行されます。これをそのまま現地で提示してもいいですし、紙にプリントアウトして持ち歩いても大丈夫です。
ニューヨークパス(New York PASS)との違い
ニューヨークシティパスと似た名前で、New York Pass(ニューヨークパス)というものがあります。シティが入っているかいないかだけで混同しやすいのですが、この2つはかなり異なるものです。大きく分けて、
- 入場可能な施設が違う
- 金額がパスの有効日数により異なる
となります。
まず、シティパスでは対象施設9つのうち6箇所に入場することができるパスですが、ニューヨークパスでは約100箇所の施設となり、それも全ての施設に入場することが可能となっています。
入場できる施設の一覧はこちらです。例えばニューヨークシティパスにない施設で有名な施設やアトラクションとしては
- ニューヨーク近代美術館(MOMA)
- マダム・ラッソー蝋人形館
- ブルックリンミュージアム
- The Ride
などが挙げられます。そのほかにも、例えば下記のような、さまざまなオプショナルツアーにも参加できます(まぁ、どれも英語でしょうけど)
- ヤンキースタジアムツアー
- ブルックリンブリッジの徒歩観光ツアー
- セントラルパーク徒歩観光ツアー
このニューヨークパスですが、料金は利用する日数によって異なるものとなります。その料金が以下の表の通りとなります。
おとな | こども | |
---|---|---|
1日券 | 127ドル | 94ドル |
2日券 | 179ドル | 149ドル |
3日券 | 199ドル | 154ドル |
5日券 | 242ドル | 174ドル |
7日券 | 272ドル | 187ドル |
10日券 | 319ドル | 199ドル |
1日券、2日券はかなり割高です。3日券からは普通に観光しても元が取れる価格設定になってくるのではないかな、と思います。基本は5日券を購入でしょうか。
どうでしょう。ニューヨークパスはかなりボリューミーですよね?個人的には、短期で初めてのニューヨークであればニューヨークシティパス、2回目以降や、初めてでも4日以上ニューヨークにいたり、美術館巡りを中心とした旅行にするのであれば、ニューヨークパスの方がいいのかな、と思ったりもします。
ニューヨークシティパスのメリット
ニューヨークシティパスを利用するメリットは、大きくわけて以下の2つかなぁと思います。
金銭的にお得というメリット
ニューヨークシティパスのメリットは、何よりも割安に観光地を回ることが可能なことだと思います。
例えば、最も高い施設を使っていった場合がこのパターンになります。
- エンパイアステートビル
- アメリカ自然史博物館
- メトロポリタン美術館
- トップオブザロック展望台
- サークルライン観光クルーズ
- イントレピッド海上航空宇宙博物館
この場合、個別にチケットを手配すると215.45ドルとなりますので、約40%ほど安くなります。この後触れますが、自由の女神の台座や王冠に入るには個別手配が必要なため、自由の女神を自分で手配する方だとこのような組み合わせになるのではないでしょうか。
旅行プランを立てやすいというメリット
また、ニューヨークに初めていく人にとっては、ニューヨークシティパスを使うことによって観光コースを作ることができると思います。私は今回母親を連れてのニューヨークだったので、とりあえず自由の女神には行きたいとかいうのはあったのですが、どこに連れていくかはけっこう悩んでいたんですね。
そんなとき、このパスを使って回っていくと、ニューヨークの有名な観光地を巡ることができるので、非常に役立ちました。「自由の女神とウォール街に行くから、その足で9.11メモリアルも行くか」とか、「ホテルからロックフェラーセンターが近いから、チェックインして体力が残っていたらトップ・オブ・ザ・ロックに行くか」など、スケジュールを立てる上で非常に便利でした。
ニューヨークシティパスのデメリット
ニューヨークシティパスにはメリットもありますが、使い方によっては必ずしも購入がお得にならないケースもあります。それが以下のようなパターンでしょうか。
自由の女神の王冠や台座までいくことができない
ニューヨークシティパス購入のデメリットの一つに、人気施設である自由の女神までのフェリーに台座や王冠までのチケットが含まれていないというのがあります。一応、台座までは当日空きがあればシティパスで発行することは可能ですが、行ってみなければわからないのはイヤですよね?)
これについてはそのとおりで、どうすることもできません。台座や王冠に入りたい方は、個別に公式サイトから購入してください。
【自由の女神の公式サイトはこちら】
ただ、これを個別に手配することによって、パスの料金よりも利用施設の料金が下回ることもありますことにはご注意ください。
もちろん、自由の女神と同じグループに入っているクルーズで使えば十分もとは取れますが、ニューヨークの短期の滞在の場合、自由の女神とクルーズの両方をやろうとすると、半日以上つぶれてしまいます。
他の観光地やお土産を買う時間が削られてしまうのでクルーズは行かないとなって、残り5つの施設のうち4つ程度にしか行かない場合、組み合わせによってはパスの定価よりも個別に手配した場合の方が安くなる可能性もあります。
金銭的なデメリットは美術館の定額制施行により低下
そのほか、「ニューヨークシティパスは元がとれない」という意見をネットでみかけます。その際気をつけてほしいのは、ニューヨークの美術館の入場料は、寄付制から一律25ドルに変わったことです。
今までは、寄付制でしたので目安としての25ドルはあったものの、もっと安く入ることも実際としては可能でした。そのため、ぶっちゃけ1ドルで美術館に入ってしまえば、ニューヨークシティパスは全然お得にならないということになっていましたし、そのような理由でオススメしない記事なんかもあったりします。
したがって、現在はコスト面においても、ニューヨークシティパスの価値は高いというか、2018年3月以降は実質的に上がっているんです。
美術館巡りをしたい人にはニューヨークパスがおススメ
ニューヨークはアートの街。多くの美術館があります。もしニューヨークを訪れるにあたり、美術館巡りをしたいとい方であれば、MOMAなども対象施設に含まれている、ニューヨークシティパスの方がお得かもしれません。
実際にニューヨークシティパスを使ってみました!
今回2018年7月に、わたくしがニューヨークに初上陸した際、シティパスを使って観光しましたので、その概要をお伝えしたいと思います。
ちなみに私は、3日間(初日は夜到着)で、以下の5か所を訪れました。
- トップオブザロック
- 自由の女神
- 9.11メモリアル
- メトロポリタン美術館
- エンパイアステートビル
時間がなくて自然史美術館には行けなかったのですが、2日ちょっとで5か所を回ることができました。これら5か所の入場料を合計すると140.5ドルとなりますから、ニューヨークシティパス127ドルと比べても、なんとか元は取れたかなというのが感想です。
1日目夜:トップ・オブ・ザ・ロック
ニューヨークへは成田を夕方発の飛行機で向かったため、所要時間と時差で相殺され、現地到着も夕方になります。タイムズスクエアのホテルに入ったのは20時ごろでしたので、とりあえず最初に夜景をみようと思い、ホテルからも徒歩圏内にあるトップ・オブ・ザ・ロックに向かいました。
トップ・オブ・ザ・ロックは時間指定制の施設のため、ニューヨークシティパスを持っていてもそのままふらっと展望台に行けるわけではなく、ビルの地下一階のチケット売り場に設置されている機械でエレベーターで登る時間の指定を受けることになります。
トップ・オブ・ザ・ロックは、ロックフェラーセンターのGEビルの屋上の展望施設です。NYの夜景でエンパイアステートビルがきれいに見れるという意味でも、非常にお勧めできる場所になります。初日に上って個人的には非常によかったと思っています。
2日目午前:自由の女神
自由の女神には二日目の午前中に向かいました。やはりニューヨークを象徴する観光地ですので、非常に混み合います。
自由の女神では、ニューヨークシティパスを保有していても、チケットへの交換が必要になります。最寄りのSouth Ferry駅から向かっていき、こちらのキャスタルでチケットに交換します。基本的にはチケットを購入する人と同じ列になります。
私たちは9時過ぎにここに到着し、乗ったフェリーは10:00発のものでした。ちなみに戻ってきたときはそれ以上に行列ができていましたので、やはり朝早くにいくのがよいですね。
船で徐々に自由の女神像に近づいていくととても感動ものです。「ニューヨークに来た」感がしますね。そしてリバティ島に上陸し、島を1周しました。
さらにこの船は、エリス島に立ち寄って移民博物館も鑑賞することができるのですが、私たちは時間がないためパスしました。
2日目昼:9.11メモリアル
自由の女神に引き続き、ロウアーマンハッタンにある9.11メモリアルにいってきました。9.11同時多発テロに関する展示物が多数あり、思っていた以上に充実しているミュージアムです。
当時は大学受験を控えており(歳がバレますね(笑))、予備校から帰ってきて最初にテレビ画面をみたときは、映画でもみてるのかと思ったくらい最初は何が起こったのか理解できなかったのを今でも覚えています。
こちらはチケットの引き換えは不要で、入り口でプリントアウトしたニューヨークシティパスをみせるとそのまま進むように指示され、入り口のところでQRコードを読み取って入場しました。
3日目朝:メトロポリタン美術館
世界4大美術館の一つでもあるメトロポリタン美術館も人気の美術館ですので、朝早い時間から回りました。オープンが10時からなので、9:40頃に到着し、列に並びましたね。早く行った甲斐もあり、落ち着いてゆったりとみることがができました。
ニューヨークシティパスでも専用入口などはなく、一般と入り口は同じになります。建物の中に入って荷物検査を受けた後、建物内にある機械にQRコードを読ませ、チケットへの引き換えて、こちらを見せて入場することになります。朝早いせいか、機械はすぐに使うことができました。
なんといってもコレクションが豊富なメトロポリタン美術館。古代から近代まで様々なアートが展示されています。個人的にはベタで恐縮ですが、アムステルダム美術館に行って以来フェルメールが好きなのでとても満足しました。
3日目午後:エンパイアステートビル
エンパイアステートビルは、昼のニューヨークをみるために、あえて昼間に登りました。初日にトップオブザロックに登ってニューヨークの夜景を楽しんだので、こちらは昼かなぁと思いまして。
:ニューヨークシティパスでは、エンパイアステートビルに昼と夜の二階登ることが可能です。特にトップオブザロックを選ばず、ゲッヘンハイムを選択された方は、昼と夜の二階登ることをお勧めします。
入場に際しては現地でのチケットへの交換は不要で、そのままエレベーターに向かうことになります。建物2階の保安検査の先にチケット販売があるのですが、こちらには並ばず、先にどんどん進んでいって大丈夫です。私はトップ・オブ・ザ・ロックのようにエレベーターの時間指定があると思って並んだのですが、その必要はありませんでした。
昼のニューヨークを地上86階から見下ろすととても気持ちいいですね。北側にはタイムズスクエアやおととい上ったGEビルディングが、南側はワンワールドセンタービルや自由の女神まで望むことができます。この写真でも右上に小さく自由の女神が写っていますね。
まとめ:初めてのニューヨークならニューヨークパスの購入はお勧めできます
私自身も使ってみての感想ですが、やはり初めてのニューヨークを効率よく観光するためには、ニューヨークシティパスの利用をオススメします。
美術館が寄付制から入場料制に変わったことに伴い、金銭的にもお得になる場合が増えましたし、旅行の行程も、これらの施設を中心に回ればニューヨークの基本的な観光地を抑えることができますから、プラスアルファで行きたい場所を考えていくのがよいのではないでしょうか?
自由の女神の台座に入れない、MOMAが含まれていないなどのデメリットはありますが、うまく利用すればお得に行動できると思います!
ニューヨークシティパスも各施設の入場料も、どんどん値上がりしてます。使うなら早いほうがいいですね(笑)
10年前は74ドルでした。その当時はMoMAも含まれていましたが、9/11メモリアルに押し出された格好かも?過去3回くらい購入しましたが、いつも交換窓口が一番空いているMoMAから引き換えてました。
たとえ元がとれなくても、チケット購入の長蛇の列に並ばなくていいのが最大のメリットです!
ルカさん
コメントありがとうございます!
どんどんニューヨークシティパスは値上がりしてるんですね!そしてMOMAも使えたとか。
やはり並ばなくていいのが一番楽ですね。どうしても自由の女神だけは並ばないと行けないのがキツイですが…。