「ANAのマイルをクレジットカードで貯めたい」、「ANAの上級会員になってSFCを取得したい」
このような場合、ANAのクレジットカードを作成する必要があります。数あるANAカードの中で、どれを作ればよいのかわからない場合も多いと思いますが、私がお勧めするのは、ANA VISAゴールドカードになります。
ANAの上級会員であるSFCの維持としてもマイルをためるカードとしてもバランスがよく、多くの人が保有しているこのクレジットカード。私も2017年から保有しているクレジットカードになります。
今日は、なぜANA VISAワイドゴールドカードが多くのマイラー、ステータスホルダーから支持されるかについて、紹介していきたいと思います。
目次
ANA VISAワイドゴールドカードの概要
まずは、ANA VISAワイドゴールドカードの全体的なスペックを確認してみましょう。
- カード名称:ANA VISAワイドゴールドカード
- 年会費:14,000円+税(最低9,500円+税まで減額可能)
- マイル還元率:1%(1.3%まで上昇可能)
- 国際ブランド:VISA
- カード付属電子マネー:Edy、iD
- 追加可能カード:家族カード、銀聯カード、ETCカード
- SFC資格を有すればSFCゴールドに無審査で移行可能
三井住友カードが発行するANAカード各種は、決済1,000円につき1ポイント貯まる「ワールドポイント」をANAマイルに交換する、という仕組みをとっています。
JALカードの場合はカード決済で貯まるポイントがJALマイルなのでそのまま計上されますが、ANAカードの場合、手続きなしで直接マイルが貯まるわけではありません。
ワールドポイントをANAマイルに交換する際のレートは、ANA VISAゴールドの場合、無条件で1ポイントは10マイルに交換することができます。
よって、マイル還元率(決済金額あたりのマイル付与率)は通常1%になります。1%じゃ普通じゃね?と思うかもしれませんが、使い方を工夫することにより、現実的なラインで1.3%に上昇します。
これについては、ちょっとコツが必要なので、追って説明しますね。まずはANA VISAゴールドのメリットについて説明させてください。
ANAカードのブランドでVISAかMASTERをおススメする理由は年会費が安いこと
ANAカードには、三井住友カードが発行するVISA、MASTERブランドのほか、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースなど様々な種類がありますが、三井住友カードが発行するVISAブランドとMASTERブランドの場合、2つの制度を使うことにより、カードの年会費が割り引かれるというのがあります。
それがこの二つです。
- 「マイ・ペイすリボ」
- 「Web明細サービス」
それに対して、JCBやアメックスには年会費を割引する制度がありません。これだけでも、VISAやMASTERブランドの優位性が高まりますね。
では、この2つの制度について簡単に説明していきたいと思います。
マイ・ペイすリボとは
これは、三井住友カードのリボ払いの一つである「マイ・ペイすリボ」という支払方法に設定すると、年会費が割引されるというものです。これをするだけで、ゴールドカードの場合、年会費がなんと3,500円も安くなります。
これを聞いて、「リボ払い?確かにリボにするとポイントがいっぱい貯まると聞いたことはあるけれど、どんどん支払額が貯まっていって金利もいっぱい取られる罠があるんでしょ?」と思った人もいるかもしれません。
確かに、言葉は悪いですが、「バカ正直に」リボ払いしてしまえばそのようなことになってしまいます。
ではどうするか。話は簡単で、リボ払いにしつつ、極力金利を支払わないようにしていけばいいのです。
そんなことができるのかというと簡単で、一番手っ取り早いのが、リボの支払額(最低支払額)をクレジットカードの利用限度額まで引き上げてしまう方法です。これをすれば、いくらリボ払いにしても、次の支払いで全額請求にあがってきます。実質的には1回払いと同じです。
ただし、2021年からは、年に1度はリボ払いの金利手数料を支払わないと、割引が適用されなくなります。
ただ、マイ・ペイすリボは、毎月返済額を決めることが可能です。これが何を意味するかというと、年に1回だけ、返済額を減額し、請求額よりもちょっとだけ安くすればいいんです。そうすれば、少し金利がかかりますが、年会費を下げることが可能です。
また翌月には返済額をクレジットカード利用額の上限に戻せば、いつもどおりの1回払いになります。
Web明細サービスとは
Web明細サービスはその名の通り、明細書の郵送を行わず、Webで確認するというものです。
最近はもうクレジットカードの明細書は紙で見ず、アプリやWebサイトで確認する人も多いでしょう。というか、紙で明細書を送る場合は手数料をとるカード会社も増えてきましたしね。
これは、過去12か月で6回以上請求があった場合、年会費の割引を受けることができます。なので、初年度の割引は受けられませんが、2年目以降は条件に合致すれば年会費をさらに割引することができます。(ANA VISAワイドゴールドの場合、1,000円引き)
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なぜ、ANA VISAワイド「ゴールド」なのか
ANAカードには、一般カード、ワイドカード、ワイドゴールドカードという3ランクがあります(それ以上もありますが、年会費が高いので庶民向きではないことからここではおいておきます)。
一般カードとワイドカードでも、もらえるワールドポイントは1,000円あたり1ポイントなんですが、ワールドポイントをANAマイルに交換するときのレートが異なってきます。
先ほども触れましたが、ワイドゴールドカードの場合、ワールドポイント1ポイントあたり10マイルの交換レート、つまり還元率は1%である一方、一般カードやワイドカードの場合は、ワールドポイント1ポイントあたり5マイルの交換レートとなってしまうんです。
とはいえ、一般カードやワイドカードにもオプションがあって、「移行手数料」を払って、1ポイントあたり10マイルの交換レートにすることも可能なのですが、この移行手数料が6,000円もするのです。
今回、マイルを貯めることが前提でANAカードを作るわけですから、この移行手数料を考慮して損得を考える必要があります。その年会費比較は以下のとおりです。
【1年目】
一般 | ワイド | ワイドゴールド | |
---|---|---|---|
年会費 | 0 | 7,250 | 14,000 |
年会費(マイペイすリボ適用) | 0 | 6,275 | 10,500 |
移行手数料 | 6,000 | 6,000 | 0 |
合計 | 6,000 | 12,275 | 10,500 |
確かにカード年会費のみかけ上はワイドカードの方がお得ですが、移行手数料を勘案すれば、ワイドゴールドワイドカードよりも年会費が安くなっています。
【2年目以降】
一般 | ワイド | ワイドゴールド | |
---|---|---|---|
年会費 | 2,000 | 7,250 | 14,000 |
年会費(マイペイすリボ+Web明細適用) | 1,052 | 6,275 | 9,500 |
移行手数料 | 6,000 | 6,000 | 0 |
合計 | 8,000 | 12,275 | 9,500 |
2年目以降は、ワイドゴールドカードに限り「web明細割引」も併用することができますので、さらに年会費が安くなります。ますますワイドゴールドの優位性が高まりますね。
【2年目以降:SFC取得】
SFC | ワイドゴールドSFC | |
---|---|---|
年会費 | 10,250 | 15,000 |
年会費(マイ・ペイすリボ適用) | 9,275 | 10,500※ |
移行手数料 | 6,000 | 0 |
合計 | 15,275 | 10,500※ |
※ SFCカードで決済はしないと割り切った場合、web明細割引が適用されないため、+1,000円となる
ただし、SFC取得だけが目的でANAカードを作る場合、SFC取得後に決済を行わないのであれば、SFC取得後に普通のSFCカード(ワイドカード相当)にダウングレードする選択肢もあると思います。
決済しないのであれば移行手数料は考慮しなくてよいので、2,000円程度、維持費を圧縮することが可能です。また、家族カードを作成すると、この差は広がってきます。
ただ、その場合でも、1年目(SFC修行年)は、クレジットカードを発行の各種キャンペーンに参加するため決済する機会も多いと思うので、ワイドゴールドにした方がよいと思います。
私の話で恐縮なんですが、最近メインカードはSPGアメックスというカードを利用しています。ANAにもJALにも還元率1.25%、ブリティッシュエア等には最大で1.7%にすることができるカードです。今はキャンペーンがありますのでANA VISAゴールドを使っていますが、キャンペーンが終了したらやはり決済はSPGアメックスで行いたいと考えているので、SFC取得時にはダウングレードする予定です。
SPGアメックスの説明はこちらでしています。クレジットカードでマイルを貯めたい人、旅行好きな人にはお勧めのカードです。
SKYコインの交換レートがアップする
ANAワイドゴールドカード保有のメリットでもうひとつ忘れてはならないのは、ANAマイル→ANA SKYコインへの交換比率アップです。
これは特に、貯めたANAマイルをANA SKYコインに交換して、その原資でSFC修行で考えている人は大事な情報になってきますね。
ANA一般カードやワイドカードを保有している場合は、5万マイルをSKYコインに交換すると1.5倍となる75,000コインになりますが、ワイドゴールドカードを保有している人が交換すると、同じ5万マイルでも1.6倍の80,000コインに交換することが可能です。
マイ・ペイすリボを上手に利用して1.3%還元+αを目指す
お待たせしました。ANA VISAゴールドカードのメリットを説明し終わりましたので、ANAカードでマイルを極限まで貯めたい方向けの説明を始めます。
おさらいですが、ANA VISAゴールドを通常利用すると、1,000円あたり1ポイントのワールドポイントが貯まり、これが1ポイント=10マイルに交換できますから、還元率は1%となります。
さらにマイルの還元率を上げる方法、それもまた、「マイ・ペイすリボ」なのです。
マイ・ペイすリボに登録したうえで、1円でも金利を発生させることによって、本来獲得できるポイントと同数のボーナスポイントを獲得することができます。
つまり、1,000円あたりもらえるポイントは2ポイントというわけです。
あれ、「ポイント2倍ってことはポイント還元率は2%になるんじゃないの?」と思うかもしれません。これはちょっと説明が必要ですね。
上の画像の下の※印のところには、しれっと「通常のワールドプレゼントのポイントに加え、同じポイント数のボーナスポイントをプレゼントします」と書いてあります。
ANA VISAカードで決済した際に貯まる「ワールドポイント」は、「通常ポイント」と「ボーナスポイント」があって、1,000円あたり通常ポイント1ポイントと、ボーナスポイント1ポイントがもらえるということです。
で、通常ポイントとボーナスポイントの違いはANAマイルへの交換レート。これらの交換レートは以下のとおりとなっているんです。
- 通常ポイント:1ポイント=10マイル
- ボーナスポイント:1ポイント=3マイル
となると、1,000円あたりもらえるマイル数は13マイルとなり、還元率は1.3%になるということです。
一応、このボーナスポイントをGポイントに交換し、そこからJRキューボ、永久不滅ポイントを経由してANAマイルに交換すると、1.35%まで上昇させることは可能なのですが、手間がかなり大きいわりに、そこまで大幅に還元率が上昇するわけではないため、割愛させていただきます。
このルートを使う場合、「JQカードセゾン」と「みずほANAマイレージカード」が必要になります。
では、このボーナスポイントをいかに低額手数料で発生させるかです。先ほど書いた通り、マイ・ペイすリボの金利が発生しなくても年会費の割引は受けられますが、このボーナスポイント金利が発生しないともらうことができないのです。
具体的には、ちょっとめんどくさいのですが、毎月支払額の確定メールが届いたら、請求額に応じて支払金額を増額・減額させる設定を行う必要があります。これはVpassという三井住友カードのサイトで調整することが可能です。
ただし、増額は1,000円単位で行うことができるのに対し、減額は10,000円単位でしかできないことに注意が必要です。そのため、毎月操作する人であれば、可能な限り、基本となる設定額は低めにしておく必要があります。これは、年会費を浮かせるために年に1度だけ金利を払う人とは、逆の考え方になります。
なので、この作業は毎月必ず忘れずにやりましょう。
「具体的にいくらの支払額にすればよいのか教えてくれよ?」という話ですよね。結論からいえば、以下の金額を残金とすれば、極小(10円以下)の金利が発生します。
- 初回は1500円以上残金を残す
- 2回目からは100円以上残す
初回だけは、金利の計算の都合上、カレンダーの並びが最悪の場合を想定して1500円以上残します。支払金額の設定は1,000円単位ですから、仮に最大の2499円残すことになったとしても、手数料は最大で10円以下なので、安心してください。
また、2回目は100円以上残しておけばOKです。仮に1,099円残すことになっても、金利は10円程度なので、全然痛くありません。それだけで獲得できるマイル数が多くなるのですから。
ANA VISAゴールドカードのデメリットは発行キャンペーンが弱いこと
ここまで。ANA VISAワイドゴールドカードのメリットを延々と語ってきましたが、実は、JCBやアメックスなど、ほかのブランドのカードと比べてデメリットになる当然あります。
それは、カード入会キャンペーンがほぼないに等しいこと。
ANAカードの場合、ANAと発行会社、それぞれでクレジットカードの入会キャンペーンを行ったりします。
現在、2020年もANAカードの発行キャンペーンとしてANA側がキャンペーンを行っています。具体的には、100万円の決済で35,000マイルをもらうことができます。
ただ、カード発行会社である三井住友カードのキャンペーンはないんですね。
一方、ANA JCBカードやANA AMEXカードの場合、カード発行会社(JCBなりアメリカン・エキスプレス)が実施するキャンペーンも別途あるため、カード発行と決済で、VISAよりも大量のANAマイルをもらうことが可能です。
カード発行によってもらえるマイル数の比較
そこで、今回、2020年4月現在でもらえるマイル数の比較を行いたいと思います。
VISA | JCB | AMEX | |
---|---|---|---|
年会費(税抜) | 10,500(※1) | 14,000 | 31,000 |
獲得マイル数 | 33,000 | 65,600 | 93,000(※2) |
マイル単価 | 0.32 | 0.21 | 0.33 |
(※1)マイ・ペイすリボ設定時の年会費
(※2)友人紹介キャンペーン適用時(当サイトでは行っておりません)
条件としては、基本的にどのカードにおいても、100万円の決済を行った場合にもらえるマイル数だと思ってください。また、決済で通常貯まるポイントは除外した数値となっています(アメックスはこれを含めた数値で出すので)。
こうみると、JCBが年会費に対して獲得できるマイル数が多いなとか、アメックスは獲得できるマイル数も多いけど年会費も高いな、とか、やっぱりVISAは年会費が安いな、ということがわかります。
もちろん、VISAやJCBよりもAMEXのほうが、ゴールドカードでも特典が多かったりするので、一律に比較はできませんが、マイルの獲得とカードの維持費用という面のみでみれば比較もできるのかな、なんて思ったりします。
まとめ
陸マイラーであっても、SFC取得を考えている人も、1枚持っておきたいlクレジットカードがANA VISAゴールドカードです。
ANAマイルを貯めたい場合、目先の年会費だけではなくトータルのランニングコストをみると、一つ下のワイドカードよりもお得なことがわかっていただけたと思います。
マイ・ペイすリボと上手につきあって、マイルの獲得、維持費の縮減を行い、より効率的にマイルを稼いでいきましょう。
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