みなさん旅行に行く際、飛行機に乗ることもあろうかと思います。そのとき、以下のようなことを感じたことがないでしょうか?
- ターンテーブルから荷物がなかなか出てこない
- チェックインのビジネスクラスや、よくわからない絨毯のひいてあるエリアはすいているのに、エコノミーの列は劇こみ
- 飛行機に搭乗口、ビジネスの列の人数が異様に多い
これは、ビジネスクラス以上の客のほか、上級会員と呼ばれる人がいるからなのです。そして、世の中には変わった人もいて、上級会員になるために飛行機に乗るために飛行機に乗りまくる人がおり、その行為を「修行」といったりします。有名人でも、例えばジャニーズの異端児こと風間俊介さんが修行していたことは、「メレンゲの気持ち」や「沸騰ワード」でも紹介されていましたね。
今回は、この上級会員制度について紹介していきたいと思います。
目次
航空会社の上級会員とは
飛行機は鉄道などと違い、過去の飛行機への搭乗実績に基づき、顧客をランク分けしています。これがいわゆる上級会員制度というもので、これはJALでもANAでも、はたまた外国の航空会社でも呼び方や制度に違いはあるにせよ、行っていることです。
さらに、上級会員の中でもランクがあり、ANAやJALの場合、上級会員の中でも3ランクあります。
ランク | JALの呼び名 | ANAの呼び名 |
---|---|---|
松 | ダイヤモンド | ダイヤモンド |
竹 | サファイア | プラチナ |
梅 | クリスタル | ブロンズ |
では、上級会員になるとどのようなことが受けれるのかって話をしていきたいと思います。もちろん、クラスによって受けれるサービスは違いますが、ここでは、竹ランク(JALサファイア会員、ANAプラチナ会員)の上級会員の話をしていきたいと思います。
ちなみに、平日の東京羽田~大阪伊丹路線は、半分以上が上級会員だったりするそうです(笑)ふつうの人、新幹線使いますからね…。
上級会員で得られるメリット
上級会員のメリットはいくつかあるのですが、フルサービスキャリアならどの社でも共通な内容としては以下のようなものがあげられます。このほかにも会社独自のキャンペーンなどもあります。
1 ラウンジが使える(国内線・国際線)
航空会社は、出発前に上級会員向けやビジネスクラス利用者のために、くつろぐスペースとしてラウンジを用意しています。このラウンジはゆったりとした空間で、国内線の場合はビールやソフトドリンクとおつまみ、国際線は様々なお酒や軽食(場所によっては本格的な食事)を用意しています。これらが飲み放題、食べ放題です。
特に成田空港のJALラウンジである「サクララウンジ」は素晴らしいところです。ANAラウンジより、個人的にはJALサクララウンジのほうか上だと思います。
こちらは国際線のラウンジのビュッフェコーナーです。このラウンジは国際線にしては小さいラウンジですが、このようにビュッフェ形式で用意されているところが多いです。また、一部のラウンジはメニューがおいてあり、オーダーすると作ってくれるような場所もあります。(写真は羽田空港国際線JALラウンジアネックス)
また、シャワールームもあり、特に深夜便の場合、シャワーを浴びてさっぱりしてから飛行機に乗れます。もちろんアメニティやタオルはついていますので、手ぶらでシャワーを浴びればいいのです。(写真は羽田空港国際線JALラウンジ)
国内線のラウンジはこのような感じで、ゆったろとした椅子がおかれています。国内線のラウンジは、最上級クラスのラウンジを除き食事の提供はなく、アルコールを含めたドリンクと、簡単なおつまみが備えられている場合が多いです(写真は羽田空港サクララウンジ)
ラウンジの魅力は書くと長くなるので、別の記事で紹介したいと思います。
【成田空港国際線サクラランジ】
【羽田空港国内線サクララウンジ】
航空会社のラウンジは、国内出発空港だけでなく、乗り継ぎ空港や海外出発空港も、提携しているラウンジを使うことができます。乗り継ぎが4~5時間の場合、街にでるには時間が足りなく、免税店で時間をつぶすにはつらい場合、ラウンジで食事したり仮眠したりすることもできます。
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2 ターンテーブルから荷物が早くでてくる
飛行機を使って目的地に到着後、入国審査を終えてターンテーブルから出てくる荷物は、以下の順番になっています。
- ファーストクラス&最上級会員
- ビジネスクラス&上級会員
- プレミアムエコノミー
- エコノミー
上級会員になると、エコノミークラスでもビジネスクラスと同じタイミング(JALはビジネスより先です)でてくるのです。入国がスムーズにいった場合は、荷物がすぐに出てくるので速やかに移動できます。エコノミークラスを使っていると、「なかなか自分の荷物がでてこないなー」と思うことも多いと思いますが、それはビジネスクラス以上の荷物のほかに、エコノミークラスでも上級会員の荷物も先に出ているからなのです。
このように、上級会員になるとエコノミークラス搭乗時でも「PRIORITY」のタグがつけられるのです。荷物が早くでてくれば、それだけ現地で早く行動できますよね。
3 すいているカウンターを使える
バーコードやカードのFeliCa機能で搭乗することの多い国内線ではほとんどカウンターによることはないと思います。ただ、国際線の場合、チェックインや荷物預けでカウンターによることが多いです。国内線でも、小さい子供がいるなどして荷物が多いときなどは、どうしてもカウンターによる必要がありますよね。
この列も、エコノミー、ビジネス、上級会員とわけられています。もちろん、上級会員の列はすいていますので、長い間待つこともありません。(上級会員の列がない海外の空港では、ビジネスの列が使えます)
4 日本発の荷物検査が優先レーン通過可能
空港で荷物を預けると、出国審査の前には原則として手荷物検査があります。写真は成田空港第2ターミナルで、ちょうど大きい電光掲示板の下あたりに入口がありますが、ここ、とても混んでいるときがありますよね。並ぶときは、数十分待つときもあります…。
ムスカ様もお怒りになってしまうほど混雑する出国審査前の荷物検査ですが、実は、上級会員になると抜け道が存在するのです。
こちらはJALのものですが、先ほど上の写真の場所の横に隠し扉的な感じで存在しています。ここはビジネスクラス以上の利用者+上級会員のみが使える入口です。ここから入れば、荷物検査で長蛇の列ということも基本的にはありません(たまに、普通の列がすいている場合は、あっちのほうが早いんじゃ?と思うときもありますが…)。
ちなみにこちらは第1ターミナルのファストトラックです。堂々と目立つ所にあります。
なお、出国審査の優先レーンは、現在のところありません。とはいえ、日本人であれば自動化ゲートを使えば、それほど出国審査に時間がかかることもありません。
5 預け荷物の容量が増加する
機内への預け荷物、国際線エコノミークラスだとスーツケース23キロの壁がありますよね?これを超過すると超過料金が取られるとかとられないとか。日系は優しいので、ちょっとくらいのオーバーでは追加料金はとられないとは言いますが…。
ところが上級会員の場合、無料で預けられる荷物が一つ増えることになります。もともと、ビジネスクラスであれば、1つあたりの荷物の容量は32キロまでよいのですが、JALは上級会員になると、エコノミーでも1箱あたりの重さも32キロになっています。23キロ超えたから2つに荷物を分けて…という行為も不要になります。
クラス | JAL一般 | JAL上級 | ANA一般 | ANA上級 |
---|---|---|---|---|
エコノミー | 23×2 | 32×3 | 23×2 | 23×3 |
ビジネス | 32×3 | 32×4 | 32×2 | 32×3 |
無料で預かってもらえる数が増えますので、例えば上級会員と非会員が一緒に旅行する場合、非会員の荷物を上級会員に渡しで預け荷物にしてしまえば、2で書いたように先に出てくることになります。
ここまで国際線のことについて触れてきましたが、国内線でも上級会員になると荷物の重量枠が20キロ増えるメリットがあります。
6 マイルの加算率があがる
飛行機に乗ると貯まるマイルの数が、上のクラスにいけばいくほど上がります。上級会員になると、あれよあれよとマイルがたまっていきます。
例えば、一番上のダイヤモンド会員だと通常加算されるマイルの150%増し、真ん中だと100%増し、のように増えていくのです。上級会員になれば、ますます獲得できるマイルを確保できますね。
7 国際線エコノミーの、足元の広い座席が優先的に確保できる(非公式)
これはJALの話で、ANAが対応しているかは不明です。
国際線の中型機以上の45列目は、非常口の前なので足元が非常に広い席になっています。もしかしたら、「あの席いいなぁ」と思ったことがあるかもしれません。同じエコノミークラスでも、圧倒的に快適感が異なります。向かいにCAさんが座ったりもしますしね(笑)
それはさておき、この席は、緊急時の対応手伝いが求められることになるものの、その快適さのため人気となる席ですが、事前に座席指定することができるのは上級会員に限られています(直前になると、一般会員にも開放されます)。
これは、私(上級会員)と妻(非上級会員)が同時に予約画面に入った時のスクリーンショットなのですが、このように、同じ日程で上級会員としてログインした場合と、ログインせずに座席指定に進んだ場合を比べてみると、45Hの席が、上級会員としてログインした場合は表示されるのに対し、ログインしない場合は選ぶことができないようになっています。
8 特典航空券がとりやすくなる(非公式)
これも非公式ですが、マイルで乗ることができる特典航空券枠が上級会員によって増えます。これは特にANAに顕著な傾向があります。
例えば、東京からハワイまでの一般会員へのビジネスクラス特典航空券の割り当ては2席ですが、上級会員には別途2席あるようです。このあたりを検証したのがテラヤマアニさまの以下の記事になります。
私も、2017年の9月に、ビジネスクラスの特典航空券を3席確保することができました。これも、上級会員だからこそできたことです!
これらはANAの場合なのですが、JALの場合、もとからかなり弾力的な運用をしているので、どのくらい上級会員枠があるのか、定量的にはわかりません…。
ここまで紹介してきたメリットの大半は、ビジネスクラスに搭乗すれば上級会員でなくても、ほぼ同等のサービスを受けることができます。また、6や7は、特典航空券でビジネスクラスで搭乗する陸マイラーには関係ないです。
ビジネスクラスに乗る陸マイラーが、あえて上級会員になる理由の一つが、この特典航空券枠の中の確保にあると思います。
9 その他
この他に上級会員向けの特典には以下のものがあります。
- 飛行機への優先搭乗
- キャンセル待ちの優遇
- 専用コールセンターの設置
機内への優先搭乗は、時にはメリットとして書かれることが多いのですが、私は正直あまり利用しません。ビジネスクラスに乗るときは優先搭乗しますが、エコノミークラスや国内線に乗る場合は、狭い機内になぜ先に入らなきゃいけないのかと思ってしまうのです(笑)そもそも圧倒的に前方の通路側を予約するので、先にのったほうが邪魔になってしまうんですよね(苦笑)
「修行」をすれば庶民でも上級会員
問題はこれです。上級会員は、「お得意様」特典ですので、なるためには飛行機の搭乗実績が必要になってきます。このようなVIP待遇を、庶民が味わえるのかというと、そう簡単には味わえません。ただし、「コツ」をつかんで飛行機に乗りまくれば上級会員になることは庶民でも夢の領域ではありません。
そして、ここが最も大事なのですが、日系の2社は1回竹クラス(JALのサファイア、ANAのプラチナ)の登場実績を達成すると、「年会費1万円のクレジットカードを持てば半永久的に竹クラスのメリットを享受できる制度」があります。私もこの制度を活用し、JALの上級会員である「JAL GROBAL CLUB(通称JGC)」とANAにも「ANA SUPERFLYERS CARD(通称SFC)」があります。
このために、飛行機への搭乗を繰り返し、上級会員になることを巷では「修行」といったりします。私も2014年にJGC、2017年にSFCを取得しました。
なお、この記事で紹介した「竹クラス」の上級会員であれば一度修行をすればいいのですが、最上級会員の資格は、基本的に1~2年で切れてしまいます。最上級会員になると、上で紹介した内容がさらにパワーアップして魅力が高まるのですが、維持するのは大変です。ジャニーズの風間俊介さんも、お仕事でのフライトで足りない分などは修行をしているようですね(たぶん、ダイヤモンド修行だと思いますが)。
ここからは、JALとANAで分けて考えた方がいいので、下記のリンクをご覧いただけければと思います。
【JAL JGCの記事はこちら】
【ANA SFCの記事はこちら】
【私は2017年のSFC修行僧です】
まとめ
航空会社の上級会員になると、さまざまなメリットが受けられ、より旅行が楽しく快適なものになります。
上級会員になるには工夫が必要ですが、一度ミッションを達成してしまえば、現在の制度ではクレジットカードの保有で維持ができるものなのです。
ジャニーズだって修行する時代です!興味があれば、上で紹介した記事などをご覧いただき、修行の世界に入ってみてはどうでしょうか!!
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