この前、ブログを読んでくれた職場の後輩に一つ聞かれました。
「なんでマイル貯めているんですか?」、「マイルってそんなにすごいんですか?」と。
はっとしましたね。この後輩は海外旅行もそれなりに経験のある後輩ですが、それでも「マイルの価値」というものを知らない。これ、すごい損していると思います。マイルって、半端ない可能性を秘めたポイント制度だと思います。
そこで、今日は1マイルの価値というものが、どのくらいなのかをみていきたいと思います。
目次
マイルはさまざまなポイントにも交換できる
航空会社のマイルは、何に交換できるのか。なんか当たり前のことを聞いているようですが、実はマイルは航空券以外にも交換できるんですよ。
例えばANAマイルは、日本の2大ポイントといっても過言ではない、楽天スーパーポイントやT-POINTに交換できます。これらは非常に利用しやすいポイントですよね。
JALマイルの場合、電子マネーのWaonや、共通ポイントのPontaに交換することができます。ANAよりは若干使いにくいかもしれませんが、十分汎用性はあると思います。
これら、共通ポイントなどへの交換レートは、おおむね1マイル=1ポイント(=1円)になります。
2021年3月まで、JALマイルからWAONへの交換キャンペーンとして、40,000マイルを50,000WAONに交換するというキャンペーンが実施されており、キャンペーンにより、1マイル1.2円程度にもなることがあります。
ただ、1マイルを1円に交換するのは、私的にはちょっともったいないと思います。
マイルを貯める最終的な目的は、特典航空券を発券するためにためていると思いますし、それが一番お得なんです。特典航空券の発券など、マイルを飛行機に乗ることに使う場合には、1マイルあたり1円以上の価値を簡単に見出すことが可能です。
それでは、特典航空券の発券でマイルを使った場合の、1マイルの価値というのをみていきたいと思います。
少なくとも1マイル1.5円以上の交換レートを目指す
ANAマイルやJALマイルを使って特典航空券を発券するにあたり、1マイルいくらの価値を目指すべきなのでしょうか。
私の考えですが、1マイルあたり最低1.5円以上、可能な限り2円を目指していけばよいのかな、と思います。
少なくとも1.5円以上の価値は、普通に使えばあります。
その根拠ですが、2020年現在は、「TOKYUルート」という素晴らしいルートがあり、このTOKYUルートを使えば、10,000円分のポイントを7,500ANAマイルに交換することが可能なんです。
となれば、その逆数をとって、7,500マイルで10,000円以上の価値を見出せば十分といえば十分です。つまり1.5円程度以上で使えれば、お得にマイルを使うことが可能ということが言えると思います。
ただ、このTOKYUルートがなくなり、今後も特別な交換条件がなくなっていけば、2円相当のポイントを1マイルに交換する時代が来るかもしれません。
例えばTポイントや楽天スーパーポイントをANAマイルに交換する場合は、1,000ポイントあたり500マイルの交換レートとなっています。
その場合、10,000円分のポイントが5,000マイルになるわけですから、5,000マイルを使うにあたり、10,000円の価値以上を見出していく必要があります。
ということで、多めにみて、1マイル2円で利用できれば、十分お得だということがわかっていただけたと思います。
国内線特典航空券利用の場合は1マイル2円程度の価値に
それでは、航空券に換えた場合のマイルの価値がどのくらいなるのか、具体的にみていきたいと思います。実は、路線や搭乗クラスによって、1マイルの価値は大きく変わります。いくつかのパターンをみてみましょう。
まずは国内線特典航空券からみていきたいと思います。
以下に示すのは、ANA特典航空券レギュラーシーズンにおいて、区間ごとに往復に必要なマイル数と、1~2か月前に購入する際に想定されるおおよその運賃(比較的使い勝手のよい時間帯のもの)を表しました。
区間 | 必要マイル数 | 運賃(往復) | 1マイルの価値 |
---|---|---|---|
東京~札幌 | 15,000 | 30,000~40,000円 | 2~2.3 |
東京~大阪 | 12,000 | 20,000~25,000円 | 1.6~2 |
東京~福岡 | 15,000 | 30,000~40,000円 | 2~2.3 |
東京~沖縄 | 18,000 | 30,000~50,000円 | 2.2~2.6 |
運賃に関しては実績で示せるのがよかったのですが、現在はコロナがあったり、当然休暇シーズンとオフシーズンでは値段が大幅に変わったりとあまり参考になりませんので、経験値的なもので運賃は書かせていただきました。
国内線の場合、だいたい1マイル=2円の価値があると考えておけばよいでしょう。
ただし、今回紹介した4つの路線は、どれも需要も旺盛で本数も多く、競争も激しい路線になります。もっと便数の少ない地方都市路線であれば、航空運賃がやや高めになりますから、相対的にもう少しマイル単価は上がると思います。
東京~沖縄に関しては、JALマイルを利用した場合は15,000マイルで行けますので、相対的にJALマイルであれば1マイルの価値が上がります。
国際線は場所や搭乗クラスによってかなり変わる
続いて、国際線特典航空券を利用する場合の1マイルあたりの価値比較を行こうと思います。
まず、国際線の航空券の値段を決める要素は、発券クラス・曜日・シーズンクラスの3つからなっています。これらを組み合わせて、毎日の運賃が決定していきます。
発券クラスとは、同じ飛行機の同じエコノミークラスの中でも、航空券の条件と料金の種類によっていくつかのチケットの種類があったりするんですね。
例えば、早く購入してキャンセル不可のチケットがあったり、直前まで予約できて、チケットの変更や、マイルを追加するとビジネスクラスにアップグレードすることが可能なチケットがあったりします。また、完全に同じ条件でも、早く購入した人には安くするなど値段を変えるためにブッキングクラスを設定したりもしています。
また、シーズンクラスとは、盆暮れ正月を中心として、ハイシーズンの場合、同じクラスでも値段があがります。逆に冬のヨーロッパとかは安くなります。
では、具体的に1マイルの価値を見ていきたいと思います。ここでは、航空券の条件をそろえる必要がありますね。
今回の計算に用いた条件ですが、
- 航空会社はANA
- 運賃は、日常的に販売している割引運賃で最も安いクラス(エコノミーはS、ビジネスはZ)
- 夏休み、正月、GWの特別料金はのぞいた額
- マイルは、レギュラーシーズンのマイル
ということでみていきます。
エコノミークラスの場合
まずはエコノミークラスからみていきましょう。
区間 | 必要マイル数 | 運賃 | 1マイルの価値 |
---|---|---|---|
東京~香港 | 20,000 | 34,000~40,000 | 1.7~2 |
東京~シンガポール | 35,000 | 45,000 | 1.3 |
東京~ホノルル | 40,000 | 75,000~105,000 | 1.9~2.6 |
東京~ニューヨーク | 50,000 | 124,000~144,000 | 2.5~2.9 |
東京~パリ | 55,000 | 77,000~117,000 | 1.4~2.1 |
国際線エコノミークラスでマイルを利用した場合、国内線同様、だいたい1マイルは2円の価値もになります。
ただ、その中でも少し差はでています。特に需要の多い北米路線は航空運賃が高めなのに必要マイル数はヨーロッパより少ないため、相対的にマイル単価は上昇しますし、シンガポールなどの東南アジア路線は1マイル1.3円とかなり安くなります。
先ほど書いた通り、1マイル1.5円以下で使うのは勿体ないので、特典航空券で1.3円の価値になるようであれば、使うのはちょっともったいないですね。
国際線ビジネスクラスの場合
次に、国際線ビジネスクラスのマイル単価をみていきましょう。上の写真はANAのビジネスクラスシートです。
その分人気でなかなか特典航空券をゲットする方が大変なのですが、ビジネスクラスを利用すれば、窮屈な飛行機からおさらばできます。また、1マイルの価値もなかなかのものになります。
区間 | 必要マイル数 | 運賃 | 1マイルの価値 |
---|---|---|---|
東京~香港 | 40,000 | 136,000~166,000円 | 3.4~4.2 |
東京~シンガポール | 60,000 | 219,000~269,000円 | 3.7~4.5 |
東京~ホノルル | 65,000 | 200,000~281,000円 | 3.1~4.3 |
東京~ニューヨーク | 85,000 | 493,000~743,000円 | 5.8~8.7 |
東京~パリ | 90,000 | 439,000~539,000円 | 4.9~6.0 |
先ほどみたエコノミークラスに比べ、ビジネスクラスの場合、明らかに1マイルの価値があがりましたね。
実はマイルの価値で一番安いのがホノルルというのは意外だったんですが、ホノルルは季節ごとの運賃設定がかなり細かいので、20万円で乗れる日は超オフシーズンだけだと思ってください。
したがって、ビジネスクラスの特典航空券を目指す人は、1マイル4~5円の価値があると思ってもらっていいでしょう。
また、自腹では普段乗れないビジネスをマイルで!ということで体験価値も高いですし、ラウンジ、シート、食事どれをとってもエコノミーとは違う旅ができます。
【JALのビジネスクラスのサービスはこちら】
JAL SKY SUITE(シート) – JAL国際線
【ANAのビジネスクラスのサービスはこちら】
ビジネスクラスシート一覧|Service & Info|ANA
ファーストクラスへの交換は価値最大化だが…
ちなみに、ファーストクラスへの交換で1マイルの価値を考えると、10円を超えてきます。これは、ファーストクラスにはほぼ割引運賃が存在しないためです。
ただ、自腹でファーストクラスを買うことはそうそうないと思っていますので、ファーストクラスではあまりマイル単価を考えるのは適切ではないと思います。ファーストクラスとは、マイルの価値とかを超えた一つのエンターテインメントだと思った方がいいでしょう。
ちなみに、最近のビジネスクラスは、食事はともかくとしてシートのレベルは相当あがってきています。先ほども触れましたが、基本的に中距離以上のフライトであればほぼフルフラットに対応したシートになっています。
私はJALやエミレーツ航空、タイ国際航空のファーストクラスにマイルで乗ったことがありますが、その経験からしても、ファーストクラス1回分のマイルがあれば、ビジネスクラスに2回乗ることにマイルは使いたいですね。
実際にファーストクラスに乗ったのも、JALとタイ国際航ではファーストクラスに特典航空券の空きがあり、ビジネスに空きがないという状態だったのでファーストクラスに乗ったという経緯です。
あと、私の場合、ファーストクラスに乗っても夜行便だとすぐ寝ちゃうんですよね。確かに広いが故にすぐ眠れるので、眠りの面ではメリットがありますが、なんか勿体ないなぁと。この前タイ国際航空では食事すらパスしましたし…。ウェルカムドリンクしか飲んでません。
人によってはANAスカイコイン・eJALポイントへの交換も視野に
「ANAスカイコイン」や「e JALポイント」は、1ポイント1円で航空券の購入なども使える航空会社のポイントです。それぞれ、ANAマイルやJALマイルからも交換することが可能です。
JALマイルの場合、10,000マイルあたり15,000e JALポイントに交換できますので、マイル単価は1.5円となります。
ANAマイルの場合、交換数やANAの保有するステータスによって交換レートが異なるのですが、最大で1.7倍の交換レートとなっています。
このe JALポイントなりANAスカイコインを使って航空券を購入した場合、現金で買ったのと同じ扱いになりますので、特典航空券での発券と、以下の違いがあります。
- マイルが付与される
- 多頻度顧客向けプログラム(JALの場合FOP、ANAの場合PP)が付与される
- 特典航空券は便あたり一定の席しか発券できないが、その制限がない
特典航空券ではマイルやFOP/PPが付与されませんが、e JALポイントやANAスカイコインで航空券を購入すれば、これらが付与されます。
特に、JALやANAの上級会員を目指す方であれば、マイルを貯めて、それをe JALポイントなりANAスカイコインに交換し、それを原資に修行をすることで、お金をかけずにJGC/SFCを目指すことが可能となります。
また、これらのポイントでは、特典航空券では別途支払いになる「燃油サーチャージ」や「空港税などの諸税」も支払うことができます。
なので、特典航空券の場合単価が1.5以下になるような場合(シンガポール行きエコノミークラスなど)や、JAL、ANAの上級会員になりいた人、また特典航空券がとりにくい日程でどうしても旅行に行きたい人などであれば、マイルは特典航空券ではなく、e JALポイントやANAスカイコイン交換することを考えておく必要があると思います。
まとめ
1マイルの価値は、国内線や国際線ビジネスクラスで約2円、国際線ビジネスクラスで1マイル4円、ないしそれ以上の価値があるものです。
これで、「100円」や「100ポイント」と、「100マイル」は根本的に価値が違うことがわかっていただけたでしょうか。
だから、私はマイルを貯めるのです。マイルをためて、可能な限りビジネスクラスで海外に行くことを目指すのです。